ざっとこのような経歴の持ち主である。 正確なリズムキープの歯切れの良いドラムも悪くはないが、クラウスの才能はどちらかというと作曲に秀でたものがあるといえる。 このアルバム全6曲とも魅力のある楽曲で、それをもとに、BOB BERG,TOM HARRELL,NIELS LAN DOKY, RAY DRUMMONDとクインテットの全員が好プレーを続出。ボブ・バーグは例の調子でファナティックにフレーズを連発しあげ、それに感化されたのか、トム・ハレルもいつもよりホットなプレイ。 トムはこの頃のプレイが個人的に一番好きだ。思索的な面をかもし出しつつジャズ的なスリルに溢れ、音色的にもハリがあり、オリジナリティーを発揮していたと思う。ニールスも鋭意売り出し中の真っ只中ではりきったプレイ。 レイ・ドラモンドもいつものように少し高音の粘りがあるグルービーなサポート。 クラウスのタイトなドラムとユニークな楽曲のもとに全員がはりきったプレイを続出した1980年代にでたポストハードバップの隠れた秀作だと思う。 録音は1987年3月17,18日 NY