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続き・小説2
その質問には答えず、紗那はにこりと笑って美郷と帰って行った。悠雅はた
だただボーッとしているだけだった。
「紗那?」
ただただ立っているしかできなかった。
「いーの?」
美郷がさっきから何回も聞いてくる。紗那は立ち止まりうなずいていった。
「大丈夫!!私はアイツに守ってもらわなくても」
紗那のいっている意味が美郷にはわからなかった。それに気付いた紗那は美
郷の手をひっぱった。どこにいくのだろうか?
「美郷。ここが有科のお墓だよ」
そう。悲しいときとか…自身をなくしたりすると紗那はいつもここに来る。
人をつれてきたことはなかった。
「何で、私を連れてきたの?」
「今の私の親友だよって紹介…してなかったじゃない?」
にこりと微笑みながら…しかしそれは泣きそうな顔で…。美郷はうなずき有
科に話しかけた。
「こんにちは。紗那の親友の美郷です」
頭を下げながらいう。紗那も頭をさげた。そして二人とも顔をみあわせにこ
りと笑いその場を去った。
「さ、帰ろ!美郷」
「うん」
その日の夜は悠雅は考えていた。一人の少女の行動について…。
どうしていつも一緒に帰っているのに今日は違ったのだろう?
「悠雅!!ボーっとしてないでちゃんとご飯食べなさい」
その悠雅の姉の言葉に気付き姉に質問した。
「なぁ、いつも帰ってる奴が急に違う奴と帰るって…どうしてなんだ?」
「はぁ?何、男?女?」
「女」
「紗那ちゃんのこと言ってんの?」
さすがにするどい姉。ちなみに姉の名前は―遙(はるか)
母が仕事で忙しいので悠雅のめんどうや洗濯。掃除。食事。などは昔から遙
がやってくれている。父は外国にいる。日本人だが仕事でいっている。
「べっ別に紗那じゃねーよ!!ただの友達!!」
「フーン…そうねぇ、急にってことは他に好きな人でもできたんじゃな
い?」
へーぜんと言う遙だが悠雅は真剣に考えた。
(紗那に好きな奴が―…?)
悠雅はその場を立ち去りすぐ紗那に電話した。紗那は出てくれた。
「紗那?」
「うん。どしたの?」
「あ…いや、何で今日一緒に帰らなかったのかなって…」
「いーじゃない。別に。私悠雅と帰らなきゃいけないことはないんだし」
「確かに…あっそうだ!紗那役何に決まったんだ!?」
「話をそらすの?」
ズバッと一発。悠雅はもうなにを話していいのかがわからないのだろう。
それとたしかに一緒にかえらなくてはダメということはないのだから。
ああはっきり言われたらもう何もいえなかった。
「えっと…役だっけ?たしか魔法使い」
「へぇ、合ってんじゃん」
紗那は一瞬ドキッとなってしまった。
「ありがと。おやすみ」
「えっあっ」
ガチャ
悠雅の返事をきかずに切った。なんていいたかったのだろう?
紗那はため息をして美郷に電話してみた。
「美郷?」
「えっ美郷の友達?俺、美郷の兄」
「えっ!?あっはい!!すっすみません」
いきなりのことですごいあわてた。美郷の部屋に電話したつもりなのに
何故兄がでたのかがよくわからなかった。
「あっちょっと待って今美郷にかわるから」
「何やってるんだよ兄貴」
また別の声―……またしても男の声。
美郷に兄がいることは知っていたが、何人いるかまでは聞いてはいなかっ
た。のでまたしてもパニックになった。何故美郷がでないのか―……
「ちょっお兄ちゃん達何してんの!?妹の部屋で」
(あ、美郷)
紗那はほっとした。ようやくかわってもらえる。と、思ったのだが―…
ガチャ
切れた。紗那はまた混乱した。もう一回かけていいのかダメなのかもちょっ
と悩んでいた。そのとき電話が鳴った。紗那はすぐ電話を取った。
「ハイ!北沢です」
嬉しそうにでたのだが電話からきいた声をきき真っ青になった。
「悠雅…」
そう。電話の主は悠雅だった。
「何?さっき電話したばっかじゃん」
「いや、一つ質問が…お前、好きな奴でもできたんか?」
「ハ!?別に」
何を言い出すかと思えば…紗那はしょうがなく行き帰りは一緒に帰るかと思
い悠雅に優しく言った。昔のように。
悠雅は多分心配して何回も電話してくれた。昨日も心配してくれたのだろ
う。悠雅はそういう性格だ。
「そんなんじゃないから、心配無用じゃ!!OK?」
悠雅はうれしそうな声でしゃべる。電話で話しているのにまるで目の前でし
ゃべってるみたいだった。多分…いや、絶対うれしそうな顔をしているだろ
う。
「そっか…悪かったな!!何回も電話して」
ガチャ
ため息をしようとしたらまた電話がかかってきた。今度はだれだろう?
