BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2010年05月04日
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BL小説です。興味ない方、嫌悪感を抱かれる方はご遠慮下さい。

花を愛でまし1

散り行く桜を惜しみながら藤野は一人、自宅のマンションへと急ぐ、栢山には残業だと知らせて有ったから、この際、気ままな桜見物でもと思い、近所の公園へと足を運んだ。
時刻は0時を過ぎていた。
公園での酒宴は近隣に配慮して10時までと決められ、それを破れば罰金となる。
流石に罰金を払ってまで花見を続行する人物は居ない、僅かに、酒の残った花見客が、ポツリポツリとベンチで酒宴の名残を惜しんでいる姿が見受けられるのみ、藤野はそんな人々を横目に公園の外れに有る桜に近寄り、手にしていたコンビニの袋を横に置くとベンチに腰を下ろし、ポケットから携帯の灰皿とタバコのセットを取り出した。
最近の条例で喫煙が厳しく言われる中、この公園では以外にも、喫煙を許可されているが、吸殻は持ち帰りが原則、だった。
タバコに火をつけてスッと吐き出すと紫煙が立ち昇る。
それを目で追いながら桜を見上げると緑色の小さな葉と今にも散りそうなピンクが街頭に照らされ、コントラストを作り出していた。

タバコを咥え直してプルタブを開くと、プシュッと良い音がしてジュワジュワとビールの泡がはじける音がする。
この瞬間、仕事から解放されたのだという、気分に浸ることが出来た。
いったん、缶を脇に置くとタバコを携帯灰皿で消してポケットにしまう、そして缶を持ち、一口のみ込むと、一日の疲れと入れ替えに好い気分が流れ込んで来た。
煩い栢山は居ない。
肩を貸してくれる倉本も居ない。
時にはそれで良いと思う。
一人の時間を満喫する。
サワリと風が吹く、ハラハラと散る桜が、藤野の上で舞う姿は、風流だと思う。
足を組みなおしてビールを口にする。
苦味と喉を通る感触が心地よい。
眼鏡を指で押し上げて桜を愛でると胸の奥に湧く物悲しさが、藤野を感傷的にさせるた。



「そう言えばどれだったかな、名前が付けられていたはずだけど」

呟いて記事を思い返してみる。
思い出せない。
こんな時、栢山だったらすんなり出てくるのだろうと思う。
ふと思い出す。


何本目かの桜に辿りつく、他の桜よりも樹齢がある様に見受けられた。
目印の石碑を近くに探してみるとその脇にひっそりと縦長の石碑を見つけた。
そこに刻まれた文字は「藤桜」とある
藤で桜とはなんとも不思議な組み合わせだと思うのだったが謂れなどが何も刻まれていないのが残念だと思った。
この桜にどのような謂れが有るのか興味が湧いた。
都合が良いことに明日は休みだ。
地元の図書館にでも行けば何か掴めるのではないかと思う。
栢山が煩いだろうが、図書館に篭ることを決め込んだ。
藤野は桜に別れを告げるとマンションに向かった。

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最終更新日  2010年05月04日 00時04分53秒
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