夏冬の管理

夏と冬場の管理
温度管理がありますので、夏と冬はブリーダー泣かせです。一番の理想はブリード部屋に冷暖房を入れて年間一定の温度にする事です!しかし、実際出来ない方がほとんどではないでしょうか?私自身も不可能ですのでPICAコーポの園芸用温室を利用しています。(冬用)かなり良い物で重宝していますが、短所もありますので、参考にして下さいね。まず、これが私の温室の写真です。(見えずらくてすみません)

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不自然な点がいくつかありませんか?これが自分なりに改良した点なんです。温度を感知して温度調整をするのですが、実際に温度を調整しても上がりすぎてしまう点なんです。元々蘭など花に使う物なので、花は大丈夫なのかもしれませんが、生体は★になります。かなり危ない状況が何度もありました。23℃位に設定しても30℃を越えてしまった事が多々あり、あまりの熱さに幼虫がマットから飛び出していた事がありました。その点を工夫したのが写真のセッティングなんです。

工夫したのは1.プレートヒーターから極力離す。2.発砲スチロールで断熱する。3.温度を低めに設定する。4.コバエシャッターor虫わかん丸を利用する。以上の4点です。

1についてですが、本当はもっと下に棚を付ければ余裕を持ってケースを入れる事が出来ます。そうすればもっと多くの生体を飼う事も出来るのですが、近いとプレートヒーターの放熱を直に受けてしまうので、温度が上がりすぎてしまい★になります。又、マットが1週間もしないでカラカラになってしまいます。

2については1以上に重要な事です。発砲スチロールで断熱しないと、とんでもない事になります。同じく離した状態で使用した事がありましたがそれでもマット内の温度は30℃程になっていました。2つの工夫をしてこそ、高い効果を得られます。

3上記は23℃位に設定した結果ですが、それでも30℃を越えました。友人にも聞きましたが、このメーカーに関わらずプレートヒーター類は設定温度以上に上がってしまう傾向があるようです。色々実験して一番良い温度を見つけて下さい。でも、温度は低めに設定した方が無難です!私は温度計を上段と下段に2つ付けて管理しています。このセッティングにする前の体験談ですが、普段は24℃位なのに気が付くと30℃を越えているという事なんです!寒くなり、普段と環境が変わりますと、プレートヒーターもいつもより発熱します。平均で24℃位でも30℃を越えれば生体は★になってしまうという事です!

4.1~3まで守っても残念ながらマットがカラカラになっていまうのは回避出来ません。ここで先程書いたコバエシャッターや虫わかん丸が多いに活躍します!最近、片方は水分が蒸発しないシートを使い、もう片方はコバエシャッターを使いましたが片方はカラカラで危ない状態でしたがコバエシャッターの方はマット全体がシットリいい感じのままでした!改めて違いを感じ嬉しくなっちゃいました♪全然違いますね!驚くべき効果です!乾燥していたら幼虫も大きくなりませんので効果は計り知れないと思います。

私が使用しているのには付いていませんが換気扇と換気扇サーモの付いている物を使えばより安全だと思います。しかし、先程も書きましたが植物と違い、一瞬でも温度が上がりすぎれば★になります。上記の様な工夫は必要だと思いますので試してみて下さい。


右側の写真は幼虫飼育用に作ってみた物です。保温効果を高める為の物です。オプションでも売っていますが1万円以上と高かったので自作してみました。エアーパッキン製(お菓子に付いているプチプチ)です。1000円かかっていないと思います。結果的に保温効果を高めるだけでなく、光を遮りますので、幼虫も落ち着きます。更にプチプチでガラスが割れないように保護してくれてイイ事ずくめです


自作温室
下の画像は自作温室です。色々考えた結果、成虫と幼虫を同じ温度で管理するというのは困難な点、幼虫は極力静かに飼育したいという考えから温室を別けました。PICA製を成虫管理。こちらを幼虫管理用にしました。住宅建築用の断熱板で覆ってあります。使い易さを一番に考えて設計しました。勿論、開閉式にしてあります♪ (左画像が冬用で右画像が夏用です)

