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え~、随分とご無沙汰いたしてしまいまして…。年が明けたと思ったら、もう4月でございますか…。時の流れとは、ザンコクなものでございますね…。いえ、この間にもそれがし、イロイロなことがございまして、幻の“岩まん”なるものを求めて岩国へ行ったり、伊勢茶ですとか高瀬茶ですとか、宇治や静岡とはまた違ったお茶処のお茶をいただいたりと、イロイロあったのでございますが…すっかりご無沙汰いたしてしまいました一番の要因は、やっぱりアレでございましょうか。。。ジツは、300年ぶりくらいにえうろっぷへ参ります計画が現在進行中でございまして、身にならないものは買わない!をモットーに、只今あちらのチョコレート屋さんにマカロン屋さん、パン屋さん、お食事処を鋭意物色中でございまして、こんな生活がもう三か月も続いているわけでございまして…楽しゅうございます(笑)とはいえ、本日は是非ともご紹介させていただきたいお菓子がございまして、ちょ~お久しぶりの更新でございます。日々の怠慢は…おゆるしくだされ…。こちらが、お土産にいただきましたる宇治駿河屋の茶の香餅。抹茶風味のきなこ餅でございまして、そのお餅と言いますのがまた絶品でございます。たいそうやらかいのですが、道明寺のさらに細かいようなのんが入っておりまして舌を刺激するのでございます。甘すぎませんので、もう、そりゃ次々にパクパクと、油断いたしておりましたらつい、五つ六つと手をのばしている自分に気がつくのでございますよ…。本当に結構なものをいただきまして、まことにありがとう存じます。。。
2008/04/01
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ムカシはフォートナム&メイソンのお紅茶も、輸入食材店でフツ―にお安く買えたものでございますが、いつの間にか正規のショップのみの販売ということになりまして、ロイヤルブレンド250g1680円という時代を知っているモノには、とてもやってられないことでございます。ことでございますが・・・その時代を知っておりますと、「やっぱり朝は、緑の缶のアッサムぢゃないと始まらない!」ということを仰る方がおられまして…。しかし、そういうお店ではちょっと…という気が致しまして、つい、個人輸入を代行してくださるお店に注文してしまうわけでございます。F&Mが、海外にも通販してくれれば問題はないのですが…と、代行手数料もバカにならないと、恨めしく思いながらもそれでも若干デパート等で求めますよりはお安くなりますので…。それとは別に、日本ではどうやらお取扱いがないらしい商品も注文することができまして、今回、このRussian Caravan £4.25なるお茶を注文してみました。なんでも、2005年くらいからあちらで人気のお茶なのだそうでございます。缶に貼られたご紹介を見てみますと…。キーマンとウーロンのブレンドで、ツァリーに紅茶をもたらしたムカシの交易ルートを思い出す紅茶。軽く、あたかも木の実のような風味と独特の個性は、世界の交差点であるロシア帝国のユニークな立場と、本当に上質な紅茶を求める統治者たちの情熱とを思い起こさせます。と、このようなことが書かれてございます。…という気がするのでございますが、ナニせアルファベットという記号が並んでおりますので、本当にそう書いてあるかどうかは、はて?で、お正月早々にいただいてみたのでございますが・・・。ナンでございますね、木の実の香りというよりは、枯れ木の香りと申しますか…。それがし、アッサム等のまったりとした紅茶が好みなせいか、キーマンという紅茶の何処に英国貴族を虜にしたような魅力があるのか、今一つ分からないのですが、若しかしたら、それがしの知らないステキな祁門紅茶の世界があるのではないかと思ってはいるのですが…。ウーロンは、素性はまったく分かりませんが、しっかりめに発酵した火焙の効いたものを使用している感がございまして、ありていに申しますと、安物の鉄観音(青くないヤツ)のようなカンジ?後口にけっこう酸味が残る気がいたします。しかし、これが甘みに移行しないところが、安物と言ってしまう所以でございますが…。香りはスモーキーさが際立って、蜜の香りも花の香りも分かりにくぅございます。皇帝陛下、中国茶の実力はこんなものではございませんでございますよ…。素直な感想はこんなところでしょうか…。しかし、若しかしたらそれがしの淹れ方がよろしくないのかもしれませんので、美味しく頂ける淹れ方をちょっと探してみようかと思っております。なにせ、125gいただいてしまわないといけませんから…。しかし、よく考えてみましたら、日本でいただくお煎茶だの玉露だのと、ガンパウダーのお味を比べるというのも、なんともまぁ、乱暴な話でございまして、普段いただいている中国茶と、このいわゆる“お紅茶”を押し並べて比較するといいますのも、ムチャクチャといえばそうでございますねぇ…。そうそう、そういえば、F&Mの缶がかってのあの緑色から変わっていたのでございますよ。フォションもなにやら変わっておりましたし…知らない間に世間は変わっていっているのでございますねぇ…。
2008/01/09
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「年の瀬もすっかりドンづまりでもう後がなくなってしまいましたが、今年最後のお茶は、それがし、一番好きなお茶で締めくくらせていただきたいと存じます。」「ということは、梅占ですね。」「はい。このお茶、寒舎へ参りました折ございましたら求めてまいろうと思っていたのでございますが、どうやら一般には販売していらっしゃらないようでございまして、ついぞお目にかかることは出来ませんでした。」「木柵でも珍しい鉄観音は台湾福茶さん頼み、ということで。。。」「しかしまぁ、このお茶ときましたら、お茶を茶海に注ぎ始めた瞬間から、もうすでに出来上がりそうな香りが立ち上って、うっとりでございますね。」「梅占の品種香、というものですね。さっぱりとしたボディにトーンの高い瑞々しい果実香、しかも3煎4煎目になっても香り・味ともに衰えない、実に良いお茶です。」「ナンでございますね、木柵では外から鉄観音種を分けて欲しいとやって来た茶農さんに、この梅占の苗を渡して“これが鉄観音だ!”とたばかっていたそうで、鉄観音種に比べると値段が上がらないという理由で無碍にされてきたということが、茶仙さまの『台湾茶』に書いてございましたが、非常にいただきやすいですし、また華のあるお茶なのですから、もっとメジャーになってもよさそうな気がいたしますが・・・。」「安渓辺りでも梅占の名前は耳にしますが、やはり扱いは低いようですね。」「梅占、こんなに美味しいお茶なのですよ~!と、声を大にして言いたいところですが、そういたしますと、木柵でも生産量が少ないお茶ですから、それがしのところまで回ってこなくなっては大変ですし、やっぱり知る人ぞ知る…のままにしておいた方が良いのでしょうか・・・。」「このお茶の美味しさは、単に梅占という品種の問題だけではなく、張福欽さんの製茶技術に拠るところも大きいのではないかと思いますよ。今年の春茶などは、天候不良のせいかなかなか良いお茶に巡り合えませんでしたが、そんな中でも張さんのお茶は実にバランスよくまとまっていて、ちょっと感動したものです。」「左様でございましたね。今年は天候不良と申しますか、何時まで経っても春が来ないし、秋が来ないまま冬になったと思ったら、その冬もなにやらおかしい…と思っておりましたら、この押し迫ってからの荒れようと、お天気が全てを象徴しているかのような一年でございました…。」「しかし、このお茶は、お菓子に実に良く合いますね。さすがに6煎目ともなると、ちょっと香りに力がなくなって来たように思いますが、甘いものと一緒にいただくと、香りが倍増して戻って来るような気がしますよ。」「おお、まさしく!いや、このお茶にはあれやこれやでイロイロと驚かされましてございます。9煎目までいただいたところで、そろそろ茶底を拝見してみましょう。」「そうですね。おしゃべりも長くなりましたし…。」「桃の葉のようだと言われる梅占の葉でございますが、さすがに大きくて長うございますね。」「鉄観音よりも茶葉が柔らかくて薄いようですが、仏手ほどではないような。」「お茶壺の中だとまだ一芯二葉を保っているのですが、こう、広げようと致しますと、ポロポロと葉が外れてしまいます。」「いや、美味しいお茶でした。」「はい。さて、来年はどんなお茶がいただけるのでしょうねぇ。」「順天で良いお茶が沢山出来ると良いのですが・・・。徳のある人物がちゃんと“まつりごと”しないことには、天変地異も世の中治まらず、美味しいお茶もいただけませんから…。」「左様でございますねぇ。来年は、世界中で皆楽しく美味しいお茶がいただける年になってくれるといいですねぇ…。」
2007/12/31
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昨日届きました木柵鉄観音の冬茶があまりによろしゅうございましたので、その余韻にどっぷり浸っておりましたところ、そういえば、昨年の冬茶がまだあったことを思い出しました。昨年のお茶は、バランスよくまとまっていて、観音韻もくっきりと現れておりましたが、ややサッパリと申しますか、4煎目以降がちょっとキツくなるようなカンジでございまして、ありていに申しましたらインパクトに欠けるようなカンジと申しましょうか…。ある意味、非常に冬茶らしいお味ではあったかと、斯様に思うわけでございますが(笑)その冬茶で、お茶漬けでございます。ふふふ、好いお茶が届きましたので、太っ腹でございますよ♪それがし、この鉄観音でお茶漬けが大好物でございまして、この場合鉄観音は、しっかりと火焙が施されていなければなりません。青い茶葉ですと、力なくその他の素材に負けてしまいます。あくまで、ご飯や他の具材と拮抗し、さらに一歩香りでトーン!と抜け出るような、そんなお茶でお茶漬けいたしまして初めて、敢えて鉄観音でお茶漬けをいただく意義があろうというものでございます。まず最初は、あっさりと。この上に載っておりますお漬物、京野菜なのでございますが、ちょっと特別なお漬物でございまして、白川べりにございますとある鳥鍋屋さんの自家製でございます。化学調味料の類の一切入っていない、実に塩と野菜のお味の生きたお漬物でございます。まぁ、京都には大きいところから小さいところまで、お漬物屋さんは数多ございますが、アミノ酸とか入っておりませんお漬物というのがあるんでございましょうかねぇ…というくらいに、お商売のお漬物屋さんの調味液の中には、その類のものが入っているのでございますが、お茶を味わうお茶漬けには、やはり塩only!のお漬物がふさわしいように思うのでございます、ハイ。次はオトナのふりかけ錦松梅をたっぷり添えて。鰹節ベースで胡麻・木耳・松の実など実に個性的な具が入った錦松梅でございますが、それに負けない鉄観音で、美味しさ倍増でございます!とにかく、焙じ茶のような香ばしさの後で展開する濃密な果実香が、恍惚のお茶漬け世界へと、それがしを誘うのでございますよ。ハイ、二杯もいただいて、今日も食べすぎでございますが、これでも三杯目をぐっと我慢するのに、どれほど精神力を要しましたことか…。次は、山椒ちりめんでも試してみましょう♪
2007/12/29
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「玄公子、台湾福茶さんから、今年の冬茶が届きましてございますよ。」「張福欽さんの鉄観音ですね。」「今年は、こちらは殆ど雨がございませんでしたが、台湾はどうだったのでしょうねぇ。お茶の出来は如何でしょう…。」「毎度のことですが、新しいお茶が出来る季節というのは、こう、なにか心がそわそわと落ち着かないものですね。」「左様でございますね。それがし、春茶よりも冬茶の淡白な味わいにトーンの高い香りが乗っているのが好きでございまして、特に冬茶を最初にいただきます時はドキドキいたします。」「それでは、早速…。」「はい、ドキドキ…。」「キュッとよく揉み込まれて、可愛らしい茶葉でございますね。」「火焙もしっかりしていて、香もいい。」「香りは…そこそこでございましょうか…。ん? んんん???」「おや、このお茶は、非常に味が濃い!」「はい、にもかかわらず、嫌味がないのです。呑み込んだ後に残る酸味が実にくっきりとしていて、それがまた、見事な余韻を醸し出しますねぇ。」「鼻で味わう香りはそうでもありませんが、喉で味わう香りが実にいい。非常に透明感の高いお茶ですが、実にボディがしっかりとしていて、これは、パンチの効いたお茶ですねぇ」「さらに凄いのは、その味が2煎目・3煎目でも衰えることなく持続するところでしょう。いや、まいりました。比賽茶のような繊細さはありませんが、これもまたいいお茶でございます。」「5煎目のお茶を、“やっぱり、このお茶は美味しい!”と言って飲めるお茶というのも、最近はほとんどなくなって来ましたからね。このようなお茶は貴重ですよ。」「はい、それがしもそう思います。」「しっかり揉み込まれ、火焙されたいかにも鉄観音、といったゴワゴワの茶葉ですね。」「はい。この珍しく一芯二葉の形状を留めている茶底、いかにも手でちぎりました、という風情でございますね。それがし、このところ手摘みだという掛川茶やダージリンをいただいたのですが、どちらも茶葉が裁断されておりまして、どの辺りで手摘みを見分けたらよいやら…でございましたが、これなどは分かりやすくてようございますね。」「で、冬茶の比賽結果はどのようになったのでしょうね。白椿どのは、近々また寒舎へ赴く予定はないのですか?」「それは…行きたいのはヤマヤマでございますが…。行けましょうか…。なにせ、航空券代はマイレージで何とかなるにしても、燃料代というのが恐ろしくかかるご時世になってしまいましたので…。」
2007/12/28
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え~、それがしが住いいたしておりますところ、これを白椿居というのでございますが、この白椿居は広大?な花園の中にございまして、そこにはこれまた茫漠たるサルガッソーがあちこちにございまして、そこはまさに、あらゆるいただきモノや大事にし過ぎてワケが分からなくなったものの墓場でございまして…。先日もそれがし、そこからとある有名料亭の山椒ちりめんを発掘したのでございますが、賞味期限が2006年8月…はて?とまぁ、このようなところなのでございますが、そこには当然、お茶も葬り去られてございまして…。で、本日は、“新茶”と書かれました川根茶を発掘いたしました。壺切り茶も見かけなくなってから新茶とは、これ如何に…ではございますが、とりあえずいただいてみることといたしましょう。そのお茶は、高田農園のお茶だそうでございますが、京都の有名処以外はトンと勝手が分からないそれがし、早速ネットで高田農園を調べてみましたところ、平成19年度川根本町茶品評会で優等を受賞という記事に辿り着きました。代表者のお名前が違うのですが、そのあたりに高田農園というのは一ヶ所しかございませんようで、そこかな~と思うのですが、やはり静岡のお茶事情はよく分かりません。ので、百聞不如一飲で、早速いただいてみることにいたしましょう。茶葉は、先日いただきました愛国製茶の掛川手摘みのものよりも、京都の玉露に近いカンジで、針のように長く仕上げられております。お茶缶には“新茶”としか書いてございませんでしたので、とりあえずお急須・御湯呑と順繰りにお湯を回して温度を下げ、多い目の茶葉で約2分ほど蒸らしていただきました。茶葉が細かく寸断されておりませんので、濁りのないお茶に入りましてございます。お味は、まず甘味がかなり強く出ておりまして、そのあとでじ~んと渋みが残ります。それを包み込む旨味もしっかりとあって、なかなか美味しいお茶でございます。好み的には、この渋みがこれほど強くない方が好きなのではございますが、これはこれで、3つの味がそれぞれにかなり強い目の自己主張を持っておりまして、それゆえにバランスのとれたお茶と申せましょう。いや、今日は良いものを拾いました。これからも、ちょくちょく花園サルがッソーを点検してみなければ。
