2010年9月10日4時15分
金融庁から行政処分を受けて経営再建中の日本振興銀行(東京都千代田区)は9日、民事再生法の適用を申請する方針を固め、
経営破綻(はたん)する見通しになった。債務超過の恐れがあり、預金の払い戻しができない恐れが高まったためだ。10日にも民事
再生法の適用を申請するとともに、預金保険法74条に基づく届け出を行い、預金保険機構の管理下に入って再生を目指す。
振興銀が破綻しても、預金者の預金は元本1千万円とその利息までは保護され、払い戻される。ただし、それを超える金額については
一部が払い戻しされない可能性がある「ペイオフ」と呼ばれる仕組みが実施される見通し。これまでの金融機関の破綻では預金は原則
全額保護されてきたが、今回、事実上初めてペイオフが発動される見込みだ。
振興銀を巡っては、昨年6月から約9カ月間と異例の長さで同庁が立ち入り検査に入った。その際、業務にかかわる重要な電子メールを
意図的に多数削除したことなどの疑いから、金融庁が6月に警視庁に刑事告発し、警視庁が本格的な捜査に乗り出した。7月14日には
小泉政権下で当時の竹中平蔵金融担当相のブレーンとして、金融庁顧問も務めた木村剛前会長と現職の社長など経営幹部計5人が
逮捕、その後に起訴された。
金融庁は5月下旬、検査結果をもとに振興銀行の主な業務を約4カ月間、停止する行政処分を出したが、預金者の側に目立った混乱はなく、
預金量は減らず、資金繰りに懸念はなかった。
ところが、木村前会長らが逮捕されて以降、預金者の間に不安が高まり、預金の引き出しが殺到。手元資金だけでは預金の払い戻しが
できない見通しとなり、事業を続けるのが難しい状況に陥った。また、融資の返済が滞ることに備えて、9月中間決算で多額の貸し倒れ
引当金を積む必要が出る可能性があり、債務超過が避けられなくなった。
▽ソース 朝日新聞(asahi.com)
http://ime.nu/www.asahi.com/business/update/0910/TKY201009090525.html
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