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らぞう

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2004.12.15
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カテゴリ: カテゴリ未分類
5年くらい前の夏、実家で法事があった。

和尚さんもこの暑いのにカブに乗って山の上にある僕の家に来た。
木で作られた祭壇にお供え物やら花やらが並ぶ。
和尚さんの座る座布団は大きくてふかふかだ。
傍らには麦茶が置いてある。
冷房などは効いていない部屋なので、やけにその麦茶が美味そうに見えた。
そして和尚さんの読経が始まった。
みんな厳粛な面持ちで和尚さんのお経を聞いていた。


僕は、普段正座に慣れていないので足が痺れ、もぞもぞと動いた。
ごりごりごり・・・和尚さんが長めに数珠をこすり合わせると、
この儀式も終わりに近い。
くるりとこちら向かって振り返る和尚さん。
ふーっ、やっと終わった。

和尚さんはここで出された麦茶をぐいっと飲む。
すると和尚さんはおもむろにグラスを上げて乾杯のようなポーズになった。
「ん?このタイミングで乾杯もないだろう」
と訝しく思って見ていると、和尚さんはテンションを全く変えずに一言、
「・・・こりゃぁ麺ツユじゃ」
ポツリとこぼした。


田舎でよくありがちな麦茶を入れる容器にツユを入れて置いていたものを
事情を知らない親戚の一人が麦茶と思い込み出してしまったようだ。

お袋はその直後、麦茶入れに大きく油性マジックで「ツユ」と書いた。





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Last updated  2004.12.15 21:18:13
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