2007/12/27
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日本全国津々浦々、その土地土地の名産品を使ったおまんじゅうやソフトクリーム、おセンべの類があるものでございますが、意外性の割にお味が伴っていないものが多いと、それがし感じているしだいでございますが、本日ご紹介いたします田村菓子舗の“うにまんじゅう”は、意外や意外、明らかにキワモノ的取り合わせであるにもかかわらず、ちょっと病み付きになりそうな美味しさでございます…。↑のかわいらしい?パッケージで3個入り320円でございます。中は個別の真空包装になっておりまして、それなりに日持ちもいたします。包みをとったら、ごくありきたりのおまんぢうでございますが・・・。割ってみますと、テボ餡の中に、運が良ければウニの粒々(直径0.8mm前後)を見つけることが出来ます。しかしその確率は…かなり低いかもしれません。しかししかし、一口いただきますと、塩ウニのあの独特の香りがふっと鼻腔の奥の方をくすぐりまして、なんとも印象的な、塩味の良く効いたさほど甘くもない餡子が舌の上にほろりとほどけるのでございます。いや、“うにまん”や“うにソフト”は門司のほうにもございますが、今一ついただいてみる勇気が出ませず、どのようなものかちょっと測りかねるのでございますが、この“うにまんぢゅう”は、それがし、ちょっとオドロキの美味しさでございました。え~、お店の回し者ではございませんが、通販もあるようでございますよ(笑)
2007/12/21
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モーニングと言うからには、朝いただくのにいいお茶なんでしょうねぇ…。ということで、いただいてみました。インド茶とスリランカ茶のブレンドということですが、一番目立っておりますのはセイロンでございます。そのセイロン、香のトーンが非常に高く、普通の喫茶店で紅茶を注文いたしました時に出て来る、あの曖昧な香りと蜜ろうの雰囲気漂うなんともちょっと…なセイロンとは違いまして、もっとこう、香りが澄んでおりまして…若しかしたら、若干ダージリンも入っているのかも・・・。その下で、香りをどっしりと支えておりますのがアッサムの濃密な味わいでございます。ハニーフレーバーが見事に花開いております。これはなかなか、いいお茶ではございませんか・・・。いや、それがし、今回ちょっとフォションの実力を見直しましてございます。人工的な香りのついたお茶がそれがし好みではございませんで、フォションもアップルティ―のイメージで敬遠していたのでございますが、このモーニングに使われております茶葉は、それぞれが非常に高いクォリティーを有しているように思われます。ジツを申しますと、ブレンドということにつきましても、あまりいいイメージを持っておりませんで、ブレンドティーを格下に見ていたのでございます。が、これはなかなか、面白いですよ。それぞれがちゃんと自己主張の出来る茶葉を使用していますので、それぞれ個性が引き立って、それとは別の要素もあいまって、単独の茶葉では味わえないまた別の楽しみが生まれております。もしかすると、お茶をブレンドするということは、昔で言うところの香合せにも通じるものがあるかもしれません。。。いや、お紅茶の世界もなかなか奥が深い…。しかし、それがし、お茶のことを一番よく知っているのは、やっぱりまだ中国であろうと思っているのでございますが…(笑)
2007/12/20
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年の瀬も押し迫って参りますと、辻褄を合せるように寒くなって参りまして、このような日は、体の温まるものがいただきたいものでございます。ということで、本日は甘酒をいただくことにいたしましょう。この甘酒、それがしの…ひいおばあさまが甘酒造りの名手だったのだそうでございまして、お味噌を仕込みます時に作ります米麹、これにお粥さんを炊きまして、混ぜ混ぜいたしましたものを、温度を一定に保つために周りを布でぐるぐるに巻きまして、おコタの中に入れて置いたりするのだそうでございます。そう致しますと、甘みが出て参りまして甘酒になるのだそうで…。温度が熱すぎても冷たすぎてもダメなんだそうでございます…。ムカシはこのように、どのご家庭でも米麹を使って甘酒を作っていたのでございましょうねぇ…。それがしなどは、イマどきのワカモノでございますから、おウチでお味噌を仕込んでいたこと自体が忘却の彼方…いえいえ、未体験ゾーンでございます。ということで、昔を懐かしみつつ本日それがしがいただきましたのは、宇和ヤマミ醤油製の甘酒のモト、こちらでございます↓。お値段は、どんぶり館で求めまして330円。原材料は米・米こうじだけということですから、お砂糖などが加えられていない自然の甘さということでございましょう。これを2~3倍に薄めて、温めていただくのですが、ほんのすこうし、塩を加えますと、甘みが引き立ちます。お好みで生姜をいれるのもよろしいかと…。昔ながらの素朴な味わいでございますが、どうしてどうして、なかなかにしっかり結構な甘みが楽しめまして、よいものでございます。生姜効果か、体もポカポカと温まって参りますし。…このポカポカは、まさか酔っているワケではございませんよねぇ…。このように米と米麹だけの甘酒と言いますのは、最近あまりお目にかからなくなってしまいました。酒粕と甘酒をカンチガイされていらっしゃるかたも多いようでございますしね。この宇和ヤマミ醤油さんには、もう一種類赤米で作られました甘酒もございまして、今度はそちらも試してみることといたしましょう。宇和ヤマミ醤油(有)愛媛県西予市宇和町卯之町3丁目179-2TEL・FAX 0894-62-0167
2007/12/19
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お歳暮の季節は、思いがけず自分ではゼッタイに(笑)買わないお茶をいただいたりいたしまして、イロイロと楽しゅうございますね。それがし、お紅茶はフォートナム&メイソン派でございまして、時々エディアールでございます。フォションは昔からいま一つ…、ナンと申しますか…、アップルティなどいただきましても、どうもしっくりきませんで、ハナモチならない軽佻浮薄なフランス貴族(イメージ)みたいな香りがするようで、苦手でございます。おマチにおりました頃も、クロワッサンだのバケットだのはちょくちょく求めに参ったのですが、お茶は自ら求めて買ったことがございませんで…。パリに参りました折も、エディアールには是が非でも!で参りまして、イロイロお紅茶を求めて参りましたが、フォションはのぞきもしなかったと、このようなカンジでございまして。。。とはいえ、ダージリンとそのアップルティくらいしか過去にいただいた記憶がないのでございますが…。ということで、思わず降って参りましたこのアールグレイ、いったいどのようなお茶なのでしょう…(ワクワク)紅茶の原産国は“中国”だそうでございます。ネットなどでフォションのアールグレイを検索いたしますと、他所の茶葉もブレンドされているようなことが書かれておりますが、これは“中国”と断言されておりました。もう一つ詰め合わされていたモーニングがインド・スリランカと表示されておりましたので、分量の多い方を一国だけ表示する、という法則があるわけでもないようでございます。香りは…やっぱりいかにも“おふらぁ~んす”なのでございますが、ほのかにけっこうな甘味があることにちょっと驚きました。ミルクを入れてしまいますと、ちょっと分かりにくいのですが、これは…茶葉の持っているお味なんでしょうか、それとも香料のカンケイなんでしょうか…。お紅茶は沸騰したお湯で…というのが通念でございましょうが、今日は95℃くらいで淹れました。すこ~し温度を下げた方が、茶葉の味がよく引き出されるような気がするのでございます。しかし、あれでございますね。このお茶をいただきながらタルトなんぞいただきますと、それだけではあんまし美味しくないお菓子が美味しいような気がして参るものでございますね。お茶としてその作用は、たいそう重要なのではないでしょうか…。
2007/12/14
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お食事をいただいた後に焙じ茶をいただきますと、なにやら口の中がさっぱりいたしまして、不思議とお腹の中も落ち着いたような気分になるものでございますが、それがし、時々この焙じ茶の代わりに、意翔村の茶仙さまがお作りになった肉桂をインチキに淹れていただきます。ちょっとスモーキーな、濃密な香りがふわっと立ち上がり、華やかで実にエレガントなキブンになれるお茶でございます。本日は、備前のちょっと小ぶりな宝瓶でたっぷりと。5g程の茶葉に沸かしたてのお湯を200cc程注ぎまして、待つこと5分。実に美味しい変わり焙じ茶の完成でございます。このお茶の特徴でもある収斂味が、食後のさっぱり感をますます増長させ、甘やかで華やか、しかもちょっと個性的なオトナの香りが、満たされた食欲を幸せへと昇華してくれるのでございます。2煎目はもう少し長く時間を置いていただきます。これだけ長らく置いて、邪魔になる味がほとんどないというのは、やはりお茶の質でございましょうねぇ…。はい、インチキに淹れても美味しいお茶でございます。
2007/12/12
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先日“手摘み”がどうこうとあれこれ考えておりましたら、本日手摘みのお煎茶をいただきまして、以心伝心とはこのことでございましょうか…(笑)しかしながらそれがし、京都のお茶屋さんでしたら有名どころはたいがい分かるのですが、それ以外となりますとトンと疎うございまして、この愛国製茶なるお茶屋さんがどのようなお茶屋さんであるのか、トンと存じていないのでございますが、いえ、そんな栂ノ尾のお茶以外は…とか、そんなことを言うわけではないのでございますよ。それにしても愛国製茶とは、スゴいお名前でございますね…。創業が昭和8年ということらしゅうございますから、まさしくそのような時代だったのでございますねぇ…と、感慨を深くいたしました次第でございます。で、お煎茶をいただいたのですが、はじめは普通に70℃くらいのお湯を注いで待つこと1分でいただいたのですが、2回目いただこうと言う時に、ふと、ふざけたココロが起こりまして、香港の樂茶軒で教えていただきました“緑茶の淹れ方裏ワザ編”でちょっと試してみようと、しかも、それをちょっと応用?いたしまして、ガラス製スケルトンのトンちゃんで淹れてみたのでございます。はじめにお水で茶葉を十分に湿らせておきます。しかし、茶葉が細かいせいかあっという間に水でプヨプヨになるもんでございますねぇ…。そこへ、やや冷ましたお湯…おそらくは85~90℃くらいだと思うのですが、それを注ぎまして、今日はちゃんと少ない目で淹れておりますでしょ。このトンちゃんで淹れますと、中味が○見えでございます。ホントウに細かく裁断されたお茶の具合ですとか、茶杯にお茶を空ける時の、中に茶水の滞ってる様子とか、なんでもお見通しになりまして、穴のところにお茶が詰まって苦しそうになっております様とか、最後の一滴まであと3ccの様とか、手に取るように分かるのでございますが、そうしましたら思いますのが、このお煎茶というお茶は、穴を穿ったお急須だのお茶壺だのとは、ホントウに相性の悪いお茶でございますね…。いえ、これを上手にお淹れになるのがテクニックなのかもしれませんが…。はい、この淹れ方でも、フツ―に美味しく入りましてございます。今回はちょっとお湯が少なすぎたのか茶葉が多かったのか、やや渋みが勝ったお味になってしまいましたが、ちゃんと甘味も感じられるお茶でございます。水色もなかなかに鮮やかなお色でございますね。しかし…ちょっと茶葉が細かくなりすぎのように感じますのは、それがしの気のせいでしょうか…。それにしましても、このお茶は“手摘み”だそうでございますが、中国茶でしたら機械摘みか手摘みか、茶底を見れば一目瞭然ですが、日本茶の場合はどのあたりに違いが出るものなのでございましょうねぇ…。
2007/12/11
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福寿園ばかりか辻利までがPET詰めのお茶を売り出し、サントリーが緑碧茶園と提携して大紅袍を瓶詰めにするとか、ナニかと話題に事欠かない最近のボトル詰めお茶飲料の世界でございますが、台湾にも“ほ~、そんなこと、しはったん?”みたいなお茶もございまして、これも突き詰めていけば面白いのではないか、と思うのですが、とりあえず今日、大塚ベバレジの天空烏龍茶なるお茶をいただきましたので、その感想など…。しかし、なんでございますね。別に、イチャモンをつけようと言うわけではないのですが、突っ込みどころ満載と申しますか、120円でなかなか楽しめましてございます。温められたものを自動販売機で購入したのですが、まずお味はと申しますと、蓋をあけましてまず、これは、四季春?というカンジで、花の香りがいたします。それに日本のPET緑茶をちょっと薄めたカンジのお味が付いてくる、というカンジでしょうか。それがし、常々軽発酵の高山茶は日本の緑茶と相通じるところがあると思っておりますので、お味的にはそれほど違和感があるわけではないのですが…。この、最後の一滴までお茶のエキスを抽出しています!みたいなエグ味、日本茶のPET飲料にもありますけど、これはどうにかならないものでしょうかねぇ…。しかし、なんでございますね。このお茶は、台湾は南投県竹山鎮の杉林渓と、ベトナムの避暑地ダラット近郊で生産された高山手摘茶葉を使用しているそうでございます。普通高山茶を名乗りますのは標高1000メートル以上だそうですから、随分と高いところで採れる茶葉を使用したんですねぇ…ということになるのですが、手摘みって…PET飲料のお茶にするのに、わざわざ手摘みのお茶を使う必要があるのでしょうかと、それがし、思ってしまいます…。原材料を見てみますと、茶葉は四季春・杉林渓となっておりまして、杉林渓は茶葉の品種名ではなく産地の名前なのですが、これは、どのように解釈できるのでしょうか…。ベトナムで作っているのが四季春で、杉林渓は別の品種なのでしょうか…。にしても、この四季春といいますのは、木柵の茶農「大頭輝」の茶園で20年くらい前に発見された新品種で、武夷種に青心烏龍だが青心大有だかが掛け合わさって出来た交雑種なのだそうですが、李彩云さんというかたが四季春という名前を付けて売り出したのだそうで、春夏秋冬そのうえに市場にお茶が少なくなる早春晩冬にも収穫可能で、とにかく年6回も収穫できるという、実に生産性のいいお茶ということでございます(発現台湾系列図文巻2『台湾茶』 陳煥堂・林世〓著 2001年より)。その、ジツに大量生産向きのお茶を、いちいち手摘みなんてしてたら、折角の生産性が損なわれるぢゃ~ありませんかと、余計なお世話ではございますが、にしても、PET飲料のお茶なんて、所詮茶底を見せるわけではありませんし、茶葉の切り口から溶け出てくる雑味を気にするような、そんな繊細な淹れ方で淹れられたお茶とも思えませんし、手摘みにこだわる必要はないのではないでしょうか…。と、このように思ってしまうワケですが、核心は、ホントに手摘み?ということでございますが(笑)いえ、それがし、杉林渓にもダラットにも行ったことがないのですけれども、まさか、機械もナニも入らないほどの悪路のため、止むをえず人の手に頼らざるを得ないという、そういうところなのでしょうか…。いやいや、それがしも、まだまだ知らないことが多くて困ってしまいますが、今日はこのボトル入りのお茶からイロイロと妄想が広がって行って、楽しゅうございました。
