日常あるいは乗馬な日々♪

日常あるいは乗馬な日々♪

準備運動




さー,いよいよ本番。
牧場の脇から山道に入っていき,目測で15センチくらいあるだろうという雪を,まったく気にせずざっくざっく踏みしめながら登っていく。
慣れてるんだなぁ。
クラブの子たちだったら,白い物体を見ただけで挙動不審になるってーのに。


オーナーさんは,右手だけで手綱を持ち,左手はぶらーん。
時折振り返りながら,山のことや,飼っている馬の頭数などの話をしてくれる。
少し登ると,左手に新たな牧草地が見えてきた。
うぉ,いっぱいいる!

ひーの,ふーの,みーの・・・・だいたい20頭くらい。
のんびりと,出てきたばかりの牧草をはみはみ,はみはみ。
のどかでええのぅ。

あとで聞いたところ,この牧場では合計37頭の馬を飼っているそうな。
勘定が合わないが,残りの連中はもっと奥の牧草地にいるらしい。
どんだけ広いんだ,ここ。



結構角度のある斜面も普通に登っていくコロ助。
登り切ると,アスファルトの道路が続いている。
でもって,右を見ても左を見ても,みーーーーーんな牧草地が広がっている。
オーナーさんは笑いながら,「あの牧草地の向こうにもまだあるよ。」だって。
えっと,広すぎて,自分がミジンコになった気分です。


数十メートルほどアスファルト上を歩くと,今度は右へ進路変更。
よーく見ると,けもの道っぽくなっているように見えなくもない。
丈の低い草が生えていて,ゆるやかな上り坂になっている。
そこをしばらく常歩で進み,どこまで行くんかいのぅ,とのほほんと考え始めたころ。
急にコロ助がそわそわし始めた。
ん?と思う間もなく


  「そろそろ駈歩しますよ。」


て,すでに駈歩してるじゃん!
置いてかれてたまるかと言わんばかりの勢いで駆け出すコロ助。


ドココッ,ドココッ,ドココッ・・・・・・・




無理!

無理です!!

座ってられません(涙




根性なしの私は,10歩目くらいから2ポイントに逃げた。
だが,どうかチキンと呼ばないでほしい。
だって,ほんとーに反動が大きいの。
でもって,それ以上に困ったのが,走る気満々+体力あり余ってる状態。
手綱を引こうにも,軍手がすべって引きようがないし,そもそも滑り止めがあったとしても,このコロ助の口の強さに果たして立ち向かえたかどうか。


説明しづらいけど,なんていうか,大きな力がこの小さな馬体にぎゅうっと凝縮されてる感じ。
見かけ以上のハイパワー。
ビジネスでギャロップされたときに感じたパワーと同じくらいかも。
ただ,コロ助的には普通に駈歩してるだけって感じなんだけど。
思いつきで乗るには,ちょっとハードル高くありません?



涙でにじむ視界の先には,オーナーさんが普通に座って駈歩してる。
安定感ばっちり。
うーむ,さすがだ。

で,このときに気づいたのだが,ここで外乗するときはゴーグル必須ね。
前の馬が泥を跳ね上げるから。
泥が届かないほど距離を開けることはできない。
なぜって,コロ助の歩度を詰めるなんて容易な事じゃないのだから。




どのくらい走ったのだろう。
3,400メートル?
もっとかな。
坂を上りきったあたりで,ようやく常歩。
こっちが手綱を引くより早く,常歩になるコロ助。
コースをよく分かっている。

ここでしばし休憩をした後,また駈歩で坂を上っていく。
今度は始めから2ポイント。
しっかし,このウェスタン鞍は乗りにくいのぅ。
2ポイントすると,この掴まるところ?のでっぱりが邪魔。  <座ってなさいよ


通っているのは,牧草地の端っこの部分。
ようやく新芽が出始まったころなので,蹄で荒らさないようにという配慮らしい。



このころになって,デジカメを持ってくるのを忘れたことに気づく。
バッグには入れてきたのに,馬鹿だなー。
仕方がないので,携帯のカメラで撮ることにする。
少しだけ慣れてきたので,駈歩しながら数枚撮ってみた。
そのときの写真がこちら↓



コロ助のうなじ。




コロ助のセクシィなうなじしか写ってません。
これじゃなんだか分からん。



そのまままっすぐ牧草地の突き当たりまで走りきって,ようやく休憩。
ぷはー。

振り返ってみると,なだらかな傾斜の牧草地が延々続いていて,その先に信濃の山々が見える。
山頂付近にはまだ雪が残っていて,実に雄大かつ爽快な眺望だ。
やっぱり長野はいいところだ。
うん。



牧草地の端は日陰になっているので,まだかなりの量の雪が残っていた。
そこに入り込む2人と2頭。
ざぼっ,ざぼっ,ざぼっ。

・・・・。

積雪50センチ?

かなーり深いんですけど。



後ろで「カシャッ」という音をさせていたので,私がカメラを持ってきたと思ったらしく,オーナーさんが「撮ってあげるよ」と言ってくれた。
で,馬から降りたのだが,いきなりズボッとはまってしまい,オーナーさん苦笑。
携帯を渡すが,そもそも屋外使用ではないため,液晶がまったく役に立たない。
「全然見えないよー」と言いながら,カシャリ。
後で見たら,ちょっと微妙な写真になってた。
やっぱりちゃんとしたデジカメにはかなわないな。
でも,親切なオーナーさんでよかった。




後から考えると,このへんまでがウォーミングアップだったんだと思う。
この後は,見晴らしのよい牧草地から外れて,完全に林の中を進んでいくことになる。
それはまさに,道なき道を突き進む,て感じだった。








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