BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年03月22日
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カテゴリ: 道に落ちていた男
BL小説です、興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

野瀬の視線を感じながら注文のコーヒーを待つのは、なんだか気恥ずかしいと思え、俯き加減になってしまう。
会話が楽しめればよいのだが、そんな間柄ではないのだから、楽しめようがない、面と向かうのもなんだか違う、今更、レジ横の雑誌を取りに行く気にも成れないでいた。

「どした、落ち着かないか?」

穏やかな声、視線だけを向けると細められた瞳に口元が緩んで微笑んでいるのが分かった。
だから余計に緊張する。
こんなデートの様な待ち合わせをするのならば、さっさと野瀬の家でも、ホテルにでも行ってベッドに入ってしまえば多少は気が楽に成るのになどと考えてみる。

「デートが気に入らなかったか?」
「はっ、デート?俺とアンタがか?」


逸らせば負けると思ったから視線を外す事無く、ただ、眉根に皺を寄せて強く睨んだ。
野瀬の手が眉間に伸びて皺を辿って引き伸ばそうとする手を叩いた。

「さ、触らないで下さい」
「そんな顔をするな、君は笑っていた方が可愛らしい」
「俺をバカにしてるのですか?」
「いや、違う、正直な感想を述べたまでだ、しー静かに見られてる」

目立つ席、なぜ、こんな席にしたかのか野瀬の意図は分からない、しかし、ここに座った事で二人の間に何か有れば注目を浴びる事になる。
それなのに野瀬はちょっかいをだしててくるのだ。
それはこうして鴻山といる事が楽しくて仕方ない風だと言いたげだったが、鴻山自信は飼い主の気まぐれ程度にしか思っていなかった。

「お待たせしました」

運ばれて来たコーヒーの砂糖とミルクを入れる。


「ミルクと砂糖を入れるのか?勿体無い」
「いいでしょ、俺の勝手だ」
「だったらカフェオレの方が良いのじゃないか?」

膨れた顔で睨み返す。

「やっぱり可愛い」

「君は素直じゃないな、あの時だけは素直だがね」

ニヤリと笑って本に目を向ける。
鴻山はカップに口をつけながらチラチラと野瀬を見る、このような穏やかな表情の彼を見るのは初めての事だった。
普段、余り良い印象が無いだけに不思議な気持ちだった。

「なんだ?」

視線に気付き声が掛けられた。
首を振り、表に顔を向ける。
ガラスに映る二人の姿、他人からどのように見られているのだろうという疑問が沸いた。
野瀬が旨いと言ったコーヒーの味など分からなかった。
この空気がそうさせていた、野瀬の普段とは違う態度だった。

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最終更新日  2010年03月22日 14時17分54秒
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