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重松清
さんの小説は、いつも温かい。
悲しくて切なくて胸がつぶれそうになるんだけど、温かい。
7つの短篇が収められている。
どれも家族、友人など、大切な人の死を扱った作品である。
『ひこうき雲』 『朝日のあたる家』 『潮騒』 『ヒア・カム・ザ・サン』
その後に、
『その日のまえに』 『その日』 『その日のあとで』
の3作品が、連作という形で掲載されている。
関連がなく描かれた短篇のようであるが、後者の連作に前者の4作品が上手く絡み合い、
溶け合って、さらに感動を呼び起こす。
余命が宣告され、「その日」を待つ和美と夫の俺。
その日が来ることはほぼ確実なのだが、それが思いの他早くやってきてしまう。
中学生と小学生の息子2人を、残していかなくてはならない寂しさ、無念さ・・・。
もし、私がある日突然癌に倒れ、治る可能性が無いと告知されたら・・・?
死ぬのが恐くないとは言わない。
また、病状が進むにつれ、
これからどれほどの苦痛があるのかを考えると、
恐ろしさにも震え、運命を呪って泣き喚くかもしれない。
けれども、 一番心残りなのは、
愛する子ども、家族ともう2度と会えなくなることだ。
子供が成人していればまだしも、幼児や小中学生の子供がいたら、それはそれは寂しく、
子供の今後を考えると、心配で仕方ないはずだ。
本作では、そんな愛する人への思いが見事に描かれている。
和美に「その日」が来た時、、涙が止まらなくなった。
そして、私も、 生きること、死ぬことについて、
真剣に考えなければならない歳になったな、と感じさせられたのである。