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2011.11.28
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カテゴリ: 日記・政治



大阪ダブル選挙「橋下連合」の圧勝で行政も国政もこう変わる /高橋 洋一

阪ダブル選挙で、橋下・松井の維新連合が、既成政党の連合に圧勝した。11月14日付け本コラムで書いたように、この選挙は「大阪都構想」の是非を問うていったが、つまりは地方自治について新しい枠組か従来の枠組かの争いだった。その本質は、既得権者のしがらみなく改革するか、地方公務員などの既得権者を守って改革をしないかだ。幸いにも、大阪府民・市民は賢明だった。しがらみない改革の道を選び、既得権者にノーをいった。

 結果は橋下維新の圧勝だったが、えげつない週刊誌の個人攻撃を「結構毛だらけ」と見事に逆手にとった橋下氏は別としても、松井氏は直前まで劣勢と伝えられていた。決定的になったのは、24日(木)に予定されていた平松・橋下両氏のテレビ討論を平松氏がドタキャンしたことだろう。

司会者が公平でないというのがキャンセルした理由といわれているが、そんなことは前からわかっていたことだろう。あえて不利な場合でもそれをアピールして、橋下氏を利用できる。政治家は、官僚の下書きに頼らず、瞬間の反射神経を要求されるが、平松氏はその才能がなかったということだろう。

*** まず焦点は水道事業の改革 ***

 ノーを言い渡された既得権者は、民主、自民、公明、共産の既存政党、地方公務員やその関係者、関西電力などである。

 橋下氏が当選会見でいっていたように、まず、職員基本条例や教育基本条例をどうするかだ。もちろん今回の選挙の争点であったわけで、民主主義の観点からいえば府議会なども無視できないはずだ。

 すんなりいくかどうか、多少不安もあるが、小泉氏の郵政選挙の時、選挙がなかった参院議員も総選挙後、反対から賛成に回った人が多かった。もし議会に良識があれば、職員基本条例や教育基本条例は成立するだろう。




 また、職員基本条例は、渡辺喜美みんなの党代表がやろうとしていた国家公務員制度改革を地方で先にやろうとしているものだ。だからこそ、大阪の地方公務員が猛反対していた。しかし、民意はやはり公務員制度改革を望んでいたのである。

 橋下氏の「大阪都構想」の実現には、ハードルは数多くある。まず、「大阪都移行本部」が作られその中で、東京都の「都区協議会」にならって、大阪府と大阪市の「連絡協議会」が作られるはずだ。その中で、今の制度でもできることが行われるはずだ。

 その中で、具体的な焦点は水道事業だろう。橋下氏が大阪府知事になったとき、平松大阪市長と水道事業で話合いが行われた。そのとき、水道事業の二重行政が解消できていれば、今回のダブル選挙はなかったはずだ。それだけに水道事業改革について、橋下氏は是非ともやらなければいけない。

*** 大阪都構想の実現に必要な法律の改正 ***

 もし、「大阪都構想」どおり、大阪市の「区」が東京のような特別区になれば、大阪市はなくなり、大阪府と大阪「特別区」になる。今の制度では、「特別区」は、上下水道・消防のような広域事業は行わないで、都の役割になっている。これから類推すると、水道事業は大阪市から大阪府に移管されていい。平松氏が大阪市の水道事業を残したいということから、橋下氏との友好関係が崩れたといわれているので、橋下氏は自分で大阪市長になって、水道事業を大阪府に移管するだろう。

 東京都は、地下鉄、バスなどの事業も行っている。これらの広域事業も「特別区」の仕事ではない。地下鉄やバスは大阪市の事業になっており、金食い虫になっている。これらの事業の一部は民営化されたりして、残りは大阪府に引き渡されるだろう。

 これらの改革のためには、多くの条例が必要だ。これまで、面白いことに、地方の条例について、議員提案はできないという総務省が流した都市伝説がある。もちろん、「普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会に議案を提出することができる」(地方自治法112条)と定められている。しかし、国会でほとんどの法律が内閣提案になっているように、地方議会でも地方政府提案が多い。それでは、こうした改革は難しくなるので、政策を条例化するスタッフが必要になるだろう。

 大阪という地域の選挙であったが、橋下氏は「大阪都構想」によってその先に道州制を見据えている。また、公務員制度改革を進めている。その影響は国政にも及ぶだろう。

「大阪都構想」の実現には国の法律改正が必要だ。東京都と特別区ができたのは戦時体制下だ。それを追認して今の地方自治法になっている。

「大阪都構想」と「道州制」で、橋下氏は各党と協議するだろう。そこで、各党は本物の地方分権の意欲が試される。野田政権は年末に消費税増税に動くので、政局も流動化しやすい。橋下人気を頼りに、基本的な政策抜きにしてすり寄る政党もあるだろう。そうした政党は政策本位の橋下氏に化けの皮をはがされるに違いない。

*** 大阪市・堺市あわせて31区を7区に ***



 ここでは、清掃工場(ゴミ焼却施設)を一つの基準として考えてみよう。もちろん市の行政はゴミ焼却以外にも多くあるので、実際には清掃工場だけの観点では考えることができない。ただ、各政令市でゴミ焼却事業は共通のものであり、その規模に応じて一つの清掃工場をカバーする区の数に一定の関係がある。それを使って、カバーする区の標準的な数より、大阪市のそれが大きければ、それは大阪市の区の数が多いとみなすことができる。

 大阪市と堺市はともに傾向線よりかなり上に位置している。その分、区の数が多すぎるのだ。傾向線の上にあるためには、大阪市は今の24区から17区へ、堺市は今の7区から5区に減少させていいくらいだ。つまり、大阪市と堺市を合わせて、区長公選を行うなら、少なくとも清掃工場基準でみても、今の31区を22区に減らさなければ効率的な行政ができない。

 しかし、これは大阪市の清掃工場の規模があまり大きくなく、効率的でないことを前提とした数だ。東京特別区並みを目指すなら、大阪市は今の24区から5区へ、堺市は今の7区から2区に、今の31区を7区にする必要がある。

 こうした効率的な清掃工場は迷惑施設ではなく、地域のエネルギーセンターになる。関西電力を敵に回して電力改革をするなら、住民サービスと一石二鳥になる清掃工場の再編も一緒に行ってはどうだろうか。

 いずれにしても、橋下構想の「大阪都」、「道州制」を実現させるには、国の法律レベルの改正などでいくつかのハードルがあるが、是非乗り越えてもらいたい。






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Last updated  2011.11.28 11:50:01 コメントを書く


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