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初版は1937年、ちょうど日中戦争が始まった年に世に出た。戦後、二回内容を改訂して現在のものになっている。
主人公は中学一年生の本田潤一。みんなからコペル君と呼ばれている。彼の日常に起こる出来事を、水谷、北見、浦川と家庭環境がまったく違う3人の友人ととともに乗り越え、成長してゆく物語である。
本書を優れものにしているのが、コペル君の叔父の存在である。コペル君から話を聞いた叔父は、ノートに彼のコメントを書く。
例えば、コペル君、浦川、北見が水谷の家に招待された時のこと。水谷の姉・かつ子が、ナポレオンが英雄だという話をした。コペル君もそう思った。その話を叔父にすると、彼は次のようにノートに書いた。
「英雄とか偉人とかいわれている人々の中で、本当に尊敬ができるのは、人類の進歩に役立った人だけだ。そして、彼らの非凡な事業のうち、真に値打ちのあるものは、ただこの流れに沿って行われた事業だけだ」
この文章は、科学的社会主義の世界観そのものだ。戦前の自由や民主主義が蹂躙された天皇制の社会で、よくこれだけのものが書けたものだ。
ぜひ、お読みください。
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