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2008.12.28
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 しかし、柄杓で掬ってスレートの上に移してやると、僅かだが動いた様に感じられた。其処で、手で一寸突っついてみると、更にまた動いた。どうやらまだ一応生きているらしい。早速、木の葉で掬って、近くのビョウヤナギの葉の上に移してやった。


カネタタキ(雌)
溺れていたカネタタキの雌.体にまだ水が付いている

右の尾毛(お尻の先にある長い突起)が欠けている

その下に産卵管が見える
(2008/12/16)



 ビョウヤナギの葉上に移っても、当然のことながら、元気はまるでない。葉の上でグタッとしたまま殆ど動かない。触角も妙な具合に曲がったままである。お尻の左右にあるはずの細長い突起(これを何故か「尾毛」と呼ぶ)の片一方が欠けている。水に落ちてもがいている間に取れたのだろうか。それとも、もう死期の迫った、ボロボロの体なのだろうか。

カネタタキ(雌)
如何にも力が無いと言う姿

(2008/12/16)



 お尻から産卵管が出ているのが見える。と言うことは、雌の成虫である。しかし、翅は全く無い。何とも変な虫である。


カネタタキの顔
カネタタキの横顔.複眼が一寸面白い

(2008/12/16)



 私は昔からこの連中(直翅目)が苦手である。図鑑を見ることも殆ど無い。しかし、調べてみると、直ぐにカネタタキの雌であることが分かった。コオロギ科カネタタキ亜科(或いは、コオロギ上科カネタタキ科)に属す。

 雄は、チッチッチッ、或いは、チンチンチンと鳴くが、この雄の方も変な虫で、翅は腹部の1/2にも達せず、腹背の大半は露出している。そんな小さな翅でも結構音が出るのだから不思議なものである。

カネタタキ(雌)3
元気になったカネタタキの雌

(2008/12/16)



 1時間程してから見に行くと、近くの別の葉に移ってジッとしていた。もうかなりシッカリしていて、触角もピンッと伸びている。しかし、その長さは左右で違っている。左の方は先端が折れたらしく少し短かい。

カネタタキ(雌)4
正面から見たカネタタキ.意外に普通の顔をしている

(2008/12/16)



 ストロボを何回も焚くと、身の危険を感じたのか、葉の付け根の方へ逃げようとした。どうせ逃げるのなら、もっと暖かい所が良いであろう。そこで、掌の中に入れて、陽の当たっているブルーベリーの木に移してやった。ところが、ブルーベリーの葉上に降りた途端、大きく跳躍して何処かへ姿を隠してしまった。

 まァ、これだけ元気になれば、後は安心であろう。

カネタタキ(雌)5
斜めから見たカネタタキ.触角の片側が短い

(2008/12/16)



 しかし、調べてみると、カネタタキは卵越冬だそうである。と言うことは、あの雌はもう務めを果たし、余生はあと幾ばくもないことになる。

 やがて何処かの葉陰で、誰知ることもなく、静かにあの世へ旅立って行くのであろう。







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最終更新日  2008.12.29 16:29:29
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