阪急東通り商店街の中ほどに「VIC」というジャズを扱う老舗レコード店があって、H野さんに大学時代に紹介してもらってからは、会員になると最も割引率が高いので、いつも利用していた。 一時、ロックやレゲエなどの比率が高まりジャズが片隅に追いやられている時もあったようだが、現在はジャズ専門店として営業されているようで、中古CDの値付けも良心的らしいので今度帰省した時に覗いてみようと思っている。 このJOHN BASILEのCDはその「VIC」で1993年に購入したもの。 JOHN BASILEはイタリア人で、BOSTON'S NEW ENGLAND CONSERVATORY OF MUSICを卒業した経歴の持ち主。 ギターのスタイルは音色のコントロールがとても繊細で、伝統的なスタイルの中にもハーモニー面で工夫を凝らし曲が最もよく聴こえるようなメロディアスなフレーズ使いにも非凡な才能が見受けられる。 ジム・ホールとジョー・パスの二大巨匠からの影響を本人も否定しない。個人的に親交があるくらい仲がよい親友だったそうだ。 ビル・エヴァンス、バリー・ガルブレイス、フランク・シナトラからも影響を受けているそうだ。 JOHNのギターを聴いていると、曲の良さを最大限に引き出し自分の語り口で最高の演奏を表現してきた先人達(ホール、パス、エヴァンス、シナトラ等)のいいところを継承しているなと思う。 先人達ほどの強烈な個性は感じられないけれども、等身大の淡い個性、輝きと言ったら良いのだろうか、時々棚から取り出して無性に聴きたくなる味のある作品である事は確か。 選曲も素晴らしく、「YOU MUST BELIEVE IN SPRING」「SO TENDER」(K・JARRETT)「MY FUNNY VALENTINE」「I DIDN'T KNOW WHAT TIME IT WAS」「I GUESSI'LL HANG MYRS OUT TO DRY」「DOLPHIN DANCE」「MISS PERFECT」(J・STEIG)「SUNDOWN」(W・MONTGOMERY) メンバーはJOHN BASILE(G)DAVID FINK(B)PETER GRANT(DS) 録音は1990年5月29日、7月24日 NJ