2007/12/09
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お茶の量に合わせてお湯の量を加減することが出来ないそれがし、秘策を思いつきました…ふふふ。我が家で一番小さい蓋椀が、2人で玉露をいただくのにちょうど良いくらいの大きさでございますよ。ということで、早速淹れてみましたところ、それはそれは甘い、甘露なお茶になりましてね。しかしながら、不満な点が一つございます。寒い季節ですから、いくら茶器を温めておいても、容量が小さいということは、それだけお湯が冷めるのも早いということでして、お茶が口に入る頃にはけっこうかなり冷えてしまっているのでございます…。玉露はだいたい50度位のお湯を注いで約2分半置いておきますから、それでなくとも口に入る温度は人肌くらいなものでございますが、寒い夜などにいただきますと、あっという間に冷たくなってしまっているのでございます…。ということで、この欠点を克服すべく、我が家で一番小さなお茶壺である梨花さんにお茶を淹れていただくことにいたしました。梨花さんは、“中国宜興”の落款がある、いわゆる初期壺というおヒトなのですが、磁器の方が保温効果が高いので、比較的よろしいかと、斯様に考えたのでございますが…。「わたしはどうにも、この茶葉を切ってある日本のお茶が苦手ですわ…。」「そうですねぇ…。あなたのお口だと、ティーストレーナーを使わないと、お茶の切れっぱしがダダ漏れに…。」「そんな、ダダ漏れだなんて…。」「いや、失礼、失礼。しかし、このティーストレーナーを使いますと、それでまたお湯の温度が冷めてしまうような気がいたしますねぇ…。」梨花さんはお口が単孔でして、そのあたりがちょっと、お茶を選んでしまうのでございます。。。
2007/12/08
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先日、日本茶にまでムニャムニャがまわらないということをちょっとグチりましたら、有難いことにお歳暮で福寿園の茶百芸シリーズの玉露と煎茶をいただきまして、なんとも嬉しいことでございます。ちょっと俗なハナシではございますが、頂いたお歳暮のお値段というのは、お付き合いの都合もございますし、気になるところでございますが・・・箱にちゃんと書いてございますは、ご存知でいらっしゃいますか?赤丸の中の数字がそのお値段でして、これですと5000円、ということでございます。もっとも、消費税と場合によっては送料が別途かかりますが…。では、早速いただいてみましょう。せっかくですから、ここは玉露でございますね、やっぱり。艶やかな美しい緑でございますね。では早速…。と申しましても、どうもそれがし、お茶を入れる際に人数に合わせるのではなく、お急須の大きさに合わせてお湯を入れてしまうクセがございまして…。茶葉はきっかり人数分だったりいたしますので、つい、玉露なのだが煎茶なのだか何が何やら分からないお茶になってしまうのでございます…。本日も、気がつきましたらこのアリサマ…。ナンでも、玉露は1人分3gに20ccのお湯だそうでございますが、つい、何時ものクセで100cc位注いでしまいます…。故に、上等な煎茶の様な玉露になってしまったのではありますが、まったりとした甘みとしっかりとした味わいがあって、ちゃんと淹れたら美味しいお茶であることを思わせます。…明日は、その積りで玉露を淹れてみたいと存じます…。
2007/12/06
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はぁ…。ナンと申しましょうか、世の中、なかなかうまくいかないものでございますね…。せっかく良いお茶を手に入れたと申しますのに、それがしの手芸が拙いばっかりに…。と、嘆いておりましてもセンないことでございますので、分かりやすくインチキで淹れてみることにいたしました。いえ、インチキと申しましても、おっきなお急須で、お茶葉を少ない目にして抽出時間を5分ほどとって、たっぷりと淹れるのでございますが、この淹れ方は、別の言い方をすると、コンテストの時の淹れ方をちょっとアレンジと申しますか、お茶葉の実力がストレートに良く分かる淹れ方なのでございますよ。で、まぁ、そのように淹れたワケでございますが、驚いたことが2つございます。このお茶、甘いのです…。鉄観音の甘みというのは、まず最初に酸味が来て、それが空気に触れて甘みに変わるものだと思っていたのですが、このお茶は最初っから甘いのです!なんということでしょう…。それと、もう一つは、口当たりが非常に滑らかと申しますか、肌理が細かいと申しますか、絹の味と申しますか、とにかく、味の要素の一つ一つが、こまか~い粒子となって、得も言われぬ複雑な、繊細な味わいを醸し出しているのです。とにかく、雑味がない!ナンと申しますか、強烈なパンチが効いておるわけではないのですが、一層高みにいてやわらかな金色の光を纏っているような…というカンジでしょうか…。やはり、間違いなく別格のお茶でございます…。「ねぇ白椿さま、そのお歳暮ギフト、ナニを申し込むおつもり?」「それはですね…。最近、中国茶道楽が過ぎて、日本茶やお紅茶までムニャムニャが回りませんので、一保堂のお茶か、マリアージュ・フルールのお紅茶詰め合わせなぞ頼んでみようかと思っているのですが・・・。」「アタシ、このクィーン・アリスの特製フルーツケーキいただいてみたいわ!生地にクレーム・パティシエールとか入ってるのよ♪」「でも玲花さん、この金華豚のシャブ肉というの、気になりませんか?ハムならともかく生の金華豚なんて、それがしいただいたことがございませんよ。」「えぇ~っ、それぢゃ~おやつの時間にいただけないもの~。却下!」「がっくし…。」
2007/12/04
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「…今日も、あまり、よろしくございませんね。」「そのようですね。」「それがし、鉄観音がこれほど難しいとは、思っておりませんでした。」「確かに…。」「鉄観音ですよ! 温めた茶器に沸かしたてのお湯をとぽとぽと注げば、それだけで美味しいお茶になると信じておりましたのに…。」「香りが出てませんからねぇ…。」「アルカリイオン水がいけないのかと、ただの浄水を使ってみましても根本的なところは変わりませんし…。」「後から感じる香りや口の中の滑らか感からして、もっと表に立つ香りがあってよいと思うのですが…。」「実はそれがし、寒舎で三等獎のお茶をいただきました時も、一回目あら?こんなもの?と思ったのでございますよ。で、そのお茶を四煎目くらいまでいただいた後で一旦茶葉を替えましてね、そうしましたら、その時のお茶は一回目のお茶とはベツモノ!でございまして、いえ、どちらも同じ筒に入ったお茶だったのでございますが、まさに香りが全然違ったのですよ。今のお茶は、まさにその時の一回目なカンジなのでございますが、あの時も一回目と二回目、特に淹れ方に違いがあったとは思えないのですが…。」「悩ましいことです。」「次はいっそ、比賽方式で淹れてみましょうか…。」「そうですねぇ。とにかく、なんとかしないことには、このままではお茶が気の毒ですからねぇ…。」「ところで、日本人の感性…と申しますか、茶道のお約束から致しますと、御道具の木目は自分と平行になるように、というのがお約束なのでございますが、竹茶盤は垂直になるように置くものなのでしょうか…。」「さぁ…。」「こうやって呟いておきましたら、どなたかご親切な方が教えてくださるでしょうか。どうぞ、よろしくご教示ください。」
2007/12/04
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ナニやら、えらくデトックス効果のあるお茶の話を伺いまして…。とあるデザイナーさんは、100キロからの巨漢だったのですが、特製デトックスティを数か月飲み続けた結果、50キロの減量に成功したとか…。ナニやら、かなり荒唐無稽な気がしないでもないのですが…。100キロから50キロ引いたら、50キロしか残らないと思うのですが…。しかし、それを教えてくだすったT嬢は、実際に一月ほど飲んで、痩せないけれどもお薬に頼っていらしたムニャムニャが、たいそう快調でいらっしゃるとか…。ということで、それがしもそのレシピを教えていただいたのですが、分量はきれいさっぱり失念致しまして、覚えているのはミント・おろし生姜・レモン・オリゴ糖と、これだけでございます。早速それがしも…と思ったのですが、我が家を見渡しまして、ミントはアップルミントが茂みを作っておりまして、とりあえずそれで代用することといたしまして、レモンバームもしっかりと出来ておりますからこれも足してみましょう。生姜は、先日朝市で求めたものがありますし、レモンは…レモンはないようですね。おや? こんなところに黄色くなったカンブスさんがいらっしゃるではありませんか!これで、揃いましたね。オリゴ糖は、買いに行かないことには、まずうちの中にはないものなので、入れなくてもいいでしょう。甘いハーブティというのも、あまり好みではございませんし、それに、かのデザイナーさんは、お腹の調子を整えるオリゴ糖は特に入れておられなかったというハナシですし…。で、すべての材料をポットに入れて、お湯を注ぎましたのがこちら。すべてがテキトーで、材料にもかなりアレンジが加わりましたが、なかなか美味しくいただけました。フレッシュハーブティにおろし生姜を入れるのは、ちょっと思いつきませんでしたので、お味のレパートリーが一つ広がったような気がいたします。で、気になるデトックス&ダイエット効果ですが、ナンでもこのお茶を一日に1リットルだか飲むのだそうですが、今日はお茶の時間に皆さんと一緒にいただいて、カップに2杯でおしまいでしたので…。いえ、ハーブティとしていただくと、美味しくいただけてよろしいのではないかと存じますよ、ハイ。
2007/11/26
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今年は、一月前まではまだ確実に夏だったと思うのですが…。急に冬が来たようでございまして、それがしが棲んでおります辺りも、山茶花や椿がどっと咲き乱れる季節と相成りました。今朝、お幸ちゃまと仰せになるお犬さまとお散歩をいたしておりましたら、みかん畑の脇の斜面にお茶の木が一株ございまして、ちょうど花が咲いておりますのを見つけました。みかん畑の中のお茶といえば、洞庭山の碧螺春でございますが、昔はこの辺りでも、みかん畑の中にお茶の木がたくさん植えられておりましたが、今ではほとんど見かけなくなってしまいましたねぇ…。で、お茶の花でございますが、めしべの辺り、椿というよりも山茶花に似ておりますが、ぷっくりした花弁は、なにやら梅のようでもあり、いや、しみじみと眺めましたら、なにやら愛らしゅうございます。ということで、なんとなく昔を懐いつつ、今朝は豆子郎をいただきました。山口銘菓に山口外郎というのがございまして、これが外郎とだけ申しますと、名古屋の外郎と商標権だかなんだかの問題が生じてヤヤこしいハナシになるシロモノなのだそうでございますが、あっさりとしてなかなかに美味しいものでございます。ナンでも名古屋の外郎は米粉を使うんだそうでございますが、山口外郎は小麦粉のデンプンなのだそうでございますよ。本来のものはワラビ粉なのだそうでございますが、今このワラビ粉100%の昔製法外郎は、田原屋さんが御遣い物等の予約限定でお作りになっていらっしゃるそうで…。で、それがし、数ある山口外郎のなかでもこの豆子郎が好きでございまして、他の外郎とはちょっと形が違うのでございますが、それにもこの名前にも所以がございますそうな。なんでも、とある何代も続いた外郎屋さんがお店を閉めることになりました折、そこの製法をそっくり引き継いだのがこの豆子郎の初代さんなのだそうでございますが、その時、すべてを教えてくださったお方に義理立てをして“外郎”を名乗らず、“豆子郎”すなわち“トーシロ”と名付けてこれを販売したのだそうでございます。ですから、あえて形も従来のものとは違え、くし型みたいなのにしたのだそうで…。御堀堂の生外郎もよろしいのですが、それがし、この小豆の入った生絹豆子郎がなかなか気に入っておりまして、山口に参りましたら、そのあっさりした甘みとプニョプニョ感に呼ばれて、必ず連れて帰ってしまいます。新幹線口や空港など、交通の要所にお店があるのも、つい、呼ばれてしまう大きな要因には違いありませんが。。。ということで、本日はこの豆子郎でお茶をいただいて…と。ジツは昨日山口から帰って来たのでございますが、生絹豆子郎と申しますのはいわゆる“生”でございまして、真空パックなどにもしていないのでございますが、当然のことながら日持ちがいたしません。しかし、生でしか味わえないそのプニュプニュ感がたまらないワケでございまして、しかも、そのプニュプニュ感は当日の方が勝っているわけでございます。まさに、風味は一刻を争う、だそうでございます。山口へお運びの節は、是非、お帰りの新幹線や飛行機の中で、このプニュプニュ感をお試しなさいませ。名古屋の外郎しかご存知ない方には、ちょっとショーゲキの食感でございます。。。いえ、それがし、山口物産協会の回し者でもナンでもございませんが~(笑)
2007/11/21
