BL駄文・華は夜ひらく

BL駄文・華は夜ひらく

2012年06月14日
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カテゴリ: 君がいるから
BL駄文です。


栢山が出してきたのは、洗い立てのシャツ、藤野が以前、残していったものを洗い換えとして置いて有ったもの、二人の歴史がちらりと見えた気がして苦しくなる。栢山は黙ってキッチンに向かい、コーヒーを入れ始める。倉本の入れたものは勿論、藤野好みであるが、栢山のコーヒーもそれに負けず劣らず美味しいことを知っている。服を着替えて改めて部屋の中を見渡すとそこかしこに自分の痕跡を見つけて顔を膝に埋めた。罪悪感がそこにある。
「先輩」
普段と変わらない声がいつもと同じに藤野を呼んだ。ピクリと肩が跳ねる。
「先輩?」
隣に腰を下ろすと伏せられた頭に手をのせて髪を撫でる。
「そんなに罪の意識感じること無いよ、俺なんてもっと酷い事しちゃったんだから、それ、あの人のでしょ、おまけに首絞めたり、犯そうとしちゃったり謝んなきゃいけないのは俺、これ飲んで、気分変えようよ、ね」
顔を上げた藤野にマグカップを手に持たせると自分は一口、コーヒーを飲み込んだ。
「これ、倉本の・・・」

「だろうね、先輩のにしてはサイズがでかかったかったから嫉妬しちゃったよ、だけど、あの人なら笑って許してくれるんじゃない、まぁ、アンタを犯そうとした事は殴られるくらいの覚悟、必要だけどね」
栢山の顔をじっと見詰めて床のマグカップを手にすると、少し冷めたコーヒーを口にすると馴染んだ味がする。
「お前はその・・・それでいいのか・・・」
「仕方ないよね、男らしくすっぱり諦めましょ!だけど、先輩、後輩の仲は今までと変わらないでお願いします。それまで絶たれたら、俺、立ち直れないから」
笑い混じりの本気とも、冗談ともとれる言葉、そこに栢山の優しさを見た気がする。
「俺の置いていった物、片付けないと・・・」
「ですね、だけどこの部屋には遊びに来てくださいね」
「はい、勿論」
ほんの少し前まで当たり前のように見てきた笑顔、温かくて心地よかった、栢山は本当に割り切れたのだろうか、コーヒーをもう一度、口にした。
「ねぇ、先輩、今度は俺が待ってもいい?」
突拍子も無い発言にコーヒーを吐き出しそうになる。

「あ、ああ・・・」
「驚いた?」
「うん・・・」
そうだろう、諦めたのではなく「待つ」と言われたのだ。
「あの人に出来て俺には出来ないなんて無いでしょ」

「俺には無理だね、あの人のような我慢強さ無いもの・・・だから諦めるんだけど・・・あの人に飽きたら戻っておいでよ」
離そうとしていた手をもう一度、取りそうになる。驚きで開いた瞳から涙が零れ落ちそうに成るのを必死で抑える。
「そんな価値、無いのに・・・なぜ・・・」
「愛・・・かな・・・多分・・・アンタは愛される資格いっぱい有るじゃない、アンタ自身、自覚無いけど、いっぱいいとこ有るんだよ」
抑えていたものが溢れ出た、止めようとしても、もう、止められない。
「ちょ、泣かないで・・・ごめん・・・」
泣いている体を抱きしめた。 以前と変わらない光景がここにある。
「か、勘違いしないでよ・・・こ、こ、こはその・・・ほら・・・親友の抱擁ってやつで・・・その・・・深い意味は無くて・・・その・・・」
腕の中で藤野が震えているのが気になり、ついついこのように言ってしまう。
「あの・・・先輩?」

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最終更新日  2012年06月15日 04時06分41秒
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