泰心堂はりきゅう院 楽天出張所 鍼灸師&整体師 藤井崇次(泰心堂)の個人ブログ

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カテゴリ: 健康系

もうすぐ午後の営業開始です。

午後の一番は少し程度の悪い腰痛のお客様がいらっしゃいます。

どの程度かというと・・・ 痛みで足を引き摺るくらい。常に痛みに悩まされ気が狂いそうだと言う話でしたね。

こういう腰痛は通常の鍼灸院の場合次のような処置をとることが多いです。

  1. 痛みのある箇所を触診し範囲をカバーするように鍼を数本打ち、電極をつないでパルス通電
  2. 痛みのある箇所に鍼を多数打ってしばらくそのまま置いておく
  3. 痛みのある箇所に施灸




これだけだと『はりきゅう専門』としては芸がないわけです。

さて、では『 はりきゅう専門 泰心堂はりきゅう院 』ではどういう治療をするか?

画一的にコレをやれば良いというものはなく、やはり一人ひとりの状態に応じてどの技を使うかを選ぶべきです。もちろん通電する方法も局所に多鍼する方法も良い点があります。

体格、顔色、所作、動作、問診、触診、経穴診・・・様々な情報をもとに体力と耐性、あるい鍼や灸との相性などを診た上で必要に応じた処置を取るべきです。

さて、こういう痛み疾患に対しては経験的に次のような治療が即効的です。

  1. 刺絡
  2. 火鍼
  3. 大鍼
  4. 長鍼

個別の解説はのちのちするかもしれませんね。

それぞれ経験的に判断出来る情報があるのですが、経験に基づく勘のようなものがあるので詳細の判断基準については割愛します。

 刺絡は熱を伴う場合、実症状・・・この場合は常に痛みがある(何もしなくとも痛みがある=自発痛)場合によく、急性・慢性の症状のどちらにも使えます。ただし、非常に疲れるので術後はしっかりと休むことが大事。

 火鍼はその名の通り焼いた鍼を経筋(経絡的なつながりを持つ筋群)に対して瞬間的に打っていく技法で鍼のちくんという刺激とその後のお灸をしたようなだるさが特徴的です。『痛を以って兪と為す』というように痛みのあるところツボとして処置して行きます。こちらは『火』を使うのでイメージとしては冷えを伴う症状に使うことが多いような気がします。

 大鍼は通常のディスポの鍼が直径が0.10~0.25mmくらいがよく使われますがこれは0.30mm時には0.8mm、1mmなどという鍼も在ります。普段使う鍼に比べて質量が何倍も在りますのでその分影響力が強いのですが、一方で非常に刺入し辛いので当院ではあまり使いません。(丁寧に打つために非常に時間が掛かるのでこの一本で効かせる!という気合を以って使うことがあるくらいですね。)

 長鍼はその名の通り長い鍼です。普段使いの鍼が鍼部分の長さ8mm~4cmのものが主流の当院では7.5cm(2寸5分程度)~45cm(1尺5寸くらい?)を長鍼のカテゴリーに入れています。がぶっちゃけうちの『代名詞』のような扱われ方をしています。た・だ・し、頻度は実は少ないんですよね。痺れなど慢性症状のひどいものにしか使いません。腰痛の場合は比較的出番が多いかもしれません。
 特徴としては、長くやや太めなので質量が桁違い。点ではなく線あるいは面で刺激が出来るので、よく整体とかで「曲がってますね~」とか「歪んでいますね~」などと言われる背中の状態をまとめて適度な状態に戻すことが出来ます。
 刺すときに少し「ぷつっ」と音がしますが、入ってしまえば何回も刺したり貫いたりしないので痛みが実は少ない。皮一枚のところを通していくので実は非常に安全。鍼を刺している部分からググっと波紋のように影響力が広がるのが特徴です。

いずれも鎮痛・回復促進に効果のある技法ですが、長鍼を使えるところは数が少ないようで近隣には私のところだけ!。

ある意味切り札的存在ですね。

これらの複数の技術から一人ひとりにあった技術を選択できるのが『はりきゅう専門』ならではの強みですね。

長鍼を使った例では次のような例が在ります。

40歳代女性 30歳のころに腰痛発症。徐々に悪化し痺れを伴うようになる。来院当初は常に激痛があり、台所に10分立っているのもつらいくらい。歩行もきつく、駅から大体5~7分の当院までの道のりを20分かけて歩いてくるくらい。病院で手術を勧められたので最後に『泰心堂はりきゅう院』で治療を受けてから考えるつもりで来院。

