2007/12/13
XML
カテゴリ: 心象風景―黒
babybaby





 『慟哭した夜に、何かが切れた。
  何かが切れて、崩れてった。
  見つめなおせば、空っぽのグラスを、
  僕は、持ったまんま、慟哭した夜を見上げた。

  何もなくなったグラスを、動かす。
  何もないから、動かない。
  何もなくなったグラスに、注ぎたい。
  それなのに、何を注げばいいの?

  注ぎたいものが見つからない。
  注ぎたいものをたとえ見つけたとしても、
  僕は、それを手に入れることはできないよ。

  落ちてった。落ちてった。
  漆黒の闇に、落ちてった声。
  声。声。泣く、泣く、声。声。
  消えてった。消えてった。
  漆黒の闇に、消えてった意識。
  あぁ。あぁ。あぁ。あぁ。
  どうしたって言うんだよ。

  僕にもわからない、そんな慟哭の夜に、
  どうしようもない、意識を捨てた。


  慟哭した夜から、紡げるものなんて、

  グラスも、気づけば、落としてた。
  粉々になっていたんだよ。

  けれども、それでいいのかな?
  それでも、いいのかもしれないね。
  もう注ぐことはしない方がいいよ。
  注いだって、変わらない。

  ただただ苦しいだけ。ただただ辛いだけ。
  切ないだけの夜になるから、もういらない。もう注ぎたくない。

  それなのに。それなのに。
  今も注いで欲しい、と請う声あって。
  声。声。ホンネの声。声。
  言わないよ。言えないよ。
  けれども、無意識に、
  心から、少しずつ漏れていって。
  それを抑えようとすることは、僕自身を殺すこと。
  でも、抑えなければいけないから、抑えなければいけないから。
  たった今も、抑えた 殺した。


  僕にはもう直せない、
  そんなことに気づけた慟哭の夜。
  誰にももう直せない、
  そんなことに気づけた慟哭の夜。
  どうしようもない、
  そんなことに気づけた慟哭の夜。』













































































































慟哭した夜に、何を見つけた?

慟哭した夜に、何を探した?

慟哭した夜は、空っぽにさせた。


空っぽになったから、リスタート。

そう思えたのに、また求めようとする。

そんな心から伸びる手を絶つ。

注ぎたいものは、注いではいけないもの。

だから、グラスを割ったのに。

気づけば、拾い集めてる。

そんな人間。

指で押しても、崩れない。

そんな人間。

どこか強い。どこか強いのに、

それでも、弱い。







包む夜の黒は、意外と濃くて、

それでも、時々、薄かったりして。

ゆっくりと、呼吸をすれば、

そこに、色味が重なって。


でも、

意味のある色味と、

意味のない色味があってね。


ちょっとそれに気づけたから、

少しだけ、少しだけ、

色味を重ねることを止める。






だから、少し閉じてみる。

世界を、一度、閉じてみる。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2007/12/14 12:18:41 AM
コメント(4) | コメントを書く
[心象風景―黒] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: