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開催日:2026.2.8(日) 13:30開演
場所 :小諸市文化センター(712名収容)
また縁あって演奏者として参加させて頂くことができましたので、演奏者視点でもレポートさせて頂きたいと思います。
プログラム
第1部
1.THE SINFONIANS
2.2025年度全日本吹奏楽コンクール課題曲I「祝い唄と踊り唄による幻想曲」
3.Elsa's Procession ti the Cathedral
4.MISS SAIGON
第2部
ラッパ隊による ラッパ吹奏
第3部
5.ツァラトゥストラの大作戦!
6.ジャパニーズ・グラフイティXIV A・RA・SHI~Beautiful days
7.ライラック
8.塔の上のラプンツェル・メドレー
9.L-O-V-E
10.昭和アイドル・コレクション Vol.2
アンコール
11.ツールド・フォース
12.明日はきっといい日になる
レポート
THE SINFONIANS
オープニングは、重厚な金管ファンファーレから始まり、中間部のピッコロ・スネアドラムのソロ。そしてお洒落なトロンボーンアンサンブル。さらに美しい木管系の弱奏部を経て、堂々たるグランディオッソという約5分半の中に音楽のいろいろな要素が詰め込まれたマーチでの幕開けとなりました。出版社webサイトではクリフトン・ウィリアムズの最も尊敬される交響的行進曲として紹介されていますが、実際に演奏してみると前述した多くの要素がじつにドラマチックで、バンドの中でバトンを受け渡しながらリレーしているかのような感覚がありました。
「祝い唄と踊り唄による幻想曲」
2025年度全日本吹奏楽コンクール課題曲ということで、2025年中に何度か他団体が演奏するのを耳にした記憶がありますが、その時は粋な日本文化的音楽という抽象的な印象しかなかったのですが、演奏にあたって楽譜を紐解いてみると、冒頭弱奏部の異常なまでの緊張感やテンポアップ後に多用される変拍子をいかに攻略するかという難題を突き付けられて、なかなかに苦戦した訳ですが、そこは熱心な指揮者の指導による練習の積み重ねと真摯な奏者の一体感によって攻略が叶ったという達成感がありました。
Elsa's Procession ti the Cathedral
エルザの大聖堂への行列は、もともとはオーケストラの曲ですが、管楽器の活躍が多い楽曲という印象があり、そういった意味では吹奏楽との親和性が高いイメージがあります。そして私自身この曲を演奏するのはおそらく3回目で、過去2回は金管セクションでの演奏であり、3回目にして木管セクションでの演奏となった訳ですが、楽譜の内容を見ても同じ曲でもずいぶん眺めている風景が違うものだなと感じたところです。とある練習で、金管奏者の方から休みが多すぎて数えるのが大変だという声も聞こえてきて、まさにオーケストラらしい贅沢な楽器の使い方をしていると感じた次第です。
MISS SAIGON
ミスサイゴンもいろいろなアレンジがありますが、今回演奏されたのは宍倉晃氏によるもので、運よく手持ちのCDで「ミス・サイゴン 宍倉晃作品集 埼玉栄高校吹奏楽部」があったため、そちらを参考演奏として聞いて曲のイメージを作りましたが、このアレンジではピアノ、ソプラノサクソフォーン、オーボエ、ティンパニー(ヘリコプターの音)が特に活躍する形となっており、収録された5曲をじつにドラマチックに仕立てている感じが素晴らしいと感じました。演奏にあたっては、編曲者の演奏者への配慮が感じられるやさしさがあったり、中間部のサイゴン陥落では調性を変え、変拍子をたくみに使って強調した雰囲気を表現したかった感を見て取れ、これでもかという締めくくりの後、さっと調整を戻して最終曲の今がこのときに入り、感動的なフィナーレへと起承転結が見事な曲と感じました。
ラッパ隊による ラッパ吹奏
1部に続いて素早く舞台転換が行われての演奏となりました。ラッパ隊の吹奏といえは、おきまりの曲が披露されることが多く、それはそれで楽しめるのですが、今回はガンダムのテーマというこれまで耳にしたことがない楽曲が演奏され、出せる音が限られている消防ラッパでの編曲の妙を感じつつ、独自性を打ち出す小諸ラッパ隊の広がるその可能性に興味を抱いた次第です。
ツァラトゥストラの大作戦!