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前回台湾へ参りましたのが5月の末でしたから、東方美人は去年のものをちょこっと求めて帰ったのでございますが、今回は今年のものをGETすべく、寒舎の帰りに木柵線を大安で降りて、意翔村茶業へ行くつもりでおりましたところ…つい、ひもじさに負けて忠孝復興まで戻ってしまい、尚且つソコから何故かディープなおタク世界へと流れて行ってしまった為、ついに意翔村茶業へは寄ることが出来ず、とうとう帰国の朝を迎えてしまいました。東方美人は是非とも欲しい。しかし、意翔村まで行くには、ちょっと時間に不安が…。なにせここは、一度入ったら2時間コースでございますから…。ということで、ふっと思い当りましたのが、前回友人某の行きつけということで一緒に参りました林華泰茶行。だいたいの場所を覚えておりましたので、地図で確認すると、ホテルからさほど遠くもございません。問題は営業時間と住所。タクシーに乗るとき、はっきりと住所が言えないと、なかなか困ったことになってしまいますので。ということで、ここはさっそくホテルのおにーさんの出番でございます。レセプションに参りまして、ここに行きたいと告げると、後は何も言わなくてもおにーさんが住所と電話番号を調べ、今開いてますか?と聞いてくださいます。そして、「お客様が参りますのでよろしくお願いいたします。」ということで、後はタクシーの運転手さんに見せる住所メモを作成してくださり、「いってらっしゃいませ」となるわけでございます。今回それがしが宿泊いたしましたのは、林森北路と民族東路の交差点にある欧華酒店というホテルだったのでございますが、お値段の割にクォリティの高い滞在を楽しむことが出来ました。小潘の鳳梨酥も、明福台菜海産の仏跳牆も、予約してください!で予約できてしまうのです。これは…癖になるかも。。。いえ、明福の仏跳牆は、もう二度とないと存じますが…。で、それがし8:30から林華泰茶行へ出かけて行ったワケでございますが、お店の前でタクシーのドアを開けたとたん、お茶を炒る良い香りがいたします。この、お茶を炒る香りというのはナンともいいものでございますね。このお茶屋さんは1883年開業の百年老店でございまして、大門や渋谷の華泰茶荘とは社長さんがイトコ同士なのだそうでございます。と申しましても、ここ重慶北路の店舗兼倉庫兼製茶場のお店は、華泰茶荘のような高級感あふれる造りではございませんで、大きな筒状のお茶缶がズラリと並べられ、蓋の上にお茶の名前と1斤当りのお値段が大書されておりまして、そこから好みのお茶を選ぶわけでございます。今回は東方美人が目当てでございましたので、その旨を申しますと、直様奥の小部屋へと連れて行っていただきました。大きなお部屋にはかなりリーズナブルなものもイロイロと揃っておりますが、こちらのお部屋は1000元くらいからのお茶で占められております。東方美人は3種類、1000元、1600元、2400元とございまして、1000元のものから開けて見せてくださったのですが、これはちょっと茶葉が大きいな~という印象でございました。1600元になりますと、少々細かくなり、また白いモノも多くなって参ります。最後に2400元の缶を開けていただいたワケですが、コレを見たらやっぱりコレでございます。自分用に半斤、お土産に1/4斤(2両)入れていただきまして、さて、と見渡しましたら、そこにはやっぱり2400元の文山包種が。。。それも2両入れてください、で終わるかと思いましたところ、またまた目に入った4000元の高山烏龍。それがし、はっきり言ってこの高山系のお茶はちょっと苦手なのでございますが、この時つい、魔が差したと申しますか、このくらいのお茶だったら、いつもナンだかモノ足りないような気がする、いわゆる「高山気」というのが感じられるのではないかと思ったような気がすると申しましょうか、なんてことない、タダの衝動買いと申しますか…。それもまたまた2両と、つい、うっかり口を滑らせてしまいました。。。昨日の1斤6000元で、完全におかしくなっていたと言えなくもないかもしれません。しかし、華泰茶荘のお茶の値段を知っていれば、つい、「あっら~!お得!」と思わないでもないというキモチも、御理解いただけるのではないかと…。ということで、こちらの販売はすべて簡易包装で、単位も1/4斤150gからでございます。ふと思いますに、ここは安いものから順番にお茶を見せてくださるのですが、2回が2回とも買い手が望まなければ、それ以上高いお茶の蓋は取りません。それはやはり、その値段・値段に応じた品質に対する自信の表れのようにも思いますし、また、その経営方針が決して儲け至上主義ではないことを示しているようで、好感が持てる次第でございます。お茶とのお付き合いの仕方は、人それぞれでございますから、毎日気軽にいただけるお茶から、ちょっとどうかと思うような道楽のお茶まで、選択肢が多いということは、いいことではないでしょうか。お茶を計っていただいております間、ちょうど秋茶を作っているので見学しないかと仰っていただきました。中庭を通ってその奥へ参りますと、それだけで酔ってしまえそうなくらいの香りと、未だかって見たことがない大量の茶葉。ナンともノスタルジックな感慨を催す作業風景でございます。…ちょっと、ノスタルジックの用法が正しくないような気がいたしますが…。高級茶は春と冬だけでございますが、こう、ナンでございますね、目の前で出来たてのお茶というのもいただいてみたい衝動に駆られるものでございますが、残念ながら、ここは試飲は出来ないのでございます。ちぇ…。いやいや、ナンと申しましても本日帰国でございます。空港までのタクシー代を残すばかりに現金を使い果たし、おまけに一緒に参りました友人に借金まで致しまして、合計3400元のお買い物でございました。とほほ…。これが今回分のお買物5800元/6400元でございます。お土産の東方美人が入ってないのでございますが、寒舎でいただいたオマケの東方美人付でございます。満たされたココロにポッカリと開いた、大出血大放出の痛みは、中庭に降り注ぐ朝の光と亜熱帯植物に囲まれきれいな水を湛えた池に悠然と泳ぐ大きな鯉が、「懲りずにまたおいでよね」とばかりに癒してくれているような気がいたしましてございます…。気のせいかもしれませんが…。
2007/11/11
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中国茶っていいかも…と思い始め、なんとな~くそれらしいお店を探しておりました頃、たまたま出会ったお店がございます。台湾福茶さんとおっしゃるお店なのですが、ナンにしろ店長さんがご熱心なのでございます。まず、お茶葉にかける情熱が尋常ではございません。そして、そのお茶をお作りになった茶農さんのお人柄まで伝わってくる商品情報に惹かれ、お試し用の茶葉を何種類か注文させていただいたのですが、その中にたまたま木柵正[木叢]鉄観音2003年冬茶というのが入っておりまして、これがまぁ、目からウロコと申しましょうか、もう、まさに青天の霹靂のようなお茶でございまして、まさに撃たれてしまったのでございますよ、もう後戻りが出来ないくらいに…。思えば、あのお茶との出会いがなければ、それがし、ここまでどっぷり中国茶におカネを注ぎ込むこともなかったろうと、斯様に思うワケでございますが、出会ってしまったものはしかたがございません。その鉄観音をお作りになった方、張福欽さんとおっしゃいます。この張さん、かってNHKの台湾紹介番組にも出演されたことがございまして、たまたまそれを見かけたそれがし、台北市から30分くらい参りましたところの猫空という山の中に、張さんの寒舎という茶芸館があることを知ったのでございます。以来、ず~~~っとこの寒舎に行ってみたいと思い続けていたのでございますが、4回目の台湾でやっと念願叶いまして行って参りました。猫空までの行き方は、旅々台北ストア流々茶房さんのHow to 猫空を参考にいたしまして、ゴンドラが運休中でございましたので、万芳社区駅からバスで…と思いましたら、1時間に1本程度しかないバスがちょうど出たところのようでございましたから、仕方なくタクシーで参りました。この寒舎、かなり奥の方にございますので、タクシー代は185元でございましたが、バスでしたら15元でございます。ナンと申しますか…山の細い農道の脇に、茶芸館が点在しているような趣なのでございますが、奥まったところにある寒舎は、その“女の子が一人ではちょっと怖いかも”感も一入でございます。別の茶芸館への入口と道が分かれて、上に登って行く道をズンズンと行けば寒舎に着くのでございますが、ナンとその道すがら、木の上にリスを目撃いたしました。野性のリスを目撃いたしましたのは、それがし、生まれて初めてでございます。そのように自然観察をいたしながら歩いておりますと、黄色い看板と寒舎という大きな赤い字が目に飛び込んで参りまして、寒舎に到着でございます。ドキドキ…。憧れの、張福欽さんの寒舎でございます。。。間もなくサービスカウンターに到着いたしまして、そこでお茶とお茶請けを購入し、茶水費として1人50元をお支払いいたします。茶芸館の中には、点心や食事まで提供するところもあるというウワサでございますが、ここ寒舎では、お茶が御馳走でございます。カウンターの脇に、お菓子棚がございまして、お茶請けはそこから選ぶか、点心もあるにはあるのでございますが、ジュースの入った冷蔵庫の下が冷凍庫になっておりまして、そこから取り出したおまんぢゅうやシューマイが蒸されて出ていらっしゃるのでございます。さて、ここ寒舎は広大なオープンカフェテラスと申しますか、山の斜面にいくつか東屋?なカンジの屋根付きのブースがございまして、そこに机と椅子と蚊取り線香受けが置いてあり、自然の中で鳥のさえずり・蝶の乱舞、時に一寸ムカデの襲撃と、なかにはスリリングなショーもございまして、それらを楽しみながらゆったりとした時間と空間に身を任せてお茶に酔うわけでございます。カウンターで注文したお茶は、御道具と一緒に後から持ってきていただけるワケでございますが、この広い敷地内を勝手にウロウロして席を探すというのに、どうして何処にいると分かるのかしら…?と、ちょっと不思議な気が致します。お茶と一緒に、蚊取り線香も参ります。で、このようにまったりとお茶を楽しむわけでございます。本日のお茶は、優良鉄観音コンテストで参等獎の特級鉄観音250元でございます。他にも高山烏龍や金萱、東方美人等の茶葉もございまして、お値段は概して250元でございました。ご飯を炊くには、そのお米が育ったところの水で炊くのが一番だと申しますが、お茶もそのところの水がよく合うのではないでしょうか。。。今年の張さんの春茶は、台湾福茶さんで既にお試し済みだったのですが、やはり比賽茶の実力か、弱いと思っていた香りがふっと立って、それがし思わず、ホーけてしまったではありませんか!このように美味しいお茶がいただけて、それがし、幸せでございます。。。つらつら申しておりますように、中国チックな家具を配したおシャレな空間で、美味しいものをいただきながらついでにお茶でも、というのがお好みの方には、この寒舎はおススメいたしません。とにかく美味しいお茶が一番!という方は、是非とも足を延ばしてごらんなさいませ。思わずふっふっふ…と、笑いがこみ上げて来るような、そんなお茶がいただけます。お手洗いも新しくはございませんが、ちゃんとお掃除が行き届いておりますので、その点はご安心を。それにしても、あまりに興奮しすぎて、その時のお茶やら茶底やらを写真に撮り損ねるという失態を演じたそれがしでございますが、しっかりと頭等獎のお茶を求めて参りますことは忘れませんでした。このコンテストに出品いたしましたお茶というのは、茶農会で値段が決まってございます。1斤は600gでございまして、今現在1元はざっくり4をかけたくらいでございますから、おおよそそのようなお値段ということでございます。張さんは、2007年春茶で頭等獎と参等獎を獲得なさいまして、その頭等獎のお茶をいただかねば日本へ帰れないと、斯様な決意で寒舎へ参ったわけでございますが、販売は半斤300gからということで、せめて2両150gくらいでナンとかならないかしらと思ったのでございますが、300gからなのだそうでございます。300gで3000元ったら、そりゃ~タイソウなお値段でございましょ?このお茶が日本で小売される時には、どのようなお値段がつくのでございましょうね。。。ということで、300gいただいて帰ることにしたのでございますが、そのお茶がこちらでございます。300gでなければならない理由というのは、出てきたお茶の箱を見て、だいたい察しがついたような気がいたしました。まず上面。このお茶が、間違いなく頭等獎のお茶であるというシールと、それを詰めた箱が開封されていないことを示すシールがバッチリ貼られているのでございます。箱の下面にもほら、この通り。。。確かに、高価なお茶でございますから、そこに黒い霧が発生してワケのわからないことになる可能性もあるわけでございますよね。いやいや、恐ろしいお茶の世界でございます。。。ということで、それがし、目出度く念願の鉄観音を手に入れました。ふっふっふ…何時いただきましょうか。このお茶で、ここのところちょっと御不興を蒙っているような気がする玄公子のご機嫌をとることにいたしましょう。
2007/11/05
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それがし、はじめて香港へ参りましたのは、2002年9月のことでございました。初香港というより、はじめての中国上陸ともうしましょうか、はじめましてアジアのみなさん!と申しましょうか、それまではず~っとヨーロッパ方面ばかりだったのですが、お友達と急に香港へ行こう!というお話がトントントンとまとまりまして、思えばこれが、ディープな中国茶道楽へのはじめの一歩だったのかもしれません…。で、本日はその折に、三思堂で購入いたしました10年家蔵プーアル茶をいただきましょうと、斯様に思い立った次第でございます。購入いたしました折に、10年ですから…いや、時の流れは残酷でございます…。しかし、まだそんなもの?という気も、しないでもございませんか…。で、本日このプーアル茶を引っぱり出して参りましたのは、ちょっと香港風に飲茶なんぞをいただこうかと、斯様に思いました次第でございまして、楽天オークションで落札いたしましたシューマイと、お中元にいただきました角煮割包で即席点心でございます。そして、やっぱり香港式の飲茶ということであれば、ここはプーアル茶でございましょう。と申しましても、それがし、香港ではたいがい菊花プーアルをいただきます。そして、香港からは大概杭州菊花を求めて参るのですが、奈何せん、あっという間にムシが湧くのでございますよ。ええもう、密封しているハズなのにナゼ?でございます…。しかしこの大きくてひらべっちゃい杭州菊花は、小菊よりもお味がまろやかなような気が致しまして、それがし、好きなのでございますが・・・。いえ、はい、本日の飲茶でございます。このシューマイは、台湾福茶さんのものなのでございますが、小ぶりながらお肉の食感がぷりぷりといたしまして、それがし、気に入っております。本日は、生姜とポン酢でいただきました。もう一つの角煮まんぢうでございますが、これがまぁ、期待以上の美味しさで、それがし、ちょっとビックリでございました。本日は手抜きなしで、レンジでチン!ぢゃなくって、ちゃんと蒸し器を使用したのでございますが、まあ、ほんのり甘い皮といい、蕩けるような角煮といい、ちょっと、それがし、侮っておりましたが、こりゃ~よろしゅうございます。ということで、その角煮割包がこちらでございます。プーアル茶は、如何にも15年を過ぎたっぽいお味でございまして、このくらいになりますと渋みが全くございませんで、まろやか~でございます。こういうお茶をいただいておりますと、「お客さん、これ5年物よ! ホンモノのプーアルネ!」という円盤状のお茶をいただきましても、「あら、まだ渋いのね!」と、思わず口をついて出てしまうのですが、しかし、モトの茶葉にあまり力がないような気もいたしますねぇ…。やっぱり、品物は円盤になっているものの方が良いような気が致します。しかし、あーだこーだいいながら、飲茶はプーアル茶をいただいておきますと、なんだか安心な気もいたします。食べてから2時間後くらいにプーアル茶をいただくのが、一番効果的なのだそうでございますよ。ナニにって、そりゃあなた、ほほほ。。。