病名 『坐骨神経痛』(整形外科)治療歴 某整形外科9年(当初慢性腰痛→坐骨神経痛)、接骨院4年、鍼灸院4~5院で合わせて3年

 立位姿勢、座位姿勢ともに痛みをかばうように偏りあり。背部診では椎骨の配列を見たが大きく歪み在り。(※生活に即したゆがみは最適化のために生じるもので病気では在りません)

いくつかの方法論をお話し、長鍼を使った治療の同意を得る。治療間隔は週二回。VASはVirtual Analog Scaleの略で痛みを10cmの数直線上に表したもの。

当日の状態をVAS10として変化の様子を診る指標とした。全体的な回復具合とは別でそれは別記。

  1. R下L下長鍼(初回なので置鍼15分刺鍼箇所は一応門外秘)VAS変化 10→3
    「痛みが・・・うそ?痛みがないんです。まったくないと言うわけではないんですが、いつもに比べてぜんぜん軽い。不思議」と本人談。鎮痛効果がよく出ているだけで治ったわけではないことを伝えて、生活上の注意を話して終了。
  2. R下L上L下長鍼(L上は即抜。置鍼は20分) VAS10→6
    「前回と比べると7割くらいの痛みですね」これをVAS10とする。「眩暈(めまい)がする」と言うのでL上の領域を診ると少し歪な感覚がしたのでそちらも今回の治療の対象とした。
  3. R下L下長鍼 置鍼30分 VAS10→3
    「痺れがだいぶ取れて水仕事が出来ました」これをVAS10とする。順調な回復。ちょっと怖いに右肩上がり。L上領域は大きな違和感はなかったので対象からはずした。R下の長鍼を置鍼中「ああ、足先まで響きます」と大きな響き感あり。抜鍼後違和感が生じるも不快なものではないとのことでそのまま返した。
  4. R下L下長鍼 置鍼30分+百会+後谿+申脈VAS10→2
    「常にあった痺れ感がいつもの半分以下になりました。」これをVAS10.
    この回から意図的に通常の鍼での施術を加える。「頭に打った鍼がなんか変な感じです」「気持ち悪い?」「いいえ、なんかすっとする感じ」とのこと。治療直後、完全に痺れが消失する。
    週一回へと治療間隔を変更。
  5. R下L下長鍼 置鍼30分+百会+曲泉 VAS10→6
    「痺れは2割、腰は3割残っている感じ」これをVAS10とする。
    脈証で肝虚が強く出ていたので曲泉を補う。こちらも治療直後完全に痺れが消失。腰の痛みもなし。ただ長鍼の特性上「だるさ」が出る。
  6. R下L下長鍼 置鍼30分+百会+太衝 VAS10→7
    「痺れは後は足の甲。腰は調子が良いです」これをVAS10
    結果的にこれが長鍼を使った最後の回になった。背中から腰にうったR下の針先辺りから「ぞわぞわっと波紋が広がる感じが在ります。」とのこと。
    状態が良いのであとは再発がないかを確認するフェイズへ行こう。治療間隔を2週に一回に変更
  7. 肝積肺虚証 積聚治療 第一方式 VAS10→8
    「強い痺れや腰痛は今週はなかった。ただ、草むしりを久しぶりにしたので少し体が重いかも」これをVAS10.
    長鍼は必要ないと判断し、当院の通常治療に切り替える。
    「なんか不思議な感じですね。あの波紋が広がる感じとは別でなんか温かくなるような感じがします」
  8. 腎積脾虚証 積聚治療 第一方式 VAS10→9 卒業
    「嘘みたいです。本当にあのきついのなんだったんだろうって感じです。」「じゃ、今日、最後の確認がてら身体を整えて問題なければ今日で卒業ですね」これをVAS10.
    脈証で軽めの脾虚。祖脈はしっかりしているし、胃の気の脈も充分。腎積はこの方の特徴のようなものなので軽微と診て良し。
    再発がなかったので、治療卒業。
2ヶ月 合計8回で酷かった腰痛と足の痺れ(坐骨神経痛)から解放されました。
正直、長鍼使えなかったらかなりきつかったかも・・・





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最終更新日  2010年10月08日 15時44分51秒
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