「紗那!ゴメンね!!さっきお兄ちゃんが出たんだって?」
「うん。二人もいるの?お兄さん」
「ああ、うん。お兄ちゃんっていっても一日違いだけどね。みんな」
一日違い―…つまりは…同じ歳―と、いうことは…もしかして多分そのもし
かしてなのだろうが…
「え」
「だからみんな同じ学年」
やはりそうだ。しかし一日違いってのもすごい。そうそういない。
「え!?すごっ」
おもわず口にだしてしまった。ま、たしかにすごいけど……。
「そう?ありがとう」
「え」
今度は兄がでた。こっちはさっきもでた…初めに出てきた礼儀正しそうな兄
のほうだった。
「え」
三・
今日もいつも通り悠雅がいた。
「おはよ」
今日は紗那から声をかけた。そんな時後ろから声が昨日聞いたような声。
一人は美郷。でももう二人の声も聞こえる。
紗那はなんとなういやなかんじがした。
「あ、紗那―おっはよ♪施付君、今日もカッコイ―よ」
「サンキュ」
軽いあいさつをしながら話すふたりしかし後ろから声がきこえるのはたしか
だ。男の声。だいたい予想がつく。
「君が紗那ちゃん?」
「あー昨日の女か……」
見ているのはあの電話にでた人の声。二人とも。
「あ、はい。昨日はすみませんでした!!」
頭を下げた。もちろん悠雅は何のことをいってるのかよくわからなかった。
二人の男もびっくりしている。
「いやいや、オレも悪かったしね」
「あの、貴方が長男…ですか?」
「ん?良く分かったね」
にこりと笑いながら紗那にどんどん近づいてくる。
紗那もドンドン後ずさりしていった。悠雅が紗那を守ろうと走るともう一人
の男が悠雅を止めた。
「別にあぶねー事はやんねーよ」
悠雅はその男をにらめつけた。だが男もまたにらめつけた。
「あの…なんですか?」
「あ、ごめんね。なんかかわいいなーって」
紗那の顔が赤く染まった。悠雅はムッとして紗那の手を引っ張った。美郷も
後を追った。二人の男は追わなかった。手を引っ張られたまま、学校につい
てしまった。
「痛い!!悠雅」
その言葉で悠雅はハッとした。すぐ紗那の手を離した。そして顔を真っ赤に
したまま
誤った。何回も…。そして自分のクラスに走って帰ってしまった。
「ハァハァ。早いんだから…二人とも」
息を切らしながら来たのは美郷。紗那は美郷の背中をさすりながら誤った。
そして二人も教室に入って行った。
「私の方こそごめんね。バカお兄ちゃんのせいで…」
「そんなことないよ」
それから二人は兄のことをいろいろ話した。
名前は長男が坂下 封矢(ふうや)次男が坂下 垢月(あかつき)
長男は礼儀正しく頭がよい。優しくて人気もあるらしい。たまに思ったこと
を口にするのが傷…。
次男は怒りん坊だけど本当は誰よりも優しくてケンカが強くて妹思い…。で
も、みんな怖くてあまり近寄らない…。
「美郷」
「へ?」
そこには垢月の姿があった。弁当をもっている。多分美郷がおいてった美郷
の弁当だろう。
「あ、弁当!?私の?」
「そうだ」
ムスッとしている。静かに弁当を受け取るとさっさと帰ってしまった。
そうして授業は始まった…。
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