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2014/12/31
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http://www3.nhk.or.jp/news/web_tokushu/2014_1226_02.html

STAP問題が科学界に問うもの

12月26日 21時50分

記者稲垣雄也



ことし1年、日本の科学の信頼を揺るがし

続けたSTAP細胞問題。

不正をめぐる調査がようやく終わりました。

外部の専門家などで作る理化学研究所の



研究員が新たに2つのねつ造を行っていた

と認定したうえで、STAP細胞を培養・凍結

保存していたものは別の万能細胞である

ES細胞だったことを明らかにしました。

ただ、調査に対して、論文の著者らは故意

の混入を否定していて、誰が混入したのか

特定できなかったとしています。

科学文化部の稲垣雄也記者が解説します。



「すべて別の万能細胞」

今回、調査委員会は、小保方晴子元研究員



照彦教授の研究室に残されていた、STAP

細胞を培養・凍結保存していた細胞を調べ

ました。


シークエンサーという特殊な装置を使うなど

して細胞の膨大な遺伝子の情報を分析した



れも別の万能細胞であるES細胞だと結論

づけました。

さらに、STAP細胞を使って作り出したという

緑に光るマウスについても、ES細胞が混入

して出来た可能性が高いとしました。


ES細胞は、30年以上前に世界で最初に作

り出された万能細胞で、再生医療の研究の

現場ではごく一般的に使われているものです。

つまり、STAP細胞が出来たという小保方元

研究員らが主張してきた論文の内容は、

全面的に否定されたのです。


誰かが混入したのか?

なぜES細胞が混入したのか。

プロの研究者なら、実験中、ほかの細胞が

混ざらないよう細心の注意を払うのは当然で、

今回のように混入が論文の複数の実験で

同時に起きたというのは極めて不自然です。

調査委員会はこの点を重視し、誰かがES

細胞を故意に混入した疑いが拭えないとし

ました。

しかし、誰が混ぜたのかについては特定でき

ないとしました。

当時、小保方元研究員が細胞を保管して

いた研究室は、出入口の鍵が誰でも開けら

れるようになっていて、内部の研究者であれ

ば出入りが難しくなかったからです。



理化学研究所の調査委員会の委員長を務め

た国立遺伝学研究所の桂勲所長は、会見で、

小保方元研究員に3回にわたって聞き取りを

行ったことを明らかにしたうえで、「小保方さん

にESの混入についてどう思うかと聞いたところ、

混入の可能性もあるということは言っていた。

聞き取りの最後に改めて『 私たちはES細胞で

あるという十分な証拠を持っています
』と伝えた

ところ、こちらから聞く前に小保方さんのほうから

『 私はES細胞の混入をしたことは絶対にありま

せん
』と否定した」と述べました。


また、論文のほかの著者らにもES細胞を混

ぜたか質問したもののいずれも否定したと

いうことです。



明らかになった深刻なねつ造

さらに、26日の会見では、新たに2件のねつ

造を小保方元研究員が行っていたことも明ら

かになりました。



また、論文の多くの図や表のオリジナルデータ

について、特に小保方元研究員のものが一部

を除きほとんど存在せず、本当に行われたのか

証拠がない実験もいくつか存在するとしています。

例えば、細胞が増えていく様子を3日に1度調

べたというデータが論文にグラフとして掲載され

ているのに、調査委員会が、実験が行われた

とされる期間の出勤記録とつき合わせたところ、

実験が行われたはずの期間に小保方元研究員が

海外に出張し、出勤していないケースが見つかった

ということです。

数々の実験データのねつ造とES細胞の混入。

STAP細胞の問題は、これまで明らかになった

以上に深刻なねつ造問題だということが、今回、

改めて示されました。


「問われる理研の責任」

今回の問題では、日本を代表する研究機関

でさえ「研究不正」に対する認識の甘いことが

浮き彫りになりました。

理化学研究所は問題が発覚した当初から調査

に対して積極的とは言えず、専門家からは、

今回、調査委員会が行った細胞の遺伝子を

調べる調査も本当はもっと早くできたはずだ

という指摘が数多く出ています。

不正な研究成果は再現されず、時間がたてば

消えていくものだという従来の科学界の常識

にとらわれ、多額の国費が投入される研究の

不正に対して社会からの目が厳しくなっている

ことへの認識が不足していたと言わざるを

えません。

会見で、調査委員会の桂勲委員長は「 科学の

基本は、有名になりたいからとかノーベル賞を

取りたいからということではなく、自然の謎を解く

喜びと、社会的責任をどう果たすのか、その

2つが重要だ
」と述べ、科学の原点に立ち返る

ことの重要性を訴えました。



1年にわたって続いたSTAP問題を教訓に

理化学研究所は失った信頼を回復できる

のか、そして、日本の科学界は不正をなく

していけるのか、科学界のあり方が問われ

ています。

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Last updated  2015/01/01 12:12:21 AM
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