2007/10/13
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2005年の蜜香烏龍、今日で五体満足?な状態の茶葉は最後でございますね…。圧倒的な香りと、何時までもしっかりとしたお味が持続するボディで楽しませてくれたお茶でした。そういえば、このお茶は最初の一杯も梨花さんと一緒にいただいたのでしたねぇ…。そうですわ。あれは、1月27日のことでした。。。あれから…いろいろとありましたねぇ…。そうでしたね。。。さすがにお茶葉もしまいのほうになってまいりますと、細かいものが多くなりますね。あとはBOP状態のものが残る訳ですが、これはこれで使い道があるといえばありますから…。お茶漬けにでもしてみましょうか。えっ?はちみつ風味のお茶漬でございますか?鮎の甘露煮など載せてみたら、意外とイケるかもしれませんよ(笑)…まだ暑いですから、冷たくしてたくさんいただくのもよろしいのでは?そうですね。ケド、それではあまりに平平凡凡のような気がしないでもないですが…。しかし、アレですね。このお茶は、五煎目を過ぎてもお味がしっかりしてますね。香りはやはり一煎目が一番ですが、花の香が控え目になると、この蜂蜜のような独特の香りが実はボディに支えられているのがよく分ります。ジツは、5月にも意翔村の茶仙さまのところへ伺って、この蜜香烏龍を試飲させていただいたのですが、今年の春茶はボディに比べるとちょっと香りが弱かったような…。それで、つい、求めなかったのでございますが、しかし、なくなってしまうと一抹の寂しさが込み上げてまいります…。こう眺めてみますと、こう、葉の周囲がしっかりと赤くなっていて、かなりしっかり発酵しているカンジですね。あと口に残る、そこはかとない酸味はそのせいですのね。お茶っ葉を引っぱり出してみますと…これは1芯2葉よりももっと育ったトコロで積まれているようでございますね…。葉が一枚一枚に千切れているのは、柔捻工程でしっかりもまれたからでしょうか…。焙煎は、普通の高山茶などに比べるとしっかりしているカンジ…。ああ、お名残り惜しい…。あら、白椿さま、聞いておりますわよ。また台湾へおいでになる計画が進行中だとか…。そうなのですよ、ジツはそれがし、マイレージ成金でございましてね。特典航空券でちょっとこう、羽を伸ばしに?行こうと存じまして…。それがちょっと聞いてくださいよ!この6月からというもの、関空発着の某航空会社便が今までの特典交換マイル数では発券していただけなくなりまして、それがし、名古屋で乗り継ぎなんですよ!しかも名古屋だと、前後泊を付けないとダメなんです。はぁ~、世の中どんどん住みにくくなってまいりましたねぇ…。
2007/09/22
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今から20年ほど前、大陸から台湾へ肉桂・八仙・水仙等の茶葉を移植された方がおられまして、あるのでございますよ、台湾にも肉桂が!これは、台北の意翔村茶業有限公司で求めました二〇〇五年冬茶でございますが、大陸から肉桂を持って帰られたのはまさに、ここの陳煥堂老師とそのお仲間の方々でございまして、台湾肉桂の総本山とでも申せばよろしゅうございましょうか。茶葉をご覧いただければお分かりのように、大陸のものとはちと、製茶方法が違っておりますでしょ。こちらは中発酵中焙煎で、しっかりめに柔捻がかけられており、ちょっとほどけたパンチパーマ状でございます。柔らかい甘みと、トーンの高い香り…。この年のお茶は、複雑な花の香りがいたします。ボディはさらりと軽め。杯に残った香は甘く、あくまで甘く…ふぁ~!ちょっと、コーコツの世界に入ってしまいました。。。求めましてすぐいただいた時も、香りのインパクトが強いお茶でしたが、時を経てこう、ボディがますます軽くなったと申しますか、ふわっとこう、舞い上がるようなカンジ、とでももうしましょうか…。かといって、旨味もしっかりしているのでございます。そう、こう、一皮むけたと申しますか、そんなカンジでございますね。七煎目いただいたあとでございます。「白椿さま、このお茶は煎を重ねても、香り・お味ともにしっかりしてますわね。」そうでございますね。ゆるやかに表情を変えながら、しっかりと自己主張をする、良いお茶です。でも、これ以上置くとどうでしょう…。そろそろここら辺りが限界のような気がしないでもありませんが…。「ところで、今日のお茶請けは?」そりゃあなた、更新しっぱないだった人生最高が、ちょっと下向いたような気がするんですから、お茶だけでガマンの日もあっていいのではありませんか、ねぇ…。
2007/09/20
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ナンと申しますか…お茶をいただきましても、心に“ゆとり”がないと、なかなかお茶を楽しむ、とはいかないものでございますね。この半年というもの、ほとんどお茶を楽しむ時間、というものが、そもそもなかったような気が致します。いえ、更新がなかった言い訳がしたいわけではないのですが・・・。このところ暑さも和らぎ、なんとなく、お茶がいただきたいなぁ~、という風情が漂って来たともうしますか、こう、そういうキブンなのでございます。…ジツは、ちょっとトーヒが入っているかも知れないという気もしないではございませんが…。で、今朝、起き抜けに東方美人をいただいたのでございますが、これがまあ、びっくりするほど香りよく美味しいお茶になりまして、さんざんそれがしを悩ませたおヒトでございますが、このところ、ようやく馴染んできたのかしらと、斯様に思うわけでございます。これが、今朝の三煎目の水色でございます。いえ、こんなに美味しくいただけるとは思っておりませず、かる~いキモチで淹れたものですから、はじめのうちはお写真がないのでございます。このお茶は、今年5月に台北の意翔村で求めたものでございますが、まだ今年の東方美人が出来る前でしたから、つまりは去年のもので、しかもお値段も100g500元と、かなりお安い=ランクのあまり高くない東方美人だったわけでございます。それがまあ、あなた、まず香りに“おや?”と申しますか、果実の熟した甘い香りがまず際立っておりまして、ほのかに花の香りがついてまいります。口に含めば、ふっと香りが鼻から抜けていく時の錯覚で、かなり甘いような気がいたします。気がするだけで、実際にはさほど甘いわけではなく、香りも比賽茶のような繊細さや複雑さはないのでございますが、いやしかし、朝から結構なものをいただきまして…と、ちょっと嬉しくなるようなお味だったのでございます。四煎目がナミナミと入ったトンちゃんでございます。今日はこのように美味しいお茶をどうもありがとう。しかし、なんでございますね。東方美人は、お湯の温度が高すぎると雑味が出て渋さを感じてしまうし、逆にぬるすぎると香りが出ないしで、非常に気難しいお茶だと思っておりましたが…。香港は樂茶軒のおねーさんの緑茶の淹れ方を参考にしましたら、間違いなく美味しいお茶がはいりますねぇ。先に茶葉を、ちょいと冷水に浸しておきまして、そこに85~90℃くらいのお湯を注ぐのでございますが、これだとまず失敗はございません。いや、それがしも、とうとう東方美人を極めましたか、ほっほっほ…。え?トンちゃん、何かおっしゃりたい?そんな小さなお声で「ズルぢゃないかと…」な~んておっしゃられても、ち~っともこたえませんよ。
2007/09/18
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今日はどのお茶をいただこうかと、お茶を仕舞った引き出しの中をごそごそいたしておりますと…お茶缶の外に無造作に放り出された、銀色の袋の口を無造作に輪ゴムでクルクルッ!と巻いたお茶が出て参りまして…。はて?このお茶は何でしょう?パンチパーマ状ではありませんから、台湾の烏龍茶でなし、色が黒いので、文山包種とも違うし、間違いなく、大陸のお茶ではないかと思うのですが…。こんなお茶、ありましたっけ?袋をのぞき込んであれこれ考えるわけでございますが、なかなか思い当たらないものでございますねぇ…。結構しっかり焙煎がきいておりますから…幽蘭鳳凰はもうちょっと青かったような気がいたしますし、なんとなく岩茶っぽいのですが、昨日の半天腰でもなし…。この間香港で求めた状元紅や大紅袍は、まだ封をきってないはずですし…。くんくんくん…。おや、随分と良さ気なお茶の香りがいたしますよ…。スモーキーな中に、どっしりとした黒い果実のような…。あら? 若しかして、これは…。なんとなく、ココロの何処かに引っかかったような気が致しまして、茶器を温めていたエルメスの蓋椀から、一番小さな蓋椀へと急遽変更、淹れてみましたところ…。間違いございません…。このくっきりと弧を描いて変化する香り、舌に残る渋み、どっしりとした、しかし切れの良いボディ…。2002年9月、香港の三思堂で買った、もう何代目なんだかさっぱり分からないけど、大紅袍でございます。。。腐っても大紅袍のはずが、なんということでございましょう…。カンカンの中に入れておいたはずと思うのですが…。ちょっと、全部お茶を出して、整理してみなければ…。
2007/09/17
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庭木どころか裏山の雑草まで死滅しそうな旱続きの夏でしたが、今日、やっと一息つけそうな雨をいただきまして、おかげさまで今日は水遣りから解放していただけるかと思いますと、嬉しくなりますね。嬉しついでに、半天腰なんぞいただいてみようかと思ったりいたしまして、いただいた次第でございます。このお茶は、2006年5月に香港の樂茶軒で求めて参ったものでございますが、2004年のお茶でございます。樂茶軒では、不作の年のお茶は仕入れないそうでございまして、また焙煎加減もかなりしっかりとした炭焙でございます。「ちょうど炭臭さが取れて来る頃ですよ」おネェさんはそうおっしゃってましたが、もう少し寝かした方が、奥に秘めたる香りが引き立つかも・・・。そう思いつついただいたわけでございます。しかし、大陸のお茶屋さんでは、必ずまず洗茶をなさいますが、それがし、洗茶をいたしますと、どうしても香りが弱くなるような気がするのでございますが・・・。これもひとえに、それがしの淹れ方のせいでしょうか。。。そうなのでございましょうね。。。なにしろ、試飲の際おネェさんが淹れてくだすったお茶は、それがしが淹れるお茶よりもずっと香りがよろしかったのですから…。とはいえ、一口含むと、ぱっと膜が貼ったようにお口の中が滑らかになりまして、軽めのボディにトーンの高い香りが、いかにも半天腰らしいお茶でございます。
2007/09/16
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先日、久しぶりにY口へ参ったのでございますが、その折お土産に、と、この菓舗 松の実のお菓子をいただきました。この松の実を象った最中、国民文化祭の折に考案されたのだそうでございますが、まず形が可愛らしゅうございましょう?中身は、まだ青い松ぼっくりの方が抹茶餡、赤くなっております方は小倉餡でございまして、共に中に松の実が入っております。抹茶餡の方は、お茶のお味もけっこうしっかりいたしまして、たいそう美味しくいただけるのでございますが、小倉餡の方は、松の実の脂肪分と香りがぱっと表に出るせいか、ちょっと中華菓子のような風味もございまして、それはもう、思わず笑い転げるかと思うくらい、それがし、好みでございます。それほど大きくないとはいえ、それがし、つい、2つ目に手を出してしまいました…。このお菓子屋さんは、下松市にあるそうでございまして、下松市といえば虹の松原、松がたいそう多いところでございます。その昔、と申しましても、厩戸皇子が摂政をなさっておいでの頃だそうでございますが、なんでも青柳の浦(下松の旧名)の松の木に七星が降って、七日七夜照り輝いたことがあるのでそうでございまして、この伝説にちなみ、松にゆかりのお菓子を作っているのだそうでございます。このお菓子屋さんには松の実クッキーというのもございまして、これまた松の実がたっぷりと入ったお菓子でございますが、こちらもちょっとつまむにはなかなかよろしゅうございます。菓舗 松の実山口県下松市松神町1356-1Tel 0833-41-0284ザ・モール周南 星プラザ店Tel 0833-45-1117星プラザお店の紹介ページhttp://www.hoshiplaza.co.jp/matunomi/
2007/09/03
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みなさま、ごきげんよろしゅうございます。随分と御無沙汰いたしましたが、それがし、ちょっと台湾へ参っておりまして、左様でございますね…おおかた二月ほどもあちらにおりましたでしょうか。こちらへ帰ります前に、春秋烏来へ温泉に浸かりに行って参りました。台湾の温泉は水着着用というお話もしばしば耳にいたしますが、ここは日本式が通用するなかなか素敵なトコロでございまして、お泊まり致しますと、お泊まりゲスト専用のお茶処でアフタヌーンティがいただけます。この日はライチの香りがするお茶と日本で言うところの落雁のようなお菓子が供されまして、その開放的な雰囲気のせいか、普段香りをつけてある類のお茶はほとんどいただかないそれがしが、思わずお替りを所望いたしてしまいまして、いえ、お茶だけでなくお菓子もお替りさせていただいてよかったのですが、こちらのお替りは参りませんで、後でお店を教えていただいたと、斯様な次第でございます。で、しこたま大人買いしてまいりましたお菓子がこちら。この郭元益、創業が1867年と申しますから、同治帝の御座の後方に黄色い御簾がかけられて、その後ろで両宮皇太后があれやこれやとなさっていらっしゃったコロでございますね。日本では、大政奉還だの王政復古クーデターだので大わらわだった時でございます。お菓子の博物館まであるらしいこの郭元益のお菓子で、今日はそれがしが台湾から帰ったら届いていた文山包種の新茶をいただきましょう。文山包種ですから、今日はこのお口のひろ~い北村宗善の“すずめのお宿”で…。はい? それがしでございますか?ええ、台湾に参りました折、ちょっとイメチェンいたして参りました。なんたって、こ~いうお部屋にお泊まりですから、つい、羽目をはずしてくつろぎたい気分にもなりますでしょう?で、これが本日の文山包種でございます。今年も天候不順の影響か、台湾で試飲させていただいた春茶は味・香りともに、ちょっと…な印象をぬぐえませんでしたが、この文山包種、柔らかい甘みといただいたあとのまったり感は、なかなかよろしいようでございます。郭元益のこのお菓子は、日本のそんじょそこらの落雁と比べまして、それぞれが個性的で口どけがよろしく、控え目な甘さに好感度120%でございます。品によって好き好きもございますが、森八の長生殿に優るとも劣らない銘菓であろうと、それがし斯様に存じまして、いろいろな所へお土産に差し上げたのですが、今一つお喜びいただけなかったようで、甚だ遺憾に思っている次第でございます。こちらは、三煎いただいた後の茶葉の様子でございます。この文山包種、少しぬるい目のお湯で、しっかりと抽出時間をおいた方が美味しく頂けるかもしれません。
