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MusicPublishingって?

fish_heart 音楽出版社って何?

Music Publishing =音楽出版は、よく楽譜の出版会社と間違えられますが、なんらそれらとは関係していません。音楽出版会社はソングライターのいわばエイジェンシー的役を担っている会社で、ソングライターの楽曲の管理・開発を行なうのです。パブリッシング会社はソングライターごとに著作権譲渡契約を結ぶことで、彼らが作曲した楽曲の著作権所有権やマネージメントコントロール権を譲渡してもらいます。ですからそれら楽曲をレコーディングしたい(Reproduce)、印刷物に載せたい(Print)、公で演奏したい(Perform)、放送したい(Broadcast)、生産したい(Manufacture)という人は必ずその楽曲の著作権を握っている音楽出版会社からライセンスを得なければならないのです。そして楽曲が使用されることで生み出される印税(Royalty)や使用料を会社が徴収し、パブリッシング会社の取り分(大抵収益の半分)を除いた収益をソングライターに分配します。つまりパブリッシング会社とはソングライターとエンドユーザー(レコード会社や映画プロデューサーなど)の仲介人的役割を行なっているんですね。

ソングライターから譲渡される権利の種類は大きく5つに分かれ、Mechanical Rights、Performance Rights、Print Rights、 Synchronization Rights、Transcription Rightsがあります。
MechanicalはCDやテープ、レコード、ビデオ、オルゴール、ゲームを製造する際に必要になるライセンスで、アメリカでは1曲の売上に付き¢8.5の印税をPublishing会社は徴収します。逆に日本ではアルバム一枚につき印税が幾らというふうになっていますから、印税の賭け方が多少異なります。Performanceはその名のとおりラジオやTV、ライブ演奏、ジュークボックス、BGMなどを公に演奏する際に必要になるライセンスで、印税は直接ユーザーからパブリッシング会社に支払われるのではなく、ASCAPやBMI、SESACといった演奏権を管理する団体により一括して徴収され、そこからパブリッシング会社に取り分が回されるようになっています。
Printは楽譜の製造や雑誌への歌詞等の掲載、広告などに掲載した時に必要になるライセンスで、印税や使用料は直接パブリッシング会社により回収され、大概50%がパブリッシング会社の収益にまわります。
Synchronizationは映画やテレビのテーマソングやBGMに楽曲を使用したいときやコマーシャル、ビデオ、マルチメディアなどに使用したときに必要になります。使用料はケースバイケースで、例えば映画がどの地域、国で放映されるのか、音楽が映画のどの場面で用いられるのか、又将来的にDVDなどのメディアで販売される可能性があるのかといったことによっても大きく変わってきます。
Transcriptionはシンジケートラジオや飛行機内で放送されるイン・フライト音楽に楽曲を使用するときに発生するライセンスです。

これで少しは皆さんにもパブリッシング会社が何であるかがお分かりになったと思います。
ちなみに私が働いているパブリッシング会社はSynchronization Licenceを業務の中核に据えている会社で、ソングライターの曲を映画やテレビ番組、コマーシャルなどにライセンスしているんです。日々の業務では、あらゆる有名映画会社やテレビプロダクションから「この曲を使用したいので使用料がいくらくらいになるか概算をお願いします」といった問い合わせが舞い込んできます。

業務の大事な核となるのは著作権や印税の管理といったアドミニストレイティブですが、もちろんクリエイティブサイドの業務もこなさなければなりません。それが有能なソングライターを探し出し契約を結ばせることであり、デモや原版(Masters)といったプロダクトを開発し、それをユーザーに売り込みます。
ソングライターはパブリッシング会社にとって、いわば大事な商品。商品価値のあるソングライターによる楽曲(これをカタログといいます)があればあるほど、エンドユーザーの多様な希望に添った楽曲が提供できるわけで、それが有名映画に使用されたときには一攫千金になるわけです。

私が会社で担当しているのは、日本のレコードレーベルやアーティスト(現在はHip-Hop/R&Bを中心)と連絡をとりあい、直談判で「弊社はアメリカの某超大物アーティスト(マライアとかジャネット・ジャクソン、50Cent、Jay-Z、マヤ、メアリー・J・ブライジなど)のプロデュースを手がけたプロデューサーがいます。御社のアーティストと一緒にコラボレーションをするのはどうですか?」というように、日本人アーティストを見つけ、契約をまとめる、渉外契約をやってます。
その他にも日本の五大パブリッシング会社に入るフジサンケイグループのFuji Pacific Musicという音楽出版社を日本テリトリーのサブ・パブリッシング会社(そのテリトリーでの収益回収やマーケティングを海外の会社にかわって一括して担当する)として連絡を常にとりあい、TV番組やコマーシャルなどで楽曲を使用してもらえるチャンスはないかとさぐりをいれる毎日です。日本マーケットはまだまだ海外のパブリッシング会社に対して言葉の違いやライセンス・フィーが理由で壁があり、そこに割って入るのはなかなか大変です。日本を離れてからもう3年以上経つので、日本の音楽事情に疎くなるのも現実。特に日本のHIP-HOPは自分もはじめてのジャンルの音楽なので、日々勉強しています。

とにかくこの業界、コネクションが大事。人との繋がりを持ってはじめていろいろな仕事の声がかかるのですから、この道を確実なものにしていくには、気の遠くなるような努力が必要になりそうです。。。

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