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2015年01月27日
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カテゴリ: 砂の器
2004年1月クールとして制作が発表されました、
中居クン主演、日曜劇場枠のドラマ「砂の器」。
野村芳太郎監督の映画があまりにも有名で、
一抹の不安を感じた時の感想です。

ですので、映画版の内容について、
多少・・・どころかかなりネタバレのところがありますので、
未見の方はご注意くださいませ。






「はじめに」 

3年ぶりとなる中居クンの連続ドラマは、松本清張氏原作の「砂の器」です。

なお、原作・・・というよりも、1974年松竹映画、野村芳太郎さん監督の映画「砂の器」の内容について言及しております。
ネタバレ困る方はご注意下さい。 


さて、今回制作が明らかとなったTBS日曜劇場04年1月スタートの「砂の器」なんですが・・・。
いきなりキツイことを書かせていただきます。
なんでも話を現代に移し、ハンセン氏病問題にも触れないとか。
それでは、原作・映画の持つ根本的なテーマをほぼ9割がた削いだことになります。
前途を嘱望され、人生これから花を咲かせようとしている和賀英良が、なぜ犯罪を犯すに至ったか。
それを説明するのに、あの高度成長期の時代背景と、それと表裏をなすハンセン氏病患者の方々への理不尽な差別は、切っても切り離せないものなのです。
それでどうやって「砂の器」という作品を成立させようというのでしょうか?

「白い影」「高原ヘいらっしゃい」「白い巨塔」等、この高度成長期に作られたドラマ・映画のリメイクがここ最近続いています。
(奇しくも上の3作品は故・田宮二郎さんの代表作ですが・・・)

たとえば不治の病に冒された医者。経営が傾いたホテル(ペンション)を立て直そうと奮闘する人々。
派閥闘争と医療裁判に翻弄される関係者たち。今の世の中でも、充分起こりうるお話です。

ところがハンセン氏病問題となるとそうはいきません。
つい最近でしたか、国との和解交渉が成立し、その道のりを描いたドキュメンタリーもしばしば放映されました。
現代ではおよそ考えられないような患者の皆さんへの差別意識があったようです。


「砂の器」の主人公は、わずか6歳にしてその強烈な向かい風を小さな体に受けることになります。
罹病してしまった父親とともに、物乞い同様の生活をしながら各地を流浪する・・・。
映画では和賀がすべての想いをこめて作曲した交響曲「宿命」にあわせて、そんなシーンがクライマックスに延々と流れます。
事件の発端となる、東京で死体となって発見される被害者は、そんな境遇の和賀を助け、育ててくれた恩人です。
ところが、過去を知られないようにするためには、その恩人をも手にかけてしまう。
そこまでさせる何かが、その流浪の暮らしの中で生まれたんでしょう。
(その辺りのはっきりした動機は語られません。まあ、あくまで私の当時の感想です)

ということで。現代、そこまで一人の人間に殺意を抱かせてしまう「宿命」に、今回のスタッフは何をもってこようとしているんでしょう。
そこがしっかりしていないと、ただの絵空事で終わってしまいかねません。
「白い影」の時は、発表当時、「な、中居正広大丈夫か?」と正直ちょっと心配でしたが、今回は龍居さんの脚色がどこまで現代人を納得させられるか、少し気がかりではあるのです。
いくら「白影」が成功したからと言って、「きゃ~、中居クンかっこいぃ~」だけでは通用しませんもんねぇ。
でも反対に、この点をクリアできればとってもいいものが出来上がるんじゃないかという期待感も大きいです。
さあ、放送まであと二ヶ月(これ書いてるのは03年11月中旬です)。心して待ちましょう。





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最終更新日  2015年01月28日 02時27分20秒
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