工夫した点や既製品にない良さですが、まず衣装ケースも入る点です!普通、温室に衣装ケースは入りませんので冬に産卵セットとかに使えないという欠点がありましたが、これを解消しました!次に棚の高さです。普通、微調整がムズカシイですし、あとちょっとあればこのケースが入るのに・・・とか無駄なスペースを取っています。しかし、これは大ケースの上にも中ケースを置ける様に調度いい高さにしてあります。これで、効率良く収納出来ます。
こちらの温室はプレートヒーターではなく、サキュレートヒーターを利用しました。透明の下に伸びているのはビニールです。あそこから温かい空気が下に行き、全体を上手く循環しています。このシステムにより、電気代も10~20%節約出来、必要以上に加温して★になる確率が低くなります。

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又、左画像の温室にクーラーを設置したのが右側の画像です!
夏場は外気34℃前後ですが20℃をキープしております♪棚の数も増やしましたので無駄なく効率良くケースを収納出来ています。小プラケの上に小プラケ程度なら大丈夫ですが大プラケの上に大プラケとかを置くと重みで蓋にユガミが出来てコバエが入り込みます。それらの欠点が無くなったのも良い点です。

製作費用
スチール棚5000円 断熱板6300円 サキュレートヒーター9800円 底面用の板1000円 クーラー78000円 棚板4000円 その他備品や材料費など6000円程だと思いますので製作費用は11万円前後だと思います。クーラーを抜けば3万円かからない位です。見た目に捕らわれず安く作りたいというのでしたらもっと安く出来たと思いますが安いお店で部品購入しました。それに安く温室を調達したい!という方にはあまり役に立たない情報だと思いますが既製品の温室は狭さによるケースの出し入れが大変であったり、衣装ケースが入らなかったりと不便な点もありましたので作って良かったなと思っております♪

そして前から不便さを感じてましたのでオプションとして追加した事があります。棚の上にコルクボードを敷く事でケースを平らに置く事が出来ました。結果としてより多く入れる事が可能になりましたし、安定した分、幼虫の成長にも悪影響が出にくくなりました♪あと、画像にはありませんが切った時にでた同素材のボードが大きいまま余ってましたので扉の手前に入れる事にしました。結果、暗さと暖かい空気が逃げにくくなりました♪コルクボードは1枚約700円です。春から冬にかけてで使用するつもりですが温風の通る穴を上手く切る事が出来れば冬にもいいと思います。

外国のカブトに興味があって飼いたくても、温室や暖房の手配が出来ない人は本当に飼えるのかもう1回考え直して下さい。出来れば温室購入をして欲しいところですが用意出来ない方は自宅の一番温かい場所を探して下さい。コバエなど衛生面で嫌がられるかもしれませんが台所の冷蔵庫の上などはオススメかと思います。調理する時に火を使いますので温かです。おまけに温かい空気は上へ行きますのでなるべく高い所が良いですね。その上で発砲スチロールなどでくるめばかなり有効な手段です。ただ食事する場所にコバエが飛んでいるのは気分的にも衛生的にもオススメ出来る方法ではありません。但し、この場合くれぐれもコバエシャッターを使って下さい。

ホームセンターに売っていますが窓枠シートとアルミシートが役に立ちます!あとはカーテンですね。窓ガラスに貼ると空気の層が出来るので冷暖房の効率が8℃程upします。値段も1000円程度です。やはり寒さは窓ガラスから伝わってきますのでカーテンをするだけで温度は全然違います!アルミシートは床に敷いて使うと強力な断熱力と熱反射で熱を逃しません!敷くだけでも全然暖かさが違います。6℃程、保温効果を高める効果があります。こちらは600円程度です。

この工夫は温室や冷暖房がある人にも非常に有効な手段です!電気代の節約や使いすぎによる機械の故障も避けられると思います。他にもケースをパッキンで覆ったり環境によって使える方法があるかもしれません。

私は大型の成虫にする鍵は夏と冬の管理だと思っています! 温度が高すぎても★になったり早く加齢してしまい不十分な成長で終わってしまいます。そういう状態での羽化してしまう個体もあり得ます。又、水分不足は成長に響きます。かといって低温すぎると成長不良になります。夏と冬、どちらの管理も大変ですが個人的には冬の方が大変な気がします。
いくら春や秋にしっかり管理しているようでも年間通して一定水準で管理しないといい結果は出ません!地方によりますが4月位までは夜は結構冷えます。5月に入る頃までは温度管理は欠かせません。より良い方法が見つかりましたら改めて書きたいと思います。

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