映画「2001年宇宙の旅」に使用されたリヒャルト・シュトラウス作曲の「ツァラトゥストラはかく語りき」、そしてトム・クルーズ主演の映画「ミッション・インポッシブル」のテーマ曲である「スパイ大作戦のテーマ」を組み合わせた作品で、いわゆるニコイチ的な楽曲ですが、やってみるとつぎはぎ感をあまり感じさせないところがあって、最初から1つの曲であるかのような自然な流れがとても印象的でした。この曲は3部のオープニングとして照明による演出もありましたが、とにかくティンパニーが格好良すぎるということで、その存在感が抜きんでているように感じました。
ジャパニーズ・グラフイティXIV A・RA・SHI~Beautiful days
2026年春のコンサートをもって活動を終えるということで話題の嵐のヒット曲をメドレーにした楽曲ですが、ファンク、ダンスビート、バラード、ヒップホップ、ロックといろいろな音楽の色が詰め込まれたアレンジになっており、これ1曲でいろいろな音楽が楽しめる多彩さに加えて、弱奏によるオーボエを主とする木管アンサンブル、アルトサクソフォーンによるソロと見せ場も用意されており、まさにコンサート向きの1曲と感じました。演奏にあたって特に印象に残ったのが、終盤にあるマルカートの存在で、演奏者の気持ちをよくわかっている編曲者だなという感覚があり、ずっと積み上げてきた曲の集大成としてかなり効果を発揮しているように感じました。
ライラック
ミセスグリーンアップルの大ヒット曲ですが、私の中でのライラックはフルート奏者の日野真奈美氏の動画「真奈美先生~ライラック吹いて下さい!」が強く印象に残っていて、ライラックのイントロは手ごわいという印象があったのですが、もれなく自分のパートにもその16分音符を含んだメロディーがあって、ライラックあるあるなのかなと感じつつも楽しく演奏させていただきました。あとは、曲全体の色合いとして星野源氏のヒット曲の恋を連想するところがあり、どこか似た香りがあるのかもと感じた次第です。
塔の上のラプンツェル・メドレー
サクソフォーン奏者が演奏してみたい曲ベスト〇〇に入る曲だそうで、確かにアルトとテナーで際立つソロがあり納得なところです。私的には、ここ数年で数回この曲を演奏する機会に恵まれたこともあり、骨組みはよくわかっているおなじみ感の中、その都度違うパートでの参加ということで、例えれば同じ山をいろいろな登山道から登っているような感覚があり、楽曲についてちょっと掘り下げた楽しみを感じさせていただきました。
L-O-V-E
ジャズの定番曲ですが、ひねりのきいたやや高難度だが粋な感じがあると感じました。そんな中で、かわいく上品にという観点で見ると、この曲の魅力は弱奏部にあり!なのかなと感じました。
昭和アイドル・コレクション Vol.2
今年60歳を迎える隊長のチョイスによる昭和アイドルコレクションとの紹介がありましたが、夏色のナンシーでYes!。ダンシング・ヒーローでは分団長によるダンス演出あり。赤いスイートピーは、オーボエとクラリネットのコラボ。なんてったってアイドルのYeah!と見せ場も多く、コンサートの本プログラムの締めくくりにふさわしい盛り上がりを感じることができました。
ツールド・フォース
アンコール1曲目は、イケイケの楽曲かと思いきや、後半に弱奏でのお洒落な部分があり、アンコールという雰囲気的に全部を大きく吹きたくなる気持ちを抑えての演奏となりました。このあたり、指揮の藤牧先生より直前の指導で「本番で楽しく吹いて終わりじゃなく、後で録音などで振り返っていい演奏だったなと思えるような冷静さを持って演奏できればいい。」ということを念頭に置きつつだったので、後半の弱奏部もきちんと制御されていた感がありました。
明日はきっといい日になる
中盤の弱奏部でエンディングナレーションをぴったりはめこんでくる司会者の力量は毎度頭が下がるところですが、アンコール2曲目として曲名も曲想も締めくくりの楽曲としてとてもよい選曲だなと感じました。
まとめ
小諸市消防団音楽隊のふれあいコンサートは、1年で最も寒いこの時期の開催が恒例になりつつありますが、あいにくの積雪があった中で、多くの市民の皆さんや消防団関係者の方が来場され盛況だったと感じました。また今回のプログラムは1部は吹奏楽オリジナル+クラシックアレンジのシンフォニック寄りの楽曲4曲。そして2部はポップスを中心に馴染みのある明るい曲でまとめられたプログラムで、大いに楽しめた感がありました。