6.続・拭き漆編
タモ作りの方は・・・拭き漆も11回目となり、大分艶もでてきた感じです。4回目と比較してみます。
4回目の時は褐色でしたが・・・
こちらが10回目。分かりにくいですが、前回紹介した6回目以上の艶です。
作業していて気付いた点は、生漆を塗り重ねていくにしたがって柔らかい箇所が引き締められ・・・木が縮んで節の部分などの凹凸がハッキリとわかるようになったことです。
ただ、塗りムラを気にして#1000番のペーパーで砥ぐと・・・さほど塗膜が厚く無いようで、すぐ木の下地が露出してしまいます。
(相当回数を重ねないと・・・頑丈な塗膜にはならないかもしれません)
また、5回以降からは湿度維持のため「室」を大幅に改修しました。
改修箇所は・・・6面全てをビニールで覆い、下面にトレーを設置して水を満たし、いつでも濡れたシーツとなるようにしました。
また、自宅にあった温湿度計を「室」壁面に埋め込んで、維持管理しやすいようにしました。
(前回の室では24時間必要でしたが・・・これで、約12時間で乾燥する事が可能)
7.桜皮・・・装飾編
天然木鮎ダモでは装飾、補強に【藤】を巻くのが一般なようですが、今回は横笛の装飾に使われている「桜の皮」を使用してみます。
実は偶然・・・とあるお店でセールで定価の1/3の値段だったのです。
(現在は生産中止のようです)
「桜の皮」・・・秋田県の角館地方が有名ですね。
桜樺細工、または桜皮細工と呼ばれ・・・茶筒などが市販されています。
写真の山桜の皮は2mm巾となっていますが・・・・素材的に節が多いので10~20cmごとに職人さんが接着し、つなぎ合わせたものです。
裏をみると・・・確かにつなぎ合わせたアトが沢山ありました。
(表面は分かり難くなっています)
実際に巻く前、前加工として写真のように・・・ 
斜めに約3cm削って、準備完了です。
つなぎ合わせた桜の皮なので、「水につけずに」巻いていきます。
私は漆を接着材とするつもりなので・・・先端部などを木工用瞬着にて固定し、チョンチョンと仮止めをしていきます。
強引に引っ張って「プチン!」っと切れたハプニングもありました(笑)
つなぎ合わせの箇所は引張強度も少ないようです。
1本の「桜の皮」長さは1.5m・・・このため、約2本使用して巻付け後8.5cmの長さになりました。
いい感じで色の雰囲気が出ています(喜)
さらにこの上に漆を塗り重ねています。飴色に変化してきています。
8.からむし・・・続・装飾編
もう一つの「装飾」についてですが・・・素材は「からむし」を使用します。
この「からむし」 イラクサ科の多年生の植物で、茎の部分の皮を利用します。
実は妻の友人で・・・
植付け→皮剥ぎ→からむし引き→からむし織りで・・・織物まで作っている方がおりまして、少し分けて頂いておりました。
(その方の自宅に色々な道具があって、叩いたり・・・色々な体験をさせてもらってました)
今回の件とは別に・・・以前から、釣りのテグスに使えないか?と挑戦しておりました(笑)・・・実際は強度に問題があるため、うまく編めれば別ですが・・・ちょっと厳しいようです。
編む前の「からむし引き」された状態です。(よく乾かされた植物の皮状態)
これらの皮を柔らかくほぐし、【しめ縄】のようにヨリをかけて紐を作ります。
(出来上がり太さ1mm程度にしています)
繊維が結構堅いので、ほぐしがしっかりしていないと・・・ヨリ加工が大変だったりします。
加工始めはS字フックのような針金に固定して、ヨリをかけていき・・・ある程度加工したら太さが均一になるように、からむしを継ぎ足しながら作業をしていきます。
私は1mを編むのに約1時間程度。もっと早くできるのでしょうが、仕上がり重視でじっくりと時間をかけています。
紐は携帯のストラップなどにも利用されていたり、結構丈夫な紐となります。
(糸を紡いで、織物を作り・・・服や帽子を作るのですが・・・手間がかかるので、結構良い値段でした)
今はこのようにひたすら「からむし紐」を作っている状態です。
ある程度完成したら、鮎ダモ枠に巻きつける予定です。
9.続々・拭き漆編
拭き漆にて20回以上塗り込んではいるので、さすがに艶も出てきます。
4回目と比較です。