2007/06/05
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これまた先日の香港でのお話でございますが、上環で二軒のお茶屋さんを回って、キャットストリートを冷やかして、それから中環に向かってテクテクテク…と歩いておりますと、えも言われぬ良い香りが漂っているお茶屋さんがございました。それがし、つい、そのお茶屋さんに引き込まれるように入ってしまいまして…。そこは、オカーサマとぼっちゃんが仲良くお店番をしていらして、奥の方では誰かがお茶を焙っておられたようでございます。それで、斯様に良い香りがお店中に漂っていたのでございますね。それがしが、鉄観音の茶葉の見本を眺めておりますと、そのオカーサマがおっしゃいました。「ウチは炭焙ですよ。」炭焙、お茶を選ぶに際してこれは非常に重要なポイントです。しかも、最近はどんどんこの炭を使ってお茶を焙煎するお茶屋さんが減ってきているそうでございます。「試飲してみますか」の声に抗えるワケはございません。しかし、そこの鉄観音も、それがしが求めている鉄観音に比べると、青くて青くて…。しかし、いただいてみたくて…と、かなり葛藤がございましたが、とりあえず焙煎の重いものを…とお願いしたのではございますが、やっぱり、かなり物足りない結果となってしまいました…。お茶自体は鉄観音と思っていただかなければ美味しいのですが…。好みの問題ですから、こればっかりはどうしようもございません。で、その時同行のお嬢さんがそちらのお店で茶器をお求めになりまして、そのついでにそれがしもいただいてしまったハマナスの入った紅茶の試供品…。それがし、中国の紅茶につきましては、そのムカシ、まだ林冲とか扈三娘とかが活躍していた頃、田舎のドサ廻りみたいな中国物産展で購入したコトがあるのでございます。ええ、今思い出しても、間違いなく相当劣悪なシロモノだったハズでございます。当時はそのようなコトはちっとも考えず、中国の紅茶というだけでなんだかココロがドキドキだったような気もいたしますが…。と、そのような次第でございますので、その時の寅午ともうしますか、ナンともうしますか、以来中国紅茶は“プリンス・オブ・ウェールズ”くらいしかいただいたコトがなかったのでございます。当然、イギリス式のお紅茶でございますから、淹れ方もそれ式でございます。まさに、それがしの中の中国茶地図における未知との遭遇ゾーン“紅茶”、試しにいただいてみようではございませんか。ということで、オレンジ味のパイナップルケーキでいただいてみました。なんと申しますか…ステビアっぽい甘みがあるのでございますが…これは、紅茶が甘いのでしょうか、それとも…。ハマナスがこんなに甘いわけがないというのは、経験上存じているのですが…。いや、標準となる中国紅茶をいただいたコトがないので、なんとも申し上げようが…。アッサムとかでも、淹れ方によっては、非常に強い甘みとブランデーのような香りが出るコトがありますから…でもなんかちょっと…。今まで青茶を中心に中国茶の世界を彷徨って参りましたが、なんとなく新しいお題をいただいたような、そんな気にさせる本日の薔薇紅茶でございました。4煎後の様子はこちら…。このお店、English nameは“CHA YUEN FONG TEA ROOM”、漢字で書くお名前は…記憶にございません。。。次回は鉄観音にこだわらず、もう少し広い視野でここのお茶をいただくと、若しかしたらなにか発見があるかも…。そうそう、キャットストリートにも発見がありました。超絶カワイらしい豚の親子。今年は猪(豚)年なので、あちこちで豚を見かけたのですが、この豚はなかでも秀品でございました。
2007/03/10
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「白椿さまったら、もう、お茶葉をケチケチしすぎ! もうちょっと沢山入れて、濃い~のいただきましょうよう!」「玲花さん、アナタというヒトは、どうしてそう強欲なことをおっしゃるのですか…。それでなくともあなたはすこぅしこう、大柄でいらして、梨花さんに比べたら余計にお茶葉を消費なさるというのに…。」「まぁ酷い! アタシのせいにして、ご自分がお茶葉の目測を誤ったことを誤魔化しておしまいになるつもりね!」「え…と、そういうワケではありませんよ。あっと、ほら、老婆餅!かの『のだめカンタービレ』にも登場した老婆餅ですよ。日本語的感覚からすると、おばあちゃんのお餅以外のナニモノでもありませんが、中国では老婆と書いて“おくさん”と読む、縁起物のお菓子ですから…。」「まあ! そうやって誤魔化しておしまいになるつもりね!さっきの暴言は許せません! でも、老婆餅はいただいておきます。」「この老婆餅、日本で言うところの新宿○村屋のようなお菓子屋さんで購入いたしましたが、お土産としては悪くないと思うのですよ。賞味期限も10日程ですし…」「中環のエアポートエクスプレス乗り場近くにもございますし、尖沙咀の街中にもございますし、最後は空港でもダメ押し出来ますので、ナニかと重宝。でも、置いてあるものがちょっとづつお店によって違うんですよね~。」「ふ~ん。この、パイの中の求肥のようなものの中に入っているのは…胡麻と杏仁なんですね。」「そのようでございますよ。ここのものは杏仁が大きいままで入っていますが、上環でお茶屋さんをハシゴ致しておりますときに通りがかってふとデキゴコロで調達いたしました歓心麺飽の老婆餅は、細かく砕いた杏仁が、胡麻に負けず劣らず沢山入っておりまして、パイも焼きたてフワフワで、なかなか美味しゅうございました。しかも、2.5元とお安い!近くに公園がありましたので、そこでエッグタルトと一緒にいただいたのですが、エッグタルトも2元でサクサク、いや、香港はあなどれませんね」「まぁ、白椿さまったら、そんなところで買い食いを…ぷぷぷ」「そうはおっしゃいますがアナタ、お茶屋さんの試飲にお茶菓子は付いてないのですから、別個にいただいて混ぜておかなければ…。」「やっぱりタダのケチなんだわ。」「はい? 何故そのような結論に?」「茶芸館でお茶するよりも、お茶屋さんをハシゴして美味しいお茶にありつこうってコンタン、みえみえです!」「だってアナタ、そんな安いお茶を買うワケぢゃないんですから、ちゃんと試飲させていただいて、納得したものをいただきたいではございませんか。」「ぢゃあ、白椿さまが納得なさったお茶のお味を、ここでも再現してくださいな。試飲の時もこんな“ヘ”のようなお茶でしたの?」「いや、その、この正岩特種茶王というのは、火焙がけっこう重い目なので、お茶葉の開き加減が今一つまだつかめなくて、つい、お茶葉が少ない目になるというかなんというか…。初めてのお茶は、コツをつかむまでに時間が必要なモノなのです…。」「要は、修行不足なんでしょ? お茶葉がなくなる前に、美味しい正岩特種茶王をいただいてみたいものだわ~♪」
2007/03/05
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香港の観光ガイドに必ず登場するお店と申しますと、樂茶軒、三思堂・林奇苑茶行が日本でメヂャーなお茶屋さんの御三家とも言えましょうか。この御三家、どちらにも日本語の堪能なスタッフがおり、日本人観光客comecomeなのでございますが、それがし、なかでは樂茶軒がいっとうお気に入りでございます。接客という点で、林奇苑茶行は難点が…と申しますか、こちらは“あしらわれる”感が強うございまして、とにかく売れればいいと申しますか、どうせお茶のことなんて分からないんでしょうから、なんでも適当に買って行ってちょうだい感が漂うと申しますか…。お茶屋さんめぐりの楽しみは、お茶にまつわる様々なウンチクを聞かせていただくことにあると思うのですが、ここの日本語スタッフのおねーさんですと、それが全く出来ないのでございます。店主の李さんでしたらそんなことはないのかもしれませんが、それがしが参りました折はちょうどお食事の時間でして、お店に出ていらっしゃいませんでしたので、なんとも申しかねますが…。三思堂は接客もよく、試飲も気前よくいろいろと試させていただけるのですが、お茶のクォリティーという点では、ちょっとランクが下がります。と申しましても、お値段もそれに伴ってリーズナブルでございますから、それはそれでよろしいかと…。あと、幽蘭鳳凰はそれがし知る限りではこの三思堂しか置いてございません。ですから、入門編としてお勧めするとしたら、この三思堂はよろしいかと…。樂茶軒は、決してお安くはないのですが、接客・クォリティー共に、他より良いように存じます。特に岩茶は種類も豊富で、品質の悪い年には仕入れないのだそうで、しかもちゃんと火焙を効かせているので、最近の岩茶でさえも清香ブームのなかでは“あまり人気がない”のだそうですが、清香ブームに?な向きには、だからこそ良いとも申せましょう。とはいえ、それがし、この樂茶軒につきましては、始めて参りました折、出がらしのようなジャスミン茶を試飲として勧められ、一口いただいてそのまま立ち去ったという前科がございます。今でこそ、そうした場合の試飲というのは、“○○を試飲させてください”というお客様がいらした場合の二番煎じ・三番煎じであることが多いというのを理解しておりますし、その場合、ジャスミン茶の試飲を所望される方がけっこう多いという事情も飲み込めたのでございますが…。しかし、鉄観音に関しましては、総て青すぎの感を否めません…。ジツは今回もう一軒、炭火でお茶を焙煎しているお茶屋さんに立ち寄ったのですが、そちらもちょっと軽すぎまして、どうにもこうにも…でございました。他にも回りたかったお店もございましたが、今回は春節明けでお休みだとかで、次回以降のお楽しみ…ということで。
2007/03/04
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香港から帰りまして、一週間も経たないうちに38度を越える熱が出ましたもので、これはもしや…と、ちょっと気になったのでございますが、お医者様に参りますとタミフルをいただきまして、服用二日めの今日は熱も下がり、お茶などいただこうかと、斯様なキブンになったのでございますが…。サスガに鼻の方はまだまだ機能が回復いたしませんで、せっかくの半天腰も十分味わい尽くせないのがザンネン…。この半天腰、昨年5月にこれまた香港の樂茶軒で求めたものでございますが、咽喉の奥で転がる香りがなんとも言えず極楽でございます。そして茶水の甘いこと…。この甘みは3煎目くらいが一番強く感じられますようで、またいただいた後の余韻も、煎を重ねてましてもしっかりとしてございます。ああ、鼻がきいたならば、もっと美味しくいただけるでしょうに…。ちなみに、三煎いただいたところのお茶葉はこんなカンジでございます。
2007/03/04
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え~、昨日香港から帰って参りました。今回は春節明け間もないということもあって、目指すお店が閉まっていたりと、少々想定外のデキゴトもございましたが、最大の想定外はお湯を注いで待つこと少々、某所を押さえたら茶葉はそのまま、色の付いたお湯だけがさっと下に落ちてあら不思議!という類のガラスのティーポットが開発され、高級デパートメントストアー中芸のお茶販売コーナーで試飲と称したデモンストレーションが行なわれていたばかりか、茶具文物館内の双魚茶館でもそれがあたかも目玉商品の如く販売されていたことでございましょうか…。いや、なんとも…。確かに便利なのかも知れませんが、そのようなお茶のいただき方が主流になってしまいましては、今以上にますます誠実にお茶をおつくりになるお茶屋さんが減ってしまうではありませんか。とまぁ、斯様に香港のお茶事情に危機感を抱きつつ、3軒ほどお茶屋さんを回って参りました。今回は林奇苑茶行でちょっと長居をいたしまして、水仙系のお茶等を中心に求めて参ったのですが、ここのお茶屋さんはアレでございますね。桂花単[木叢]と鳳凰単[木叢]、どちらも試飲させていただきたいと申しますと、応対に出ていたおネィさんに露骨にイヤそうな顔をされてしまいました。火焙の軽重が異なる2種類の大紅袍を、気前よく試飲させてくだすった樂茶軒とは大違いでございます。「とか仰りながら、白椿さまったら、その林奇苑茶行でけっこうタクサンにお茶をお求めになっていたっしゃったんでしょ?」「いや、ちょっと…鳳凰単[木叢]に通天香単[木叢]、肉桂と岩特種茶王ダケでございますよ。」「これが、その岩特種茶王ですのね。」「ええ、この日本のメディアにも数多く取り上げられているのがご自慢であるらしい?林奇苑茶行でも、鉄観音はかる~い火焙のものしかございませんで、“良い鉄観音はあまり強く火焙してはいけない”のだそうでございます。」「そうですの?」「と申しますか…鉄観音?ホントに?というくらいに、青かったのでございますよ。」「まぁ…。」「で、このお茶が最もしっかり火焙をかけたものだそうで、記念にいただいてまいりました。」「いつもあがってらっしゃる木柵の鉄観音とは違って、葉がキュッとこう、丸まってませんのね。」「そうなのですよ。なんでも、イロイロな作り方があるそうで、これはこういうモノなのだそうでございますが、ちょっと驚きました。しかし、ちゃんと丸まったようなお茶もあったのでございますよ。かなりマッサオでしたが…。」「お味はなんだかちょっと足りないような気もいたしますけど、香りや酸味が甘みに変わっていくところなどは、イイカンジですわ。」「そうですね。これくらい火焙がかかっていると、蜜香もくっきりと現れて、なかなかパンチの効いたお茶に仕上がっておりますね。このお茶は昨年の秋茶なのだそうですが、その前の年に比べると出来は良いのだそうですよ。しかし、最近は年に何度も茶葉を摘むので、茶葉が十分に成長せず、“まあまあ”のお茶しか出来ないのだそうで…。」「そうなんですの…。」「ナンと申しますか…“まあまあ”が当たり前のお茶屋さんと申しますのも、アレでございますね。」「ところでこのお菓子は?」「それはですね、奇華餅家というワリと有名らしい日本で言うところの新宿中村屋?というカンジのお菓子屋さんの蛋黄蓮蓉餅、つまりは卵の黄身の入った蓮の実餡の月餅なのですが、そんなに甘くないでしょう?」「ええ、甘みが程よく押さえてあって、黄身がほんのり塩味で、わたし、好きかもしれません、この月餅…。」「今回はここでイロイロとお土産を調達したのですが、なかなかヒットだったかも…と、それがしも思っているのです。しかし、難点を言えば…持って帰るのにそれはそれは重いことでしょうか…。」
2007/02/27
