クラシック音楽は素敵だ!!

クラシック音楽は素敵だ!!

同志を騙したショスタコはけしからん!

<全世界の同志を騙したショスタコはけしからん!>




Shostakovich
1906-1975

スターリン賞受賞者:ドミトリ・ショスタコヴィーチ同志





 さて「けしからんシリーズ」第二弾は多くの作曲家の中でもけしからん度ダントツであろうショスタコーヴィチ同志の交響曲第5番「革命」である。

 この交響曲第5番が書かれた1937年当時、スターリンの大粛清は止まるところを知らず、多くの著名人、ショスタコの友人・知人が逮捕・投獄・処刑されていた。そしてショスタコ自身も、「プチブル的で非社会主義的な作曲態度」を追求され、 その命は風前の灯火状態 であった。

 この命の危機から彼を救ったのが、11月21日にムラヴィンスキー指揮のレニングラード・フィルによって初演された 交響曲第5番 であった。(「革命」という表題は彼のオリジナルではない)

 この曲は作曲家自身と政府の御用学者達から「苦難を乗り越えて最終的に勝利する長い精神的闘争の物語」とした解説がつき、初演は爆発的な成功を収めた。第三楽章で演奏会場内あちこちですすりなきが聞こえ、最終楽章に至っては、曲の途中から多くの聴衆が立ち上がり終演後嵐のような拍手が巻き起こったという。

 この圧倒的な評価はショスタコの命を救ったばかりでなく、 「社会主義リアリズムを見事に音楽化した作曲家」 としてソ連体制内で彼の評価を一変させた。さらに全世界に「社会主義の勝利を象徴する大交響曲」として喧伝され、世界中の社会主義者・共産主義者達に夢と希望を与えたのだ。その数たるや数千万などというレベルではなくて 数億人の人々に影響を与えた というべきだろう。この曲の大ヒットによって、ショスタコは西側陣営の人々から「社会主義を代表する作曲家」というレッテルを貼られることになる。


 ところが1979年に出版されたソロモン・ヴォルコフによる「ショスタコーヴィチの証言」により、この曲をはじめとする旧来のショスタコの評価が一変する。本の中でショスタコはスターリン存命中に作曲した作品群は生きるために仕方なく書いたものだとし、その内容は欺瞞に満ちていると告白しているのだ。なにせ 「私の交響曲はすべて墓碑銘である」 とまで言い切っているからすごい。

 そして交響曲第5番について、 「強制された喜びの表現」 であるとし、まるで鞭打たれた者がうめきながら「喜ぶぞ、喜ぶぞ、それがおれたちの仕事だ」と語っているようなものだ、とまで言っている。

 この「証言」以降、西側でのショスタコの評価は「体制迎合作曲家」から「体制に命をかけて抵抗した作曲家」に180度変わり、今日では押しも押されぬ大作曲家の列に連なっている。

 しかしその後、1980年にアメリカの音楽学者ローレル・フェイが、「証言」の内容はヴォルコフの創作が大半を占めているとする研究結果を発表し、その論争は今日まで続いている。


 ということでこの交響曲第5番は、一時期(発表から約40年間)世界中の社会主義国で繰り返し演奏され、社会主義芸術の精華として崇めらたある意味罪深い、ケシカラン曲なのだ。でも私にとっては、そのようなイデオロギー論争はどうでもいい、名曲中の名曲に聞こえる!

 全四楽章を通じて一切無駄がない構成力、第三楽章ラルゴの痛切極まりない旋律、最終楽章の(作曲家の真意はともかくとして)巨大で尋常ではないコーダの緊張力は、 20世紀の「運命」 と称されるにふさわしい陣容なのだ。

 私にも、これはショスタコが全身全霊をかけて体制に反抗していた音楽に聞こえるが、それは歴史を知る立場にいるからだ。そりゃあその当時の人々は普通騙されますよ。まことにケシカラン音楽だ!



いやぁ、ケシカラン音楽って、ほんとにいいもんですね!




人気絶頂ゲルギエフ先生!
ショスタコーヴィチ:交響曲第5番・第9番
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ショスタコーヴィチ:交響曲第5番|5つの断章
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