フリーページ

2003年02月28日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
マリナ・デル・レイは世界一のヨットハーバーとして知られている。このヨット・ハーバーの中に、ペルシャ人の親友・バーマンの家がある。

そこにはバーベキュー・テーブルと木製のイスがいくつかあった。そのうちの一つに腰掛けると、広がる視野にはヨットが軒を並べて漂白している。
「向こうは海岸なんだ。よくジョギングに行くよ」さっきまで三台のコンピューターを使って、株価をチェックしていたバーマンが、コーヒーを両手に持って現れた。
ヨットの甍浪で、海岸線は見えない。目を天に向けると、青い空、輝く太陽だけがあった。
「ここは天国だな」
「まさに『カリフォルニア・ドリーム』だろ」それから彼は、70年代のこのヒット曲を口ずさんだ。その歌と景色が、まさにピッタリしている。
俺も将来、こういう所に住もうと決めた。

ダウンタウンの同じアパートに住んでいたあの頃は、ビジネスには興味がなかった。だから、彼がビジネスを持っていること、特に仕事をしないでアウディを乗り回しては、セスナ機の免許を取ることに専念していることを気にとめることはなかった。貧民街の安アパートにこういう人が住んでいたのは今考えれば不思議なことだが、当時はそうは思わなかった。何と言っても、アパートには他にケネス・チャン博士や、画家のパトリックらも住んでいたわけだから。


完全にBクワドラントとIクワドラントに住んでいる友人の価値が、今ならよくわかる。ペルシャからやってきて、アメリカで成功することが容易でないことも考えると、ひとしおな気持ちだ。
「あれから少しは大人になって、成長したってわけか」バーマンはからかうように笑った「ところで、昨日話していた件だけど、続きを話そう。二つあったな。バルドゥビーダ人、どっちから行くか?」
「まずは貴金属ビジネスの話から行こうか」
「よし。じゃあ、例えば貿易品がこういうものだったとしよう」彼はコーヒー・カップを少し高く上げた「もしも売れなかったらどうする?」
「売れなかったら、ただで置いておくよりも安く売った方がよくなるよな」
「で、それでも売れなかったら?」
「うーん」俺は白い陶器のカップを、ヨットハーバーに面したテーブルに置くと、それを見つめながら腕を組んだ。
「最後には壊すしかないだろ」友は助け舟を出した。俺は追伸のうなづきをした。
「ところが貴金属は違う」
「??」
「『ヘッジをかける』って意味、わかるか?」

「もしも仮に金のネックレスが売れ残ったとしよう。そうしたとき、どうする?」
「飾っておくしかないんじゃないか?それ以外ないだろ」
「いや違う。こういうときは、ネックレスを溶かすんだ。すると、金の価格になる。つまり、カップと違って全てを失うことはないんだ」
ますます話に耳を立てた。
「バルドゥビーダ人、日本で貴金属をやってみるか?俺はイタリアにルートを持っている。いい品が安く手に入るルートだ。日本は宝石の市場としては大きい所なんだ」

「まず、俺が君にサンプルを送る。君はサンプルを持って、市場を開拓する。週に一日か二日でいい。そしてもしも買いたい人が見つからなかったら、ただ俺に送り返せばいい。君にリスクはないだろ」
答えはイエスかノーだ。早く決めろ。
「よし、やってみよう。早速日本に送ってくれ。装身具市場のことはよくわからないけど、とにかくやってみるよ」
「そうこなくっちゃ」






お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2003年10月07日 23時03分22秒
コメント(3) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

×

キーワードサーチ

▼キーワード検索

プロフィール

バルドゥビーダ人

バルドゥビーダ人

コメント新着

マッチャ@ Re:少年に戻る(11/24) 違うエピソードもおもしろそうですね。
海のくまさん@ チン型取られちゃったw http://onaona.mogmog55.net/xgajsbr/ 俺…
お猿@ やっちまったなぁ! http://feti.findeath.net/s-12m8i/ ちょ…
チリチリ@ 次は庭で全裸予定w http://kuri.backblack.net/mkawsmc/ ち○…
地蔵@ 驚きのショックプライスw コウちゃんがこないだ教えてくれたやつ、…

© Rakuten Group, Inc.
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: