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2007年11月06日
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あの時、何故、私はあんな選択をしたのだろう?


しばらくの間、私はこの日の自分の行動、判断を呪い、悔いていました。
何故こんな悲しい目に合わせるのか?と、自分の守護存在「ロクちゃん」の事すら
罵倒し、勝手な恨みつらみをぶちまけて八つ当たりしたりしました。

(子猫との別離は、別にロクちゃんのせいじゃないのにね。
まったく、我ながら勝手なもんです。
あの時の事、まだきちんと謝っていなかったわ。
ごめんね、ロクちゃん)


この時の私の判断、その結果もたらされた子猫との別れ・・・。

これら全ては、結局、なる様にしかならなかった出来事・・・。
「必然」だったようなのです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

二時間も時間があるので、その間どう時間を潰そうかと考えていました。
いつもの私なら、すぐに一旦家に帰っていたことでしょう。
しかし、この日の私は、普段ならおそらくしないであろう選択をしたのです。

「天気もいいし、この近くの公園でちびちゃん(子猫の事。仮の名前)を
遊ばせてあげよう♪」

私はそう思い立ち、単車を病院の前に置いて、
病院から歩いて数分のところにある公園に向かいました。

と思っていました。


公園の中のベンチにでも座って、その近くでちびちゃんを遊ばせよう、
と思った私は、ベンチを探して公園の奥に入って行きました。
結構広い公園で、大きな樹が何本も植えられています。

私の予想に反してなかなかベンチが見つからず、

やがてベンチを発見しましたが、そのすぐ近くで、中学生くらいと思われる少年達が
キャッチボールをして遊んでいるのが見えました。

正直、私はこの時点で「ヤバイな・・・。」と思っていました。

何がヤバいのかと言えば、この子猫は、やっと私や母に慣れてきたところで
私達以外の人間に出会った事はなく、もしも子猫を放している時に
彼等がやって来たら、子猫が驚いて逃げてしまう可能性があったからです。

そういう危険性を予測出来ていたにも関わらず、この時も何故か
「ま、でも大丈夫だろ。」という、何が大丈夫なのかまったく分からない、
「大丈夫」の根拠のない判断をした私は、子猫を鞄の中から出してしまったのです。


鞄から出してそっと地面に降ろすと、子猫は恐々辺りの様子を伺っていました。
緊張しながらも、少しずつ子猫が歩きだしたその時、恐れていた事が起こりました。

子供達の声がして、少年の一人がこちらに向かって走って来たのです。
どうやら、三人でしていたキャッチボールのボールを一人の子が受け損なってしまい、
それを追いかけてこちらに駆けて来たようでした。


この瞬間の事も、今でもよく覚えています。

ボールは何故か真っ直ぐに、子猫目掛けて転がって来たように見えました。
当然、それを追う男の子も子猫の方に走ってくる事になります。
子猫は突然現れた少年の姿を見て驚き、一目散に駆け出しました。

私が、子猫を直ぐに追わなければ、と思ったその時、
私の携帯の着信音が鳴りました。
まるで、私を呼び止めるかのように。

あの時、あの電話を何故、私は無視出来なかったのだろう?
これも、私が未だに不思議に思っている事です。


携帯ならば、着信履歴が残るのだからこの時は電話に出なくても
後で掛け直す事がいくらでも出来たはずです。

電話よりも、子猫の方が見失ったら、離れたら
もう二度と取り返しがつかなくなるかもしれないのに。

その事も頭にあったのに、私はこの時、何故か瞬間的に、
迷わず電話の方を優先させてしまったのでした。


「ヤバイよ!早く子猫を追っかけなよ!!」と焦る私と、
「いや、でもきっと大丈夫よ。逃げてった方角はちゃんと見てるし、
後で名前呼べばすぐに出てくるよ、きっと・・・。」という
何故かとても楽観視している私と、二人の私がこの時、同時に存在しているのを
私は確かに感じていました。

今思い出してみると、二つの事を同時に考えている自分がいる、という事を
さらに冷静に見ている第三の自分・・・のようなものがいたような気もします。


少年に追っかけられる形となって、公園の草むらに飛び込んだ子猫の姿を
確認しながら電話に出ていた私は、すぐに電話を切って
子猫が入ったと思われる草むらに向かいました。

時間にすれば、ほんの2、3分間の出来事だったでしょう。

その後、何度もこの公園内やご近所を探しましたが、
結局、今日に至るまで、あの子猫の姿を発見する事は出来ませんでした。










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最終更新日  2007年11月06日 22時57分50秒
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