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2021.12.12
【ネタバレ感想】戦場を駆け抜けて伝令を届けよ!1917 命をかけた伝令 (2019)
テーマ:
最近観た映画。(41055)
カテゴリ:
カテゴリ未分類
第1次世界大戦が始まってから、およそ3年が経過した1917年4月のフランス。ドイツ軍と連合国軍が西部戦線で対峙(たいじ)する中、イギリス軍兵士のスコフィールド(ジョージ・マッケイ)とブレイク(ディーン=チャールズ・チャップマン)に、ドイツ軍を追撃しているマッケンジー大佐(ベネディクト・カンバーバッチ)の部隊に作戦の中止を知らせる命令が下される。部隊の行く先には要塞化されたドイツ軍の陣地と大規模な砲兵隊が待ち構えていた。
撮り方が秀逸で、まるでゲームの主人公を操作しているような圧倒的な臨場感と没入感!
久しぶりだよ映画。
本当に久しぶりに見たよ映画。
いや、
まじで
久しぶりに見たよ
面白い映画。
本作のことはなんとなく知っていた。あらすじとかは分からないけど、とにかく
撮影手法が独特
で、まるで一兵卒の戦場での一日をドキュメンタリーでも見ているかのような感覚で追うことができる。ある意味
究極の長回し
。渡鬼なんか目じゃないよ、と思うけど、もちろんどこかで編集点が入っている。その編集点を探すのもちょっと楽しいかも笑
あと、最近のSPFゲームってこんな感じじゃない?ってちょっと思った。それくらい、
一人の人物にフォーカスを当てた撮り方
。だからこその大袈裟な演出や展開があるけど、不自然じゃないから全然観ていられる。
お話は第一次世界大戦。
、、、第一次世界大戦のヨーロッパ戦線って本当によくわからんのよ笑
この時どんな戦況だったのか、ここどこ?感が強いけど、とりあえず
イギリス兵
が
ドイツ軍
の罠を遠くにいる自陣に伝令するべく、
フランスの野
を駆け抜ける
、というお話。最初はプライベート・ライアンの第一次世界大戦バージョンかなーとか思ったけど、今回の任務についているのはライアン二等兵ばりの下っ端の兵卒。(一応上等兵だけど)しかも一人はただ単に
地図を読むのに明るい、そして伝令する方の陣地に兄がいるため意気軒昂の若者
。もう一人は、
そんな彼の隣にいたから選ばれた友人の兵士。
こんな
トップダウンの命令
ってある?笑
急に呼び出されて、将軍から一命を授かるってあるのかな?この時代。
そしていきなりこの将軍は
コリン・ファース
だったりする。ストーリー展開はおいといて、この配役だけで期待値が上がるのは仕方ないことかな笑
最初、主人公はこの、
兄がいるから真昼間でも敵陣突っ走る系男の
ブレイク
かと思いきや、最後に伝令を届けるのは
冷静沈着な
スコフィールド
の方。
そう、ブレイクは道半ばで死んでしまう。
前情報を何もない状態で観たから、ブレイクの死は結構
衝撃的
だった。
しかも彼の優しい部分が裏目に出た結果なのが本当に辛い。敵兵でも見捨てるのがいいのかな、ああいう場面では、、でも
人情味あるブレイク
には無理だよ、、
そこからスコフィールドがブレイクに変わって、まさに
命をかけた伝令
を届ける役目を負う。最初は気乗りしなくて、ドイツ兵の罠にハマった時も
「なんで俺を選んだんだ!」
って怒りをあらわにしてたスコフィールドが、ブレイクの死を無駄にするまいと、奮闘する様は鳥肌ものだった。
自陣の姿が見えないまま夜明けを迎え、
死人のような顔で木に寄りかかるスコフィールドの表情
、、そこから、まだ自陣は出撃しておらず、
伝令を届ければ最悪の事態を防げるかも
、と走り出す彼の使命を帯びた顔は明らかに変わっていた。
クネクネ入り組む塹壕を一心不乱に駆ける。突撃命令の出ている陣内はいきり立っている。みんな緊張しているし、みんな心のどこかでは怖がっているのも分かる。スコフィールドに最初に
