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いつものように授業開始15分前には教室にやってくる小5生。
この間の授業日もそうだった。
授業までの時間は、いろんな話をします。
うん、いつものように元気はつらつ小5生。
さぁ、授業開始時間になりました。
さぁ、元気に頑張るぞぉーーーー!
って、あれ?
何だ?
1名、男の子Bの様子がおかしい?
どうした? 体の調子が悪くなった?
・・・・・・・・・・・・。
首を横に振っています。
しばらく様子を見ることにしました。
Bくんがやる気を失くすなんて考えられない。
不真面目で、ふてくされた態度を突然するはずがない。
どうして? どうして?
頭の中で、この言葉か駆け巡ります。
というのは、実はBくん、
4年生のときに一度だけ僕に説教されたことがあります。
ある問題でつまずき、思うようにできないことで、
自分に腹が立ち、イライラしました。
しっかりとしたプライドを持っている子なので、
彼の気持ちはよーくわかりました。
が、その気持ちが、周りに迷惑をかけてしまうほどの
行動に出てしまったのです。
戦う相手が自分ではなく、
えんぴつ、消しゴム、机になってしまいました。
イライラを物にぶつけてしまったわけです。
その日、授業終了後に30分ほど、彼と話しました。
イライラと、イライラを乗り越えられなかった自分が
情けなくて、悔しくて、笑顔にはなれませんでした。
しかし、帰り際、
先生、ありがとうございました!!
と深く礼をして帰ったんです。
この子は、素直で、根性のある子だなーー!!
そう思いました。
それからBくんは、より一層頑張るようになり、
特に嫌いな教科に対する取り組みが、著しく良くなりました。
そんなBくんです。
僕の信じるBくんの姿と、目の前にいるBくんの姿。
これは、何かある!! 絶対に何かある!!
授業開始5分前までは、僕と楽しそうに話してたんです。
僕が講師室に戻った5分の間に何かあったとしか
考えられませんでした。
しかし、小5生は非常に仲が良いんです。
だから、喧嘩とかもめごとがあったとも考え難いんです。
これは、聞くしかない。
話し合って、解決することにしました。
なぁ、B、授業が始まる5分の間に何かあったやろ?
もちろん、塾生の誰かと喧嘩したとか、
そんなことじゃないのはわかってる。
どうした? 何があった? どうして元気がなくなった?
Bくんはやっと話し始めました。
Bくんは非常に気が利くヤツで、
休憩時間に家から持ってきたお菓子を 僕にもくれるんです。
しかも、ちゃんと家から僕の分まで用意して。
その日も、Bくんは、いつものようにお菓子をかばんに入れ、
塾にやって来たはずだったのです。
ところが、授業開始5分前、かばんを確認してみると
あるはずのお菓子がないのです。
家で入れてきたはずのお菓子がないのです。
実は、塾に来る前に、友だち5・6人と遊んでいたらしいのです。
その友だちの中の一人と、かばんを置いて、
少し離れた場所に行ったらしいんですね。
その間、5分ほど。
どうやら、そこに残った友だちの誰かに、盗られたみたいなんです。
お菓子がないどうこうではないんですよね。
そんなこと疑ったことも1度もなく、信じていた友だちが・・・。
そりゃぁ、ショックです。
しかも、Bくんの話す様子を見ていると、
友だちを疑うということ自体、つらそうなんですよね。
そりゃぁ、元気がなくなります。
ちょうどそのとき、僕も 扇風機を盗まれたとき でした。
大学時代、バイトで頭金を稼ぎ、残りはローンで
やっとの思いで買った バイク も盗まれました。
そんな話を交えながら、ショックを隠せないBくんと向き合いました。
Bくんは、僕の信じた通り、素直で優しい子でありました。
もし、真相を聞こうとせず、彼の態度、表面だけで判断し
説教をしていたら、彼はよりショックを受けていたでしょう。
僕の信じるBくん、言い換えれば、Bくんの内側と
その日のBくんの態度、つまり、Bくんの外側。
双方にギャップを感じたとき、
目に映る外だけを見るのではなく、
そこから内へと覗き込まなければならない。
そうするためには、やはり信じるしかないのだ
Bくんは教えてくれました。
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