WILDハンター(仮)

WILDハンター(仮)

初めて見上げたあの空を



    長く続くハンターの歴史…
    その最初の一歩を記した地…

        ココット村

そして今はもう数少なくなった狩人が集う憧れの街…

        ミナガルデ

長くハンターの歴史を歩んだ一人としてこの二つの地は正に…

        全ての原点


  いい機会だからここで昔語りでもしようか
 俺の…いや…ハンターの全てが始まったその瞬間を


「ふぁ~あ…よく寝たぜ」

 そう言いながらベッドから起き上がるとその若者は大きく背伸びをした。年のころは20歳くらいだろうか。長く伸びた黒髪を東洋風に結い、あごにはところどころ無精ひげが生えている。

「さて、村長から支度金もらっていこうか」

 ベッドから勢い良く降り、昨日村長からもらったハンターナイフを身につけると彼ははりきって家を出た。軽い足取りで村の広場にいる竜人族の村長のところへ行くと、威勢よく声をかけた。

「よ~!村長!支度金くれよ!」

 まるで金の無心をする放蕩息子のような台詞だ…。

「ほっほっほ、わかっとるわぃ、しかしお主腹へっとんの」

 この爺様の前では誰でも空腹にされてしまうのだ。村長は彼の子犬のように落ち着きの無い様子を楽しそうに見ながら1500Zが入った袋を手渡してくれた。

「これで防具でもそ…」

「分かってるって!」

 村長が言いかけたことをほぼ無視して彼はこの村唯一の武具屋にぶっ飛んでいった。

「早く狩り場に出たいのが見え見えじゃのぅ、ほっほっほ」

 彼の後姿を見ながら村長は高らかに笑い声をあげた。若い頃の自分と重ねているのだろうか。なんとも愉快そうだ。

「お~い!ツケの代金払いにきたよ~早く鎧を渡してくれ!」

「はいはい、全く村長の前金を頼みに装備を注文したやつはあんたが初めてだよ」

 兄弟で切り盛りしている村唯一の武具屋の前にダッシュで行くなり彼は叫んだ。その声を聞いた武具屋の兄は毒づきながら店の奥の作業場からチェーンシリーズの胴鎧と具足を持ってきてカウンターの上に置くと彼の方にずいっとよこした。

「サンキュ♪これで足りるよな?」

「あぁ、ちゃんと揃ってるよ、それから…」

 礼を言いながら代金を渡すと兄がそれを確認しながらこう忠告した。

「そいつはお前の命を守るものだから粗末に扱うなよ」

「わかってるって♪じゃ~ねぃ~♪」

 返事は返したものの、初めて袖を通したハンターの装備に興奮して彼はろくに聞いていないようだ。すぐにクエストを受注するために村長のところへ踵を返してぶっ飛んでいった。

「村長!装備買ってきたからクエスト受けさせてくれよ!」

「ほっほっほ、わかったわい、それじゃあ森丘にいきアプトノスの生肉を~そうじゃの二頭分剥ぎ取ってくるのじゃ、しかしお主…」

「わかった!アプトノスだな、さくっといってくるぜ!」

 村長が何か言いかけたが、彼はクエストの内容を聞くと疾風のように森丘のベースキャンプへ駆けだした。

「ほっほっほ、焦らんでも獲物は逃げはせんのにのぅ、帰ってきたらハンター

とは何かしっかり教えてやらんとな」
 村長がそんなことをこぼしている間に彼はもう森丘のベースキャンプに着いていた。そこからもう見たことのないものだらけで色々と物色している。

「うお~これがテントでここで寝泊りするのか~…ん?なんか色々入ってる青
い箱と何も入ってない赤い箱があるぞ?」

すると…

(その青い箱が支給品ボックスじゃ、中に入っているものは自由に使ってかまわんぞい)

「うお!?頭の中に村長の声が!?一体どうやってるん…」

(細かいことを気にしてはいかんのじゃ)

 とりあえずそのまま村長からもう一つの赤い箱が納品ボックスだということを聞き、剥ぎ取った生肉はその中に入れて村に持ってくるように言われた。支給品の携帯食料を食べて腹ごしらえが終わると腰にさしたハンターナイフの状態を引き抜いて確認すると腰に戻し、気合をいれた。さっきからフィールドへ出る興奮にドキドキが止まらない。

「さてさて…それでは行きますかな」

 そう言い、彼は胸を高鳴らせたままフィールドに向かった。狭いトンネルを抜けて彼が最初に見たものそれは…、

「すっげぇ…青空…」

 いつも見ているはずのものなのに、今日ここで見上げた空は馬鹿みたいに高く青くそして果てしなかった…まるで永遠をあらわしたかのようなこの空を彼は長いこと見上げていたが、クエストを思い出して草食竜を狩りに坂を下っていったのだ。一歩一歩その豊饒の大地を踏みしめながら…

     そうして全ては始まった
    そして短いようで長い刻が流れて

      俺が村から街に出て…
色んなことをして嫌になるようなこともあったけど
それでもこの世界が大好きなことに変わりは無い

あの初めて見上げた空の中をずっと飛び続けていたい
      今の願いはただそれだけ

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