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最近お気に入りのレ・ガトーのイチゴショートを、本日はお紅茶風に淹れた東方美人で。ここ数年、イチゴショートなどという、いわゆるスポンジに生クリームをはさんだだけのケーキなど、いただいたコトがなかったのですが、先日このレ・ガトーのモンブランをいただきました折、中に仕込まれておりましたジェノワーズの美味しかったこと!で、ちょっと感動いたしまして、それならばイチゴショートも美味しいかも…と、本日のおやつと相成りました。このいわゆるスポンジは、卵黄が少し多い目のような気がいたします。ただ生クリームをなめるといったカンジではなく、スポンジをしっかりと味わって欲しいショートケーキと申しましょうか。シロップもほとんどうたれていないようで、スポンジの粒子の一粒一粒は大きめなのですが、それが口のなかでふわっとほどけるカンジと申しましょうか。270円という価格設定も、高感度大でございます。しかし、どうせならもう少し手の込んだフランス菓子らしいケーキのほうがいいような気もいたしますが…。東方美人は、それがしちょっと最近、壁を越えたかもしれません。備前宝瓶でちょっとインチキに淹れるのですが、お紅茶といたしましては、それはそれはいいカンジでございます。濃密な香り、まったりとした甘み、後口に残るこってりした余韻…。この少し温度を下げてタップリのお湯で長い目に置くというインチキは、東方美人のインチキの奥義ではないでしょうか。しかし、インチキに甘んじてはいけない!そうは思うのですが…、こうインチキで美味しくお茶がいただけてしまうと、ちゃんとした淹れ方だと失敗しそうで、ムニャムニャ…。取り敢えずは本日はおケーキですし、ということで…。
2007/02/12
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「白椿さま、このお茶は…。」「意翔村の茶仙さまの蜜香烏龍ですよ。もう一昨年になりますか…2005年11月にいただいてまいりましたから、一年とちょと、お休みいただいていたことになりますねぇ。」「蜜の香りが際立ってますのね。しかも、レンゲ蜜のような香りですわ。」「蜜香烏龍という名の所以でございますね。しかし、この甘い香りと対象的に、ボティはなんとも切れ味すっきりで、それでいてなんともまろやかな…。口に含むなり、次々と繰り出されるそれぞれ異なった味と香りに、なんだかドキドキいたしますね。」「ん…それに、そこはかとなく感じる酸味が、咽喉の奥でゆっくりと甘みに変わってコロコロ転がるようなカンジがしますわ。」「蜜の香りの後でふっと湧き上がっては通り過ぎる花の香り…これにもうっとり~でございますね。」 「凍頂烏龍くらいの火焙でしょうか。丁寧に揉捻されてキュッと締まったその姿、艶かしく輝いて、なんとも美しい纏足のようではありませんか!」「え゛……?」「おや? 纏足をご存じない?」「あの…白椿さま、いったい何時の時代のカタなんですの?纏足がウツクシイだなんて…、ワタシが生まれた頃には、旧体制の忌むべき悪習以外のナニモノでもありませんでしてよ。」「いや…、ほら、茶底もきれいですね~。しっかりと硬くなった葉、ほのかに残る葉の周りの赤みは、きちんと発酵が進んでいる証、いや、いいお茶です。」「……。」
2007/01/27
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寒くなりますと、身体の温まるお茶がいただきたくなりますが、その最強なるものがこのミルクたっぷりのお紅茶でございましょう。チャイをヒントにイロイロ有り合わせのスパイスを加えたミルクティーでございますが、なんと申しましてもどっちゃり入った生姜効果で、汗が噴出すかと思うほどでございます。本日使用しましたのは、この生姜のほかにクミンシード・ナツメグ・シナモンでございます。カルダモンやコリアンダーが入っても美味しゅうございますね。ブレンドされた状態で市販されておりますティースパイスでもよろしいかと存じます。しかし、ミソはなんと申しましても、このどっちゃりの生姜でございます。まずお湯を沸かしてそこにアッサムの茶葉を入れ、しっかり煮出します。そして、そこに生姜・クミンシードを加え、牛乳をお湯と同量ほど加えて沸騰する直前まで過熱、そこにシナモンとナツメグを加えて出来上がり。甘みはお好みで…ですが、どっしり系の甘いものと合わせるのもよろしいかと。しかしなんでございますね。お紅茶に生姜を入れたものは、体脂肪を燃焼させる効果があるのだそうですが、ミルクたっぷりに甘いものと、このよにしていただいたのでは、もしかすると逆効果…。
2007/01/17
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え~、本日ちょっと鉄観音をいただきたいキブンになりまして、久しぶりに玄珠公子とまったりお語らいなど…と思ったのでございますが、昨年香港に参りました折、楽茶軒のおねーさんにいただいたものがあることを思い出しまして、それをいただいてみることにいたしました。大陸の鉄観音は、2002年9月にこれまた香港でいただいて以来だったのですが、何故そういうことになったかと申しますと、その頃まだ中環にございました中芸で、そちらのおねーさんに見事な手芸でお淹れいただいた安渓鉄観音があまりインパクトのないお茶でございまして…。その後、台湾の鉄観音でもう、ナミダが出るかと思うばかりに素晴らしいものに出会ってしまいましたもので、以来ずっと木柵鉄観音onlyだったのでございます。折りしも鉄観音をめぐる話題がそれがしのまわりにいくつかございまして、楽茶軒のお茶でしたらそうひどいことは無いだろうと思いつつ封を切ったのですが…。結局玄公子とのお語らいは、急遽鉄観音二種類飲み比べへと変更になりまして、飲み比べに玄公子のお出ましはもったいないというコトで、梨花さんが安渓鉄観音を、木柵の張さんの鉄観音は蓋椀を使ってお試しすることといたしました。結果は茶々是好茶に鉄観音の事情としてUPいたしておりますので、お時間がございましたらこちらをご覧くださいませ。鉄観音の飲み比べに用意いたしましたのがこちらのレモンケーキでございます。クィーンアリスのレシピで作ったものなのですが、生のレモンの皮をすりおろして入れますので、完全無農薬保障のおばーさまのところのレモンをいただいてこないことには作るコトができないケーキなのだそうでございます。お砂糖たっぷり、サワークリームたっぷり、カロリーもたっぷりの、ちょっとつまんだだけで食べ応え十分! だけどつい、さらに手が伸びてしまうという、かなりオソろしいケーキでございます…。
2007/01/14
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このように天離る鄙に、美味しいお菓子屋さんがあろうハズがないと、幾たびかの経験によりそう思い込んでいたそれがしでございますが、なんと!ここから20分ばかり車で行ったところに、あったのでございます!その名も“La patisserie je vous conseille Les Gattaux”…なんのことやら、さっぱり分かりませんが、なんでも、“どのお菓子もオススメです”という意味らしゅうございます。そこの焼き菓子が、たいそう美味しいのでございます。特にお気に入りはカラメル風味の塩味のマカロン、ようは、マカロンにカラメルと塩を加えたバタークリームを挟んでありまして、ちょっと甘い目なのでございますが、はまるのです、これが…。もっともバタークリームは鮮度が命!ということで、要冷蔵賞味期限3日となっておりますが、作り立てが一番美味しゅうございます。そして、レーズンサンドがこれまた一本とられたカンジでございまして、それがし、今までいただいたレーズンサンドのなかで、こちらのレーズンサンドがいっとう美味しいと思いました。ええ、Pェックのレーズンサンドなぞ、モンダイになりませんとも。そして、エンガティーナ、もう、このアメのバターの風味が…ノウサツものでございます…。おりしも季節はクリスマス…。クリスマスケーキも多々あったのでございますが、こちらのクリスマスケーキは“クリスマスだけに、がっちょり稼ごう!”という、多くのケーキ屋さんにありがちなテヌキでいつもの1.5割増し値段がついているわけでもなく、なかなか好感の持てるものなのでございます。それがし、つい、このチョコレートのタルトを購入したのでございますが、チョコクリームのなかにはカラメリゼしたヘーゼルナッツと、田舎のケーキ屋さんなのにヘーゼルナッツでございますよ。思わず、ナミダ…。店内のお写真を撮らせていただけないかとお願いしてみたところ、あまりいい顔をされなかったとか、店員さんにお菓子の構造をきちんと説明していただけないとか、イロイロと問題点?がないわけではないのですが…。いや、良いお菓子屋さんを見つけてしまいました…。
2006/12/24
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え~、先頃ダージリンを東方美人のように淹れていただくと、非常に香り高くサッパリとした甘みも感じられ、美味しいということをご紹介したのでございますが、本日は東方美人をお紅茶のようにいただいてしまいました。と、申しましても、お湯に対するお茶葉の割合を減らしただけで、あとはちょっとぬるい目の温度で、5分程置いて…と、まあ、このようにしていただくわけでございますが…。よくよく考えてみますと、いつものインチキと同じでございますね…。しかし、この東方美人、洋菓子と合わせてもやはり良いお茶でございますね。つい、一昔まではお紅茶といえば、ミルクティー一辺倒だったそれがしでございますが、最近お紅茶のいただき方にも幅が出てきたように思います。というのも、このダージリンを見た時、「東方美人のような茶葉…」と思いましたのが、きっかけでございました。 葉の大きいのが東方美人でございます。色やゴールデンチップの入り具合など、そこはかとなく似通っておりますが、ダージリンのほうは葉が細かく裁断されているのがお分かりかと存じます。これでも、どちらも同程度の縮小率なのでございますよ。ダージリンのマスカットフレーバーは、華やかさとともに爽やかさをも感じますが、東方美人の方は蜜の香りと、しっとりまったり、よく熟れた果実のような香りでございます。おや、この、ちょっと塩味の効いたマカロン、これはちょっと、いいではありませんか!この鄙にこんなマカロンを作っているお店があったとは…びっくりです。
2006/12/20
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朝晩すっかり冷え込むようになりまして…もう、冬でございますね。それがし、夏は冷た~く冷やした中国茶で、また冬は熱~い中国茶でお茶漬けをいただくことを最上の贅沢と位置付けております。“お茶漬け”と申しますと、なにやらあまり高尚でない食べ物のようにお考えの方もおいでになるようでございますが、これがあなた、ついうっかりハマってしまったら後にはひけない、なんとも甘美な口福の世界が、そこには待ち受けているのでございます。ホンジツのお茶漬けは、それがしが茶仙さまとお呼び申し上げ、御尊崇申し上げている意翔村の陳煥堂老師が作られた古典美人茶にいたしましょう。このお茶は、翠玉やらナニやらをブレンドして中発酵中火焙で凍頂烏龍風に仕上げたお茶でございまして、しっかりとした酸味と香ばしい焙煎、それにも負けない華やかな花香が、お茶漬けにしても決して個性を失うことのない強い主張を持って、しかも調和的に存在している、実に素晴らしいお茶と申せましょう。本日使用いたしましたのは、昨年いただいてまいりました冬茶でございます。思い起こせば、初めて茶仙さまをお訪ねした折、このように素晴らしいお茶をどうしてこのように安価に販売なさるのですか?と茶仙さまにお尋ねいたしました。茶仙さまは、「お茶は自分の娘と同じだ、早く嫁に行かせてみんなにいい娘だと褒めてもらいたい。だから高い値段はつけない。」と仰いました。ああ、いいお嬢さまなのでございます、この古典美人さんは。ということで、本日のお茶漬けと相成るわけでございますが、トッピングは京都三宝庵の山椒こんぶと、博多ふくやの明太子でございます。明太子はかる~くあぶって…が、それがしこのところのマイブームでございます。どちらもいただき物でございますが、お茶漬けにはもってこいの、しめしめ…でございます。お茶碗は北村宗善の蛸唐草、これは抜き唐草というヤツでございますね。普通に唐草を書くよりも手間がかかりますので、絵付師さん泣かせの模様でございます。そしてお茶を淹れるのは備前宝瓶。焼き締めと染付け、コントラストが効いて、食欲倍増な取り合わせでございますね。この宝瓶、インチキにたっぷりとお茶をいただくのに、なかなか重宝いたしております。こうしてみましたら、お茶漬けもなかなかに侮れないものでございましょう。お茶とトッピングのバリエーションで、口福の世界が無限に広がっていくのでございます。ふふふ…。「白椿さまったら、今日もそのブサイクちゃんと一緒なのね! あたしたちはもうすっかり秋の扇ってわけ?」「まぁ…またそんなゼイタクなお茶の召し上がり方を…。」「このヒトは“ブサイクちゃん”というお名前ではありませんよ。それに、ほら、去年のお茶は早くいただいてしまって、今年のお茶をいただきに参らねば…。」
2006/12/03
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ムカシはお紅茶一辺倒だったそれがしでございますが、近頃はなんとなく珈琲が多いような気がいたします…。今朝も深煎りマンデリンに相変わらずのミルクたっぷりでございました。しかし、ナンでございますね。この珈琲と申しますのは、ブルーチーズとあわせましたらば、サイコーに良くないようでございますね。今朝のブルーベリーを練りこんだパンにクリームチーズと珈琲という取り合わせは、なかなかにそれがし、好みでございます。しかし、これがクルミやミックスフルーツのたっぷり入ったパンにブルーチーズをタップリのせて…と、ここまでを単体でいただきましたらば、それはそれは美味しいものだと思うのでございますが、そこで一口珈琲をいただくなり、口の中に恐ろしい不協和音が鳴り響き、鼻腔の奥に感ずる不快なアロマが脳天を貫くのでございます。特に、オレンジピールには激しく反応いたしますようで、それがし、悶絶するかと思いました。いやいや、相性は大切でございます…。
2006/11/17
