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非課税贈与税制度




非課税贈与税制度の利用
*U.S.Front Line誌、2004年10月3日号より転載しています。



Q.日本の親から資金援助を受けて家を購入したいと考えています。日本両国の贈与税がどうかかるか教えてください。

A. 2004年1月1日から施行された日本の贈与税の規定により、ある一定額までの資金を税金の心配無しに日本の親から受け取ること(無税贈与)が可能となりました。
親から子への2500万円までの贈与を非課税とする新税制で、親が死亡した際の相続税の計算上、清算するという「相続時清算課税制度」です。
この特別非課税枠を利用すれば、米国在住の子が日本の親から2004年10月現在のドル換算レートで約23万ドルの生前贈与を、日米両国の贈与税なしに受け取ることができます。この制度を利用するには、期限内の「届出書」提出時機を逸しないよう要注意です。




相続時清算課税制度

特別非課税枠のあらましは以下の通りです。

1.一生の間に何回かに分けて、子一人当たり合計2500万円までの財産移転は非課税とする。

2.1月1日現在65歳以上の親から20歳以上の子への贈与に限る。子が亡くなっている場合には20歳以上の孫を含む。

3.現金や不動産、証券など、また日本国内財産や外国財産、どんな種類の財産でも贈与できる。

4.前年までに特別非課税枠の一部を使用した場合、2500万円からすでに使用した額を差し引いた差額が非課税枠となる。

5.非課税枠を超えた贈与に対しては、一律20%で贈与税が課される。

6.贈与を受けた年の翌年の2月1日から3月15日までの間に、「相続時清算課税制度」を選択する旨の「届出書」を「贈与税の申告書」とともに提出する必要がある。

7.贈与を受けたにもかかわらず、期限内に「届出書」の申告が無い場合、特別非課税枠の適用を受けることはできず、基礎控除額110万円、10%~50%累進税率でという従来の方法で贈与税が課せられる。

8.「届出書」は贈与者、すなわち父又は母ごとに提出が必要とする。

9.贈与者がなくなったときの相続税の計算上、相続財産に当制度を適用した贈与財産を加えて相続税を計算する。すでに支払った贈与税は相続税から控除される。控除しきれない過払額は還付される。



生前贈与

この新制度が目指すところは、相続税の非課税枠の前倒しにより熟年層から中堅層への世代間財産移転を円滑化し、消費意欲を促し、経済再生を狙うことです。従来、親子間の贈与が頻繁に行われなかったのは、贈与税で財産が削り取られることを回避したいという傾向もありました。この規定を上手に適用すれば、税金の心配なく生前贈与ができます。
日本では親が亡くなって相続税を支払う相続人は、全体の5%程度に過ぎないといわれています。非課税枠の作用のため、かなりの高額の財産を遺さない限り相続税が発生しないためです。相続税の非課税枠を生きている間の財産移転に利用できれば、死ぬまで財産を寝かせておくのではなく、中堅層、若年層が住宅費や教育費の資金として必要なときに、より有効に活用できるわけです。親が日本、子が米国など海外に住んでいる場合もこの規定を利用することができます。
以上の規定のほかに、2005年12月31日までの時限立法で、住宅取得資金に関する1000万円の上乗せ合計3500万円の非課税率枠の規定があります。
65歳未満の親からの贈与も対象になりますが、日本国内に住所のある受贈者(子)の国内住宅の取得であることなど、詳細な条件を満たす必要があり、米国在住の子が米国で住宅を購入する場合には適用されないため、ここでは考慮しません。



米国の贈与税

米国の贈与税の納税義務者は、受贈者ではなく贈与者(親)であり、日本とは逆になっています。
日本居住者(親)から米国居住者(子)への財産移転は、米国の国外(日本)財産がかかわる場合、米国の贈与税は生じません。
贈与者である日本人の親が米国税法上、「非居住外国人」である場合、課税対象となる贈与は米国内財産だけです。
親名義の日本の銀行口座から米国在住の子の銀行口座に向けて資金の振込みがなされた時点で、日本国内で子が親の財産の贈与を受けたことになり、米国から見て米国外財産がかかわっているため米国の贈与税の対象外となるのです。
日本の親が所有している米国内財産を贈与する場合は、有形資産(不動産、自動車)であれば贈与税の対象となり、無形財産(株式、債券)であれば非課税になります。

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