「突撃は中止です」
みたいに言われてた下っぱの伍長?みたいな人も、
「俺にそんなこと言うな!」
ってなるよね、、意気を削ぐような真似はするな、
下手に怖気づけば配下の兵士たちが怖がって迷う
んだから、、突撃の緊張感が否応にも伝わってくる。
全編通してだけど、この塹壕の演出もすごいよ。第一次世界大戦は塹壕戦なんだよね。穴を掘ってそこに隠れて、相手からの攻撃に耐えつつ突撃を待つ。
ものすごく効率の悪い消耗線、、
だけど、この時の彼らは勝利を信じてその戦い方をしてるんだもんな、、
なんか無情を感じる。
で、ラストのハイライトは戦場ならぬ、
突撃前線の激戦地を横に駆け抜けるスコフィールド
です。
だけどこのシーンね、、ちょっとシュールなんよ、、笑
全然わかるよ?話の重みとかすごく伝わるし、ああ
スコフィールドの決意
とか、
仲間であり友人でもあるブレイクの意思を継いだ感じ
とか、
殺せるものなら殺してみろ!死んでも伝令を届けてやる
っていう、一種の投げやりの境地みたいなのが現れてるんだろうけど、、ちょっとシュールすぎるよ、、
感動するけどシュール
だわ、、
で、最後の最後で伝令を届けるマッケンジー中佐はお馴染み
ベネディクト・カンバーバッチ
ですわ。
いや、これもわかるよ、最初と最後に名優を据たいのわかるけど、絶対ベネディクト・カンバーバッチは
突撃命令を中止する系の人間じゃない?笑
彼が無慈悲にこの映画の根底を覆す決断をするはずない。良くも悪くも、カンバーバッチが出てきたときに、
「あ、絶対突撃命令は中止になるわ」
って思ってしまったよ。
そしてスコフィールドの思いが伝わり、突撃命令は中止になる。
ただ、少ない出番でもマッケンジー中佐の苦悩はちゃんと伝わってくる。
今日の朝には突撃中止と命令され、来週にはまた突撃せよと命令が下る
。
気が休まらないどころの話ではない。常に緊張していなければならない。それならいっそ、
玉砕覚悟で突撃した方が楽
なのかもしれない、、そんな戦場の、前線を指揮する司令官の苦悩もちゃんと描かれている。(ちょっと嫌なやつだったけど)
最後、スコフィールドはブレイクの兄を見つけ、一応のハッピーエンド。これでお兄ちゃんが死んでたら
ちゃぶ台ひっくり返すよ、まじ
。そしてお兄ちゃんがブレイクと同じでいい人そうなのがツライ、、
あと、エンドロール前に、この映画を誰々に捧ぐ、みたいに実話を匂わせるテロップが流れたけど、、そういう手法なのか、本当なのかはわからない。そこは匂わせて濁したままでもいいのかも。
主演はウィリアム・スコフィールド(通称スコ)役は
ジョージ・マッケイ
。まだまだこれからの若き俳優さん。初見さんだけど、素晴らしい俳優さんだと思う。愉快で快活で頼れるいい奴なトム・ブレイクは
ディーン=チャールズ・チャップマン
。正直、彼も他の映画では見たことのない顔だけど、まだ若いからね。
マーク・ラファロ
にちょっと似てるかも?(個人的な感想です)彼らに任務を授けるエリンモア将軍は説明不要のイギリスの名優
コリン・ファース
。そして伝令を受け取る先にいるマッケンジー中佐役はこちらも名優
ベネディクト・カンバーバッチ
。この二人が最初と最後を締める役割をしていることで、映画にこれ以上ないほどの重厚感を生んでいる。そして
この二人は存在感がありすぎる笑
いい配役。他にもブレイクを失って憔悴状態のスコを励ましつつ、車で送ってくれたスミス大尉に
マーク・ストロング
。裏切りのサーカス、イミテーション・ゲーム、キングスマンあたりかな。
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最終更新日 2021.12.12 14:15:52
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