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気がつけば、すっかりひと夏越してしまいまして…。近頃は秋を通り越してもう冬の感がございますね。そろそろ、冬茶の季節でございます。しかしその前に!それがし、このマリアージュ フレールの“ダージリンデテ・サマーフラッシュ アンブーシアFTGFOP1”なるお茶をいただけねばなりません。先日、おマチからお遊びに起こしになったお方が、お土産にとご持参くださったのでございます。この鄙では、マリアージュ フレールのショップなぞ、ついぞ見かけたことがございませんで、それがし早速…。え~、それがし、ジツは自ら進んでダージリンを求めるというコトはいたしませんで、お紅茶はアッサム系が多うございます。何故かと申しますと、あのダージリンの雑味に胃をやられる気がいたしまして…。しかし、それがし、以前より密かに暖めていた計画がございました。と申しますのは、ホカでもございません。ダージリンを東方美人のように淹れてみることでございます。なんとか雑味や渋みを最小限に抑えて、ダージリンの香りを最大限に引き出すことはできないか。これが、今度良いダージリンに会ったら試してみようと思っておりました、それがしの宿願でございました。で、ホンジツはスケルトンのトンちゃんでお試しでございます。お湯の温度は…ぬるすぎると香りが出ないので、ま、いつものように適当ではございますが、ちょっと冷まして、と。お茶缶には抽出時間は95℃で5分、3gで200ccのお湯を使用と書いてございますが、こんな熱いお湯に5分も置いたら大変でございます!まあ…だいたい90℃弱くらいのお湯で、分量は同様、といっても、別に量ったわけではございませんが。お湯を注いで待つこと1分30秒、これを茶杯に空けていただきます。なんということでしょう!それがしのねらい通り、濃密な香りの美味しいお茶になったのでございますが、ここまで甘みが出るとは、予想だにいたしておりませんでした。結構甘みがあるのにサラリとした飲み心地で、マスカットフレーバーと申しますより、ソーテルヌを思わせる濃密さでございます。しかし、後口が実に爽やか!これはもう、お紅茶のダージリンとは全くのベツモノ!でございます。これは…ちょっとはまってしまったかもしれません…。しかし惜しむらくは、お紅茶のことですから、中国茶のように葉を丸ごと製茶しているのではなく、切っております。切っておりますから、どうしてもそこからタンニン等の苦味・雑味成分が出やすうございます。二煎目でも美味しくいただけますが、こちらはちょっとそのお味が…。しかし、香りに関しましては、ちょっと苦味があったほうがマスカットフレーバーっぽく感じられる気もいたします。まずはともあれ、お手近のダージリンでお試しあれ。
2006/11/12
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お休みの日の朝というのは、なんともゆっくりと時間が流れているようで、よろしいものでございますね。暑くなりましてからというもの、普段は夜のうちにコーヒーを淹れ、冷蔵庫へ入れておいて、翌朝そのままアイスコーヒーというのがほぼ日課のようになっておりましたが、お休みの日でしたら、淹れたてのコーヒーで朝からアイスコーヒーを…なんて贅沢も出来るわけでございます。本日のコーヒー、エルサルバドルQオークションプロピデンシアエステートという、何が名前で何が品質をあらわしているのやら、それがしにはさっぱり分からない意味不明の長い名前の付いたものでございますが、これが、なんとも美味しかったのでございます。ご覧になってすぐにお分かりいただけるように、それがしのコーヒーはまあ、はっきり申しますとコーヒーではなくってコーヒー牛乳なのでございますが、それでもしっかりと自己主張する香り…。それがし、コーヒーのことはさっぱり…なのでございますが、甘やかでしかしどっしりとした香りとでも申しましょうか。酸味は少なく、程よい苦味もあって、それはそれは美味しいコーヒー牛乳になったのでございます。毎夜無造作に淹れて放置していたコーヒー、ジツはこんなに美味しかったのでございますね…。その落差に、ちょっとびっくり…@@でございます…。
2006/08/06
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お願いしてから二年…は待たなかったでしょうか。有田の細密画の巨匠葉山有樹氏の煎茶セットがようやっと出来てまいりました。お題は“天遊”。かわいらしいお子たちが、目出度い景色の中で遊び戯れている図でございます。茶壺・湯冷ましと茶杯6個をセットにしたこの煎茶セット、いわゆる工房作品ではなく、すべて葉山氏が自らお書きになったものでございます。茶杯をひっくり返して葉山氏のサインでございます。底にもびっしり書かれた絵柄…虫眼鏡で拝見いたしませんと、そのウツクシサを堪能できないとは、なんという技巧でございましょう…。ほぼ原寸大…いえ、原寸よりちょっと大きいくらいの茶杯の中の絵でございます。これを大きくしてみましょう。サスガは葉山氏、うっとりの手芸でございます。煎茶道のお道具は、茶道のお道具に対して“おママゴト道具”と言われることもあるらしゅうございますが、このセットはもはや芸術でございますね。しかし、このようないわゆる“食器”の類は、手がかかるわりに高いお値段をつけにくい、という事情があるらしゅうございます。お茶壺とほぼ同じ大きさの香炉一個のお値段と、この一揃がおんなじお値段と申しましたらちょっと大袈裟かも知れませんが、それに近いものがあるそうで…。そのお陰でそれがしも、このお煎茶セットを持たせていただくことが出来るわけでございますが、それにしても、日本はやっぱり手書きのお値段がお安い…と、ヘレンドのシノワズリーシリーズなどと比べてみましても、つくづく思う今日この頃でございます…。いや、あちらがお高すぎるのかも…。
2006/07/09
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「碧螺春はございますか?」五月の初めでしたが、香港は上環の楽茶軒でそう尋ねましたところ、今年はまだ入荷していないということでございました。その代わり…と言ってはなんですが、良く似たお茶が入荷しているということで見せていただいたのがこれでございます。碧螺春のように、白い産毛はございません。カールもあまい目、茶葉一つ一つの大きさも、一回り大き目ではあるのですが…。試飲させていただきますと、確かに碧螺春に似た味わいがございます。口当たりはサラリと水の如く、軽やかな香気が鼻腔をくすぐり、ほんわりとした甘みが舌に残る…。なかなか繊細で、よいお茶ではございませんか。「社長が江西の山奥で良いお茶を見つけたから!と言って送ってきたんですけど、まだ値段がわかりません。名前は…なんて書いてあるのか読めない…(笑)」そうおっしゃいながら、おねーさんはそのお茶の入った袋をそれがしに見せてくださいましたが、そこにはただ、「江西伝統茶」とのみ簡体字で書かれてございました。お値段を問い合わせて下さったおねーさん、35g80H$にはちょっとびっくりなさったご様子で、「お茶は値段じゃないんですね~。」と、そうシミジミとおっしゃいました。「若しかすると、これを碧螺春だと言って売ることもあるかもしれない。」そうなのかも知れません。昨今の中国茶市場は、なにかと黒い霧が発生して、なにかとニセモノが多いらしゅうございますし…。しかしそれ程に、この名もない山出しのお茶は、とても完成度の高い良いお茶でございました。そのおねーさんとの遣り取りなど、本当はもっといろいろと楽しいことがございまして、そのことをなにかれとなく書き綴ったのでございますが…それがしの理解の範疇をはるかに超えたコトが起こり、それらはウタカタとなってすっかり消えてしまいました。なので本日は取り敢えず、お茶のご紹介だけで、余のことは他日を期したいと存じます…。
2006/06/29
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先日某陶器店で、北村宗善作のちっちゃなお鉢に目が止まりました。なかなかに目出度い絵柄で、唐子もかいらしく、お値段も手書きされた染付にありがちな“びっくり”するようなものではなくて、それなりに手ごろでございました。大きさ的にはお漬物を入れるのにぴったり!くらいですので、茶船に使うとよいのではないかと、それがし、殆ど条件反射で考えまして…いや、それを衝動と仰る方もいらっしゃるのは重々承知ではございますが、とにかくそれがし、つい、そのお鉢をお持ち帰りしてしまったのでございます。ヨーロッパに比べると、日本はまだ手書きのもののお値段がお安いのですが、それでも最近は、値段と仕上がりのバランスに納得できるものが少なくなってきたように思います。中国は…ピンキリの差があまりに激しゅうございますので、なかなか一概には申し上げにくうございますね…。思った通り、玄珠公子の黒い肌は、この茶船に大層よくお似合いでいらっしゃいます。もうすぐ蓮の季節ですし、お披露目のお茶会を催さねば…。
2006/06/23
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平成の大合併で四国中央市というのが出来ましたそうで、今その四国中央市となった愛媛県のハジっこの製紙業の町川之江に、その辺りではちょっと有名な柴田のモナカというのがございます。この柴田のモナカ、如何にも田舎のモナカというかんじで、中に詰まっておりますアンコも、あっさり味なのですが、如何にも田舎のモナカといった風情でして…。でも、美味しいのです。賞味期限も10日と、如何にも良心的でございます。今流行の脱酸素材を詰めた真空パックなどではなく、和紙様の包紙できっちりと包装してございます。これまた、是非いただきたいお土産の一つと申せましょう。ところで、本日使いました汲出し及びお皿でございますが、三代北村賀善の青花葡萄文でございます。賀善さんは、ロクロがお上手でいらっしゃいますね。生地はそれ程薄くはないのですが、優美で洗練された佇まい、口当たりが大変にやさしゅうございます。ゴスの色も、それがし好みでございます。
2006/06/14
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これまた香港でのお話なのですが、それがし、茶具文物館に入っております某お茶道具屋さんで、ちょっとイイカンジの蓋碗を見つけました。青磁刻花紋のその蓋碗のお値段は、なんとも中途半端な1000H$。というワケで、その日はほとんど初日でもありましたし、何処かで景徳鎮のイイモノに出会ったときのため、そのまま“さようなら”となったのでございますが、なかなかいい巡り合いもないままに最終日と相成りまして、九龍の中藝に駆け込みましたところ、なんと、同じモノがあったのでございます。しかもこちらは、980H$と、もとのお値段がちょっとお安い上に、なにやらセールが重なって、400H$だとおっしゃるのです。これは、買わずば帰れまい…。さらにそれがし、もう一つ、粉彩が施されたクラシックな容のものにも目が止まりまして、それは440H$くらいのものだったのですが、300H$にオマケしてくださるとおっしゃいます。しかも!二つ併せるとこれが650H$になるというのですから、つい、二つとも抱えて帰ってきてしまったと、こういうワケでございます。どちらもいわゆる作家モノではなく、職人さんが作った大量生産品なのですが、一応は手彫り・手書きでございますから、普段使いとしては十分ではないかと、それがし斯様に思うわけでございます。というワケで、先日来この新しい蓋碗でお茶を淹れてみることが多いわけでございますが、残念ながら蓋碗には、お育ちになる楽しみはございません。しかし、一人で静かにお茶をいただきたい時には、それもよろしいかと…。
2006/06/05
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一ヶ月遅れでようやく五月らしい気候になったような気がいたしますが、このような日にいただくお茶は、体の中まで清められていく心地するものがよろしいような…。ということで、文山包種をいただくことにいたしましょう。このお茶も難しいお茶で、あちらこちらで見かけはいたしますが、なかなか良いものは少ないように思います。昨年茶仙さまのところへ伺った折にも、お留守の茶仙さまに替わってお茶の説明をしてくだすったおにーさんが仰っていたのですが、人気の茶種だけにあまりよろしくないものが多いのだとか。本当にいい茶葉で製茶しないと、本来の清香にはならないのだそうでございます。近頃は、あまり火焙のきつくないお茶にはたいがい“清香”という言葉が添えられる傾向にあるように思いますが、もともと清香と申しますのは、蓮の花の香りを指して用いられる形容詞なのだそうで…。日本で蓮といいますと、一部にはあの有名な古代蓮である大賀蓮の蓮根すらも、“食べ物”として認識してしまわれるお方もいらっしゃるのですが、大方は“仏さまのお花”というイメージではないでしょうか。しかし、清らかな極楽浄土に咲いた微塵の穢れもなき美しい花のイメージは、古来中国では子孫繁栄の象徴とされ、それはそれはお目出度い花なのだそうでございます。で、その蓮の花の香りが風に乗ってただよってくるそれを荷風というそうでございまして、要はこの蓮の花、生けておきましたらば、朝、その香りで目が覚めるくらいに、ケッコウ匂うのでございます。そして文山包種の香りもまた、ふっとその蓮の花の香りを思い出させるものなのでございます。もともとこの文山包種の香りを指して“清香”という言葉が使われ始めたそうでございますが、なるほど、と、それも納得のその香り。かなりトーンの高い、酸味のある香りなのでございますが、お味はやわらかく、甘みがほんのりと、しかもかなりの密度でもって舌にまつわりついてくるようでございまして、精神世界の崇高さと世俗の快楽とが、渾然一体となって通り過ぎていくような気がいたします。いや、なんと申しますか、今日の文山包種は今までにない、会心のお味のように思います。改めて、こんなに美味しいお茶であったのかと感動いたしました。このようにスバラシいお茶であるのに、テキトーにインチキに、時にはお茶漬けなんぞにまで身を堕とされ消費された文山包種のなんと多かったことか…。それがし、自身がいたしたこととはいえ、気の毒なお茶葉のために泣涕已むことなし…でございます。しかし! でございますね…。本日かくもスバラシいお茶と相成りましたのは、どう考えましても、あまりな消費のされ方に憐憫の情を催されたお茶の神さまが、一片の慈悲心を垂れたまいて、文山包種とは斯様なお茶であるとお示しになられたと申しますか、まったくの偶然と申しますか…。要するに、でございますね、お湯を沸かして火を止めてからちょっと時間が空きましたので、ぬるい目の温度で淹れるお茶でもいただこうと、斯く思いまして、それなら文山包種と、テキトーに淹れた結果のこのお味でございますから、次に再びこのお味と回り逢えるのは何時の日になることか…。そういえば、それがしの人生最高のお煎茶といいますのも、沸騰して火を止めてからの時間と気温によるマジックだったような気がいたします…。ところで、本日お茶と一緒にいただきましたのが、博多銘菓の“通りもん”でございます。これはジモティも大絶賛の和洋折衷菓子という触れ込みで、先日お出でのお客さまがくださったお菓子なのですが、「フレッシュバターよりもキメの細かい最高級バターを使用」しているという風なことが説明書には書かれておりまして、なんとも分かるような分からないような…。しかし、お土産にしかならないご当地銘菓が多い中で、ジモティの方々もご愛用というこの“通りもん”、如何にもお土産なパッケージですが、中身はそれがしが想像しましたのよりも、ずっと美味しゅうございました。またいただきたいお土産でございます。
2006/06/01
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