

吸血鬼ドラキュラ
1885年、ジョナサン・ハーカー(ジョン・バン・エイセン)は、トランシルバニアのドラキュラ城へやって来た。ドラキュラ伯爵の新しい司書として雇われたのだ。しかし、彼の真の目的は“吸血鬼”であるドラキュラ伯爵を滅ぼすことだった。
ある夜、ハーカーに例の女が助けを求めてきた。女は抱擁しようとしたハーカーの首に喰らいつく。その時、ドラキュラが凄い形相で現れる。ハーカーを突き飛ばし女を連れ去る。ハーカーの首に二つの牙の跡ができた。ハーカーは戦慄した。女は吸血鬼だったのだ。『私がドラキュラの仲間になる前に始末しなければならない。日が暮れる前に・・・』 ハーカーは日記に記すと、地下室へ向かった。
村に医者であるヴァン・ヘルシング博士(ピーター・カッシング)がやって来た。先にドラキュラ城へ出向いた友人、ハーカーの消息を追ってきたのだ。村の食堂へ立ち寄ると、店にはニンニクがぶら下がっている。ヘルシングが主人にその訳を問うと、主人は答えを渋る。だが、その妻がそっとヘルシングに手渡したものがある。ハーカーが書いた日記だった。ハーカーの日記には、ドラキュラ伯爵の秘密が克明に記録されていた。
一方、ハーカーの婚約者ルーシーの寝所には、夜な夜なドラキュラが現れルーシーの生き血を吸っていた。ヘルシングは吸血鬼退治の本を学び、復習し録音する。1. 吸血鬼は光に弱い。特に日光は致命的である。2. 吸血鬼はニンニクの臭いを嫌う。3. 吸血鬼は十字架を恐れる。十字架は悪に打ち勝つ善なる力の象徴である。『吸血鬼に血を吸われた者は、気持ちでは嫌悪するがそれを止めることができない。麻薬のような誘惑と魔力、そして死に至る・・・』
ヘルシングはルーシーの兄、アーサー(マイケル・ガフ)と妻ミーナに言う。「窓はすべて閉じてください。ニンニクの花を集めて、窓とドアとベッドの横に置くことを忘れずに」しかし夜になると、ルーシーは事情を知らない召使に窓を開けさせ、ニンニクの花を片付けさせたのだ。ドラキュラが入ってきた・・・。ヘルシングはアーサーとミーナにハーカーの日記を見せた。「ここにすべてが書いてあります」
その時、ヘルシングが現れ十字架を差し出した。ルーシーの形相が恐怖に慄き逃げ去った。ルーシーは地下の棺の中にいた。ヘルシングは木杭をルーシーの胸に当てた。「酷すぎる」兄アーサーは目を背ける。「これはルーシーではない。ドラキュラの奴隷なのです」ヘルシングはためらわず、ルーシーの胸に木杭を打ち込んだ。
ドラキュラ城での戦いが始まった。ドラキュラの腕力は強く、ヘルシングは床に叩きつけられた。しかし、巨大な窓のカーテンの隙間から朝日が漏れているのを目に留めたヘルシングは、とっさにカーテンに飛びつき引き剥がした。城の中に朝日が燦燦と降り注ぐ。まともに日光を浴びたドラキュラは、悲鳴を上げた。更にヘルシングはテーブルの上の燭台を組み、十字架を作ってドラキュラに向けた。ドラキュラは断末魔の悲鳴とともに体が崩れ、粉々になって風に散っていった。同時に、ミーナの手の十字架の痕も消えた。こうしてドラキュラ伯爵はこの世から消えたのである。
クリストファー・リー
ピーター・カッシング
テレンス・フィッシャー監督