Barber Miura

Aug 7, 2006
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深夜の桜木町
細い路地から国道へ左折で出ようとして一時停止、
右を確認するが、国道は円周線みたいにカーブしており、しかも草木があって見通しが悪い
もう少し鼻先を出して、車がないことを確認し、左を向き左折を開始したとき、
けたたましい程のクラクションとタイヤのスキープ音が急接近し、
その音が瞬間的に最大になったとき、ぶっこわれる音と急に振られる衝撃があった
一瞬視界が白くフラッシュしたと思ったら、車はガードレールに乗り上げ、斜めに走っていた
反射的にブレーキを踏んでーしかし右足はいつの間にかアクセルの上にあったのに気づき、ブレーキを踏むが
制動されない、前方には45度の視界の中に電信柱が確認できた

案の定、徐々に速度が落ちてゆき、ボトンと路上に戻ったところで停止した

深いため息をつく、このとき自分は何を考えていただろう

後ろを見ると、タクシーがハザードを焚いて停まっていたーすぐに運転手が出てきた
自分も車から降りる、地面がすぐ近くにあるように思えた
「怪我はないか!?」
精神的にすこし救われる
とりあえず警察に電話した、機種変したばかりの携帯・・・
警察を待つ間、運転手はウロウロしていて、自分もようやく歩く気になり、状況を確認してみた
自車は左右のフロントライトのところがえぐれて、内部が見えている
タクシーは左のライトの部分がさらに酷くえぐれて、電球が宙ぶらりんになっていた
ガードレールは根元から倒れている


警察が二人到着して、それぞれが開口一番に「怪我はないですか?」と聴いてくる
また少し救われた
(後に、これは物損事故か人身事故かによって対応が違ってくるから聴いてくるのだと思ったが、それでも精神的に救われるのは確かだ)
車やガードレールを調べたり、質問に答えたり免許証や車検証を見せたりと、自分は言われた事をするだけだ
それしか出来る事はない


こういうときは激しく抗議したほうが処分が軽くなったりするのかもと思った
「相手のタクシーはどれくらいスピード出ていたかわかりますか?」と聞いたが、
警官のリアクションは予想外だった
私を歩道のほうへ連れて行き、説教が始まった
相手の非を探すより、自分の非を認めろ、というような内容だった
もう言葉が出ない

一通り仕事が終わったようで、警官たちはパトカーに乗り込んだ
パトカーの窓が開き、こっちへ来いというような仕草をした
「帰り道なんだけど、若いコたちは特に、事故した後ってドキドキしてまた事故起こしちゃうケースも多いから気をつけて。横須賀遠いし」
先ほどとは全くちがう穏やかな口調だった
最後にタクシーのところへ行き、心から謝った。人生で初めて本気でひとに頭を下げた

am3:00
家に無事に到着。両親は寝ている
私は、以前に父さんからもらった加入している保険会社のハガキを取り出し、電話をかけた
自立したい、親にだけは迷惑かけたくなかったから、出来る事は全部自分でやろうと思った
電話が繋がった
「事故を起こしました」
「お怪我はございませんか?」
初めての経験で、自分は何をしたらいいのかわからなかったから、最初にその旨を伝えた
そしたら、全て教えてくれた。ところどころに、安心させてくれるようなフレーズを織り交ぜて
それですら、『自分は守られている』と感じた
自分は弱い、一人では何もできないということを実感した

ぶつかった時、シートベルトがロックされたから自分は無事だった
衝突の角度が浅く、車の損傷が少なかった
ドアに突っ込まれていたらどうなっていたかわからない
タクシーも自車も、同乗者はいなかった
交通量も少なく、歩道にも歩行者がいなかったから惨事には至らなかった

様々な不幸中の幸いがあった
これら一つでも欠けていたら・・・
自分が何故生きているかということを考えさせられた出来事だった





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Last updated  Aug 22, 2006 04:02:29 AM
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