BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年01月28日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を感を抱かれる方はご遠慮下さい。

冗談を言いながら食事を取る日が来るなんて思いもしなかったとから揚げを一つ口に頬張った。
肘を突き、ニコニコしながら鴻山の動きと表情を窺っている。

「なんだ?」
「美味しい?」
「ああ、旨い」
「良かった」

安堵の表情を浮かべ、自分も食事に箸をつける椎名、彼は今、何を思いながら食事をしているのだろうかと味噌汁を飲みながら椀越しに彼を見つめるとそれに気付いた椎名が箸でから揚げを摘んで鴻山に差し出した。

「なに?」

「冗談だろ?」
「本気だ、だって今、アンタ、俺の顔を見ながらこう思ってただろ、『椎名は俺の事をどう思ってるんだろう?』ってね」
「外れだ、残念だったな」
「でも、食え、俺が食べさせたいんだ、今、幸せだから」

その答えに鴻山は口を素直に開けた。
なんだかこそばゆい感覚を覚えながら食事を勧めて行く、ひと時の安堵感と幸福感が鴻山を満たしていた。

「俺が仕事を見つけたら出でいくって条件は破棄してくれるんだろ?」
「ああ、その約束は無しだ、お前はここに住んでくれ」

瞳を輝かせた椎名がもう一度、から揚げを摘んで鴻山に向けて来た。

「お前、いくら嬉しいからってそれは止めろ」
「これは、宗次さんの餌付けだから」

「宗次さんが俺に好意を向けてくれる度にこうやって餌付けするんだ」
「俺は訓練されてる犬か?」
「違うよ、アンタは鴻山宗次だろ」

椎名の言葉に心臓が跳ねた。
自分を独りの人間として認めている。


「な、なんだよ、ちょっと宗次さん?なに泣いてんの?」
「え?」
「涙、溜まってるよ、目頭に」

視界がぼやけて椎名の言葉を始めて理解した。
向かいに座っていた椎名が隣に座って頭を抱き寄せ、肩をトントンと叩いた。


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最終更新日  2010年01月28日 11時52分24秒
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