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2010.12.28
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当年の秋までに17歳になった当局お墨付きの少年は、登録、健康診断・身体検査および身元調査を経て、12月までに18歳を迎えてから兵役入隊する。

 これらの入隊者の主力は、高級中学(高校)、一部は初級中学(中学)の卒業生である。大勢の候補者から少数を選ぶ余地があるので、素行不良者や低学力者はもとより、眼鏡常用者などは事前に排除される。

 なお、一人っ子を送り出した留守家庭は自治体から生活補助金の交付を受ける。

 軍当局の公表によれば、軍隊のさらなる現代化の一環として義務兵の全般的なレベルを向上させるため、24歳までの大学生も義務兵役の対象にする。

 このため、入隊者には、2年間の兵役終了後の復学を認め、現役勤務の成績優秀者に復学後の授業料の半額割引制度もある。初級・高級中学生および大学生である女性の兵役登録は、軍当局の人員補充所要と本人の希望を考慮して決定される。

自衛隊の人的戦力の弱点を衝く中国軍事論考!


顧みるに、1960年代以来、北京の指導部は、少しでも日本の防衛費が増額され、あるいは装備の質が向上すると、「東アジアに脅威を及ぼす軍事力強化の布石」と誇大宣伝し、防衛力の改善を説く政治家の発言および閣僚の靖国神社参拝を「軍国主義復活、侵略戦争の再発準備の兆候」と批判を重ねてきた。

 このような、彼らの弛まぬ宣伝戦、心理戦が、我が国の政治姿勢および世論動向を揺さぶってきたことは間違いない。

 例えば、1980年代における自民党政権は、「他国に脅威を与えない程度の必要最小限の自衛力の整備」という中国側にことさらに気を使う聞くに耐えない防衛政策を国会で表明した。



 然るに総参謀部当局は、宣伝攻勢とは裏腹に、各種情報資料の収集分析を通じ、我が国の防衛力の実態を以前から客観的に把握している。

その一面は、香港の著名な総合月刊誌、「広角鏡」457号(2010.10.16/11.15) に載る「中日軍事力の比較」(呂亭著)というエッセイに見ることができる。

中国から見た日本の軍事力!

 本論考は、特に陸海空曹の素質を中国の士官と対比して、自衛隊の人的戦力の弱点を端的に衝いており、以下は、その紹介である。

 軍隊の管理体制を見るに、中国の軍隊は正常な職業軍官および義務兵役を採るのに対し、日本では、個人の意思による志願・退役がともに自由な傭兵制(訳注:原文通り)である。

 自衛隊は軍隊の性格を有するが、畢竟、平和憲法に拘束されて、国民皆兵の兵役が不可能であり、従って、「日本の軍隊は、一般企業または会社のようだ」と評されている。

 自衛隊の士官の主力は、40代および50代で、専門分野の能力は高いが、活気がなく、戦闘精神の面では、明らかに中国軍とは比較にならない。

 さらに、本論考は、筆者(高井)が以前から警告している愛国心、国防意識および軍事教育がともに欠落した我が国の国情にも触れている。

 日本では敗戦後、「武士道精神」を徹底的に批判し、国民に対し、何十年も軍事教育が行われず、厭軍厭戦気分が社会の主流を成している。

 新世代の国民には、第2次大戦の終戦直前に見られた狂人的な戦闘精神は既になく、一般社会で軍国主義を呼号する極右分子は極めて少数である。

 確かに、我が国の国防体制および自衛隊の弱点に触れる香港側の軍事評論に対し、永田町の面々は、恐らく反論の余地がない。



次に香港誌の軍事論考が、中日軍事力を比較する材料にした中国軍士官の現況を眺めてみよう。

 中国軍の中枢は、積年にわたり、軍隊の中堅を成す士官の強化に努めている。本来、士官は、春秋戦国時代において、5人の戦闘員を統べる伍長という下級指揮官に始る。

 ところが、軍事の現代化政策は、士官の責任分野を従前の軍官の所掌範囲(例えば技術、行政各職域)にまで拡大し、その結果、1990年代以降、士官の数が増加して軍官の数が相対的に減少した。

 さらには、米軍、韓国軍、台湾軍などの先進諸国軍と同様に、軍隊機構特有の富士山型階級・年齢構成を採り、士官の各階級ごとの勤務年数制限を設けている。

 それは、随時、主力を若い補充員に交替させて組織の活性化に努める一方、少数の優秀者を永く現役にとどめて最大限に活用するという軍隊固有の人事原則である。



 従って、18歳の義務兵から身を起し、30年間、勤めた場合には48歳で退役を迎える。それでも、上級士官の重要性が認識されて、旧条例よりも2年間、定年が延長された。

 ちなみに、自衛隊では、最下級の非任期制隊員の3曹でも定年が一律に53歳である。さらには、幹部、准尉、曹の全階級の警務、音楽、衛生各職種および情報、通信等の職域該当者は、60歳まで定年が延長された。

 話題を中国軍に戻すが、現行条例に定める各士官の階級別滞官年数は、下士、中士(自衛隊の3曹、2曹)各3年、上士、4級軍士長(2曹、1曹)各4年、3級軍士長(1曹、曹長)5年、2級軍士長(曹長)9年以上である。

 例えば、義務兵出身の下士は、3年勤めた23歳の時点で、中士昇任の見込みがなければ、自動退役する。

退役後は、28歳まで基幹民兵の要員になり、第1予備役に登録されて、動員時に現役復帰し、29歳になると、普通民兵および第2予備役に編入されて、36歳まで務める。

 軍当局は、士官の質を上げるため、従来からの義務兵役終了者に加え、大学生の士官志願を奨励する。

 当局の公表によれば、2010年には、大学卒業生350万人から12万人が士官に採用された。採用年齢の上限は通常24歳であるが、特殊技能者は、28歳までの志願を認められている。

 強調するに、辛亥革命後の軍閥跳梁時代に、社会のあぶれ者を駆り集めた雑軍と現代の中国軍を同一視するわけには行かない。

 なお、普通高校とも呼ばれる一般大学では、全学生が、兵学、軍事史、軍事制度、戦闘訓練、小火器射撃等を含む基本的な軍事教育を受けている。

 別に主要な大学では、米国のROTCおよび台湾の予備軍官課程に類似の国防生課程も併設する。

 先に紹介した香港の「広角鏡」の軍事論考は、実戦に役立たない自衛隊を置く日本の防衛は、米軍の支援によりようやく成り立っていると見ている。

 いずれにせよ、中国の軍事体制は、我が国の落ちぶれた防衛力の抜本的改革を促す反面教師の役割を果す。






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Last updated  2010.12.28 11:11:50
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