BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年02月01日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

「椎名。。。」
「お帰り」

冷えていた心がじんわりと温かさを取り取り戻し、泣いてはいけないと思いながらも涙が浮かぶのを自覚した。
慌てる椎名の表情の変り具合が可笑しくて溢れ出しそうな涙が止まった。

「宗次さん?」
「なぜ?」
「ああ、仕事探していてね、アンタの職場この辺だったと思ってさ、待ってたんだ」

細められた瞳が覗き込んでくる。


「飯、奢ってやる、まだだろ?」
「ホント!」
「ああ、何が良い?」
「アンタの食いたいもんでいいよ、もっとアンタの事を知りたいから」

椎名の生い立ちは教えてもらった。
しかし、彼が何が好きなのか、どんな音楽を好むのか、趣味はなんなのか、基本的情報を何も知らなかった。
それは椎名も同じでそんな話は一度もした事が無いと好きに成って初めて気付いたのだ。

「良いのか?」
「俺はそんなに好き嫌いない、それにアンタとならどこでもいい」

照れくさそうに逸らされた視線が中に泳ぐ顔が可愛らしく思えた。

「ぶっ!」

「お前のそんな顔、初めて見た」

会社からの重く暗い気分が和らぎ消えていく、拾ったのは自分だが助けられたのは自分だと思う。

「やっと笑った」
「え?」
「本当は会社から付けてたんだ、声を掛けようと思ったけど気付かないで下向きで行っちゃうし」


こんな気持ちを忘れていた。
結城が亡くなってから安らげる存在が側に居なかった。
話す相手はいたから孤独だとは思わなかった、野瀬に弄られる以外はごく普通の平凡な人間だと思った。
しかし、心から楽しいと思える相手は居なかったのだ。

「ね、行こ、アンタの好きな店」
「ああ」
「ちょっとなに、さっきの顔は?ほら、眉間の皺を伸ばして!」

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最終更新日  2010年02月01日 14時22分43秒
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