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アバター3D



2154年人類はケンタウルス座アルファ星系惑星ポリュペモスの衛星パンドラでアンオブタニウムの鉱脈を発見.パンドラには先住民ナヴィがいた.RDA社現地採掘責任者パーカー・セルフリッジ(ジョヴァンニ・リビシ)は元海兵隊のマイルズ・クオリッチ(スティーヴン・ラング)大佐を軍事顧問に,グレース・オーガスティン(シガーニー・ウィーヴァー)博士を科学顧問として採掘計画を立案.ナヴィの観察・教化を行うアバター計画責任者であるグレース博士の下にはマックス・パテール(ディリープ・ラオ)博士,更にノーム・スペルマン(ジョエル・デヴィッド・ムーア)博士と元海兵隊員ジェイク・サリー(サム・ワーシントン)が加わる.ジェイクはアバターを使い,ナヴィのオマティカヤ族のネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と接触.その父で族長エイトゥカン(ウェス・ステューディ)と母モアト(CCH・パウンダー),次期族長ツーテイ(ラズ・アロンソ)を知る.



これは映画の未来を懸け、想像力が萎えきった大人をも少年に引き戻す壮大な冒険である。人間性や自然環境の本質を問うオーソドックスな物語に身を委ね、キャメロンという狂気の作家のパッションに何度も目頭が熱くなった。映画とは、ひとりの暴君が「世界」を創り上げる執念の賜物であることを改めて思い知らされる。  資源の豊かな星に目を付けた強欲な人類に
よって企てられる、先住民の制圧。彼らと人間のDNAを組合せた分身を使って送り込まれた男は、やがて任務に疑問を抱く。幾重にも変奏されるテーマがある。身体からアバターへのリンク、先住民との絆、生態系との調和。「繋がる」ことで生に目覚める主人公は、あまりにも利己的な人類に反旗を翻す。そして作品そのものが、アメリカ史やハリウッド映画の記憶、いや、宮崎アニメとさえ繋がっている。普遍的な神話に基づくストーリーの骨組みに盛りつけられた豊穣なイマジネーションには、息を呑むばかりだ。極め付けはラスト40分の大活劇。色鮮やかな竜に乗って飛ぶ先住民が弓と矢で、重厚な爆撃機やロボット兵器を迎え撃つ、ファンタジーと西部劇、SFと戦争映画の凄絶なミクスチャー。不意のビジュアルが、空間設計の行き届いた異世界で見事に融け合っている。  壮年期を過ぎた映画メディアにとって3D化の意味とは、無機的なパ
ワードスーツによる武装で延命措置を図ることではなく、有機的なアバターによって別次元へといざなう心の旅であり、本作は映画が生まれ変わる可能性を十二分に信じさせてくれる


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