こちらが4回目
こちらが21回目、分かり難いですが艶々です。
また、塗るだけでなくて、下地調整を行いながら塗り重ねていくのですが・・・
漆塗り10回前後は2~4回に一度ペーパーがけ(#1000)を行って全体の表面調整。
漆塗り15回前後は2~4回に一度ペーパーがけ(#1500)を行って各部の表面調整。
そして今は、2~4回に一度コンパウンドで表面研磨を行って塗り重ねています。
「桜皮巻き」した部分も分かり難いのですが、隙間が漆で埋められ・・・艶も出てきました。
「からむし紐」は白色のアクセントとして絡げるのみと考えていますので・・・最終塗りまでお預けです。
10.拭き漆終了・石突き接着編
丁度「拭き漆塗り」を開始してから1ヶ月経過した先週の日曜日・・・目標である30回目となりました。
以前と比べて見ました。
こちらが10回塗り込んだもの
艶が出てきた21回目
30回目ですが・・・分かりにくいのですが、かなり黒光りしています。もちろん、艶も出ています。
塗装面を研磨してツルツルにすると、漆を拭いたときに根こそぎ拭きとってしまう事もあって・・・なかなか塗膜は厚くなりませんでした。
漆塗りはこれにて終了。本漆による「拭き漆塗り」・・・多少のムラはあるもの、自分なりに満足しています。
塗りの工程が一段落したので、鹿の角で作った【石突き】を早速取り付けてみました。
以前、鹿の角に下穴をあけてネジ穴を加工していましたが・・・何度も取り付けているとスポンジ状の内部が削れ、すっかりネジ穴がバカになっていました。
知人より「鹿の角内部のスポンジ部は接着剤を吸うので処理が大変」と聞いておりましたので、少し加工をすることに。その方法は
a.角内部スポンジ部分に木工用接着剤を吸わせ→接着
b.角内部スポンジ状の部分をドリルで削って→接着
後先考えず・・・2液性の接着剤を練っていたので、加工後に即着出来る Bの方法を選択し、取り付けました。
11.網固定用ピン取付編
今回、網を仕付け糸での固定としないため、「網固定用のピン」で取り付けるのですが・・・
安価で購入できたので、浦島本舗製の「玉網仕付け用ピン」を使用します。
(知人からは「管付きヤマメ」の針を加工すれば、かなり安価に出来ると聞いたものの・・・残念ながら、自宅近郊の釣り具店等では売っていなかったため・・・諦めました)
このピン、よく見ると抜け防止の「カエシ」が加工されています。
よく見ると、漆塗装前に軽く下穴をあけておいた部分・・・生漆で埋まってしまいました(笑)
なんとか場所がわかる為・・・再度0.8mmのドリルで約7mmぐらいの深さの穴をあけます。
穴をあけ終わったところから・・・仕付けピンに接着剤を塗り、圧入固定していきます。
(ピンの高さを揃えようと、少し飛び出させている箇所もあります)
なんとか、50箇所・・・付け終わりました。
最後に装飾の「からむし」を巻き付けます。
本当は漆で接着をしたかったのですが、実験では漆が染みると「真っ黒」になったので・・・今回は見送り、接着材で固定することにしました。
その後、ホツレ防止に2回程表面に「艶消し剤」を塗布し・・・含浸させました。
12.網取り付け・・鮎ダモ完成編

この替網は網目660箇所あり、網目にナイロン10号程度が入っていました。
ある程度の網目に別糸(フロロ8号)を通して、タモ枠に固定したピンの環に通していくのですが・・・。
仕付けピンは既に50箇所、枠に固定してあるので網目を数え・・・フロロ8号の糸でピンに固定していきます。
総網目660箇所÷50箇所=13.2網目間隔
上記より 40箇所13網目、10箇所14網目固定とします。
(4回程 13網目を通したら、1箇所 14網目とする計算です)
ナイロン10号が入っているおかげで・・・通しやすかったのですが、網目数えはチョット大変でした。
色付きのナイロンの方がやり易いかもと思い、糸の先端をマジックで色付けすると作業がやり易かったです。
14箇所 網目を数える所は、あらかじめ枠にマスキングテープを貼って忘れないようにしました。
ふ~。何とか終わりました。それでは完成写真をご覧下さい。
近くで見ると・・・ふっくらと広がって、いい感じです。
ご愛読、ありがとうございました。