日常あるいは乗馬な日々♪

日常あるいは乗馬な日々♪

8がつ27にち はれ[前編]







今日も朝からいい天気。
すっかり慣れたホテルの朝食(パンと飲み物が無料なのだ)を取り,腹ごしらえを済ませたらとっとと出発。
目指すは石狩ホーストレック。
いよいよ今回の旅行のメイン,外乗だぜぃ!


札幌から電車に揺られること30分くらい?
駅までオーナーさんが迎えにきてくれた。
駅から牧場までは,車で10分くらいかなぁ。
騎乗経験なんぞを話しながら,あっと言う間に到着。

着くと,オーナーさんが奥さんに



  「ノーサイドで乗ったことあるって。」
  「(うん,うんとうなずきながら)大丈夫だね。」



・・・一体どんな馬に乗せられるんだろーか。
ちょっと不安。
それにしても,ノーサイドってのはすごいな。
何鞍乗ったということよりも,「ノーサイドで乗ったことあります。」の一言の方が分かりやすいとは。
また行かなきゃ。





仕度を整えて,誓約書?みたいなのに署名する。
要は,怪我をしたら自分でなんとかします,てことだ。
馬たちのところに行くと,見慣れたサイズの見慣れた形の馬が並んでいる。




出発前。




あーよかった。
やっぱり,サラ系の方が乗りやすいよ。
ぱっと見たところ,大きな子(レオンくらい?)が混じっていたから,「たぶんこの子だな。」と勝手に決めつけ,とりあえずトイレへ。
なにしろ今日の外乗は3時間コース。
昼食休憩が入るとはいえ,途中で「おしっこ~!」とは口が裂けても言えない。



用を足してから戻ってくると,他の人々が馬を曳いて歩いてきた。
急がねば,と駆けていく。
「すえぞぅ。さんはこの子ね。」
と言われた子は・・・







小さっ!!







めっちゃ小さい!
大きさはマールーといい勝負だけど,ポニーとナントカのハーフらしく,マールーほどお腹回りがむっちりしていない。
そのため,非常に小さく見える。

ちなみに,名前は「梵天丸」。
通称「マル」。


マル。


マールー。





・・・いや,なんでもないっす。








最初は(だいじょうぶかいな・・・)と少々心配したのだが,実はこの子,相当優秀だったりする。
北海道のエンデュランス競技会に何回も出場していて,80キロ(だったかな)で赤リボンをもらっている実力者なのだ。
馬は見かけによらんのぅ。








私の順番はオーナーさんのすぐ後。
つまり,4騎中2番目ということだ。
10時半ころだったかな。
いよいよ石狩外乗にしゅっぱーーーーつ!


常歩でとことこ歩いていく4騎。
天気がよく,日差しがちょいと強いけど,風があって気持ちがいい。
絶好の外乗日和。





私目線。






しばらく常歩をしながら,あることに気づく。




   マル,デフォルトで屈頭。




すげぇ。
何もしてないのにこの角度。
急にわくわくしてきた。
駈歩したらどーなんだろう,と。
しかし,それは大きな勘違いだということに,このあとすぐに気づかされる。

オーナーさんが右手を上げて,「駈歩いきまーす。」と言いながら走り出す。





駈歩いきまーす。




適度に距離を開けて,こちらも駈歩。
すんなり出る。
が,意外と反動が大きい。
最初は3ポイントでしっかり座って乗ろうと試みたが,どうにも反動が抜けない。
それに,あまり揺れると頭が痛くなるので,すぐに2ポイントに切り替えた。
(結局,今回の騎乗はほとんど2ポイントで通した。)


つっかかるようなこともなく,おとなしく一定のペースで走っているマル。
うん,いい感じ。
ただ,ときどき左右を見る。
首を大きく曲げて,積極的に内方姿勢,外方姿勢を取りながら駈歩。
人が首を曲げてコキコキ準備運動をしているような,そんな感じ。
(実際はほかの要因で首を曲げていたのだが,このときはまったく気づかなかった。)




しばらく走ってから常歩へ。
オーナーさんが手を上げて止まる合図をする前に速歩になっているマル。
さすが分かってるねぇ。


そして常歩にすると,マルがすいっと首を下げた。
「おぉ~・・・・・・おぉ?!」

バリッ
ムシャッ
もぐ,もぐ,もぐ,もぐ・・・






道草大王。





常歩になった途端に道草を食うマル。
そういえば,最初にオーナーさんの奥さんが「マルは道草をよく食べるから気をつけて。」と言ってたっけ。

てことは?
この子の屈頭は,ずばり「草を食べたいため。」
おいしそうな草はないかなー,と探しているうちに,自然と首が下がっていたにすぎなかった。



おいおい。
私のわくわく感を返せ。




まぁ,ヘンだなぁとは思っていたが。
このあとも,マルはことあるごとに,そこら中の草を食べ続けたのだった。。。







オーナーさんいわく,今回のコースはスタンダードなコースとのこと。
石狩川周辺の土手とか草原とかを中心に,駈歩と常歩を組み合わせながら走っていく。
「要望があれば,もっと険しいコースもあります」とも言っていたが,まぁ今回は最初だしね。
体調が悪いこともあるし,おとなしく“普通の外乗”を楽しむことにする。



それにしても,いい天気。
いい風。
いい眺め。
こうやって広いところをまっすぐ走るってのは,実に気持ちがいい。
馬も駈歩すべき場所をちゃんと心得ているので,こちらがじたばたする必要がない。




で。
私は一度やってみたかった,ワンハンド駈歩をやってみた。
片手で手綱を束ねて持ち,そのまま駈歩。
途中で曲がる必要がないので,結構簡単にできた。
こうすると片手が空く。
空いた手で,デジカメを取り出す。
これを駈歩したまま,後方に向けて適当にシャッターを切る。
そのまま画像を確認。
後続がうまく写っていないので,また後方に向けて撮影。


うむ。
むずかしい。


ブレるのは仕方がないとしても,そもそもフレーム内に後続が入っていない。
代わりに私の肩が写っている(w
いくらなんでも,駈歩中に振り向いて撮影するのは自殺行為だろう。
そのためにこんないい加減な撮り方になってしまったが,何回かやっているとだんだんコツがつかめてくる。
多少地平線が曲がっていても,そこはそれ,臨場感あふれる写真ってことで許してもらおう。





1時間くらい走っただろうか。
オーナーの奥さんが車で先回りしている休憩ポイントに到着。
ここでお茶をもらい,馬たちにも水を飲ませる。
みんなが入るように写真を撮ってもらったりして,また出発。
昼飯を食べるところまではあと少しだ。






さきほど書いたとおり,今回のコースはスタンダードなので,特にハラハラするような箇所はないのだが,強いて挙げれば1箇所。
割と高い木の脇を駆け抜けるとき,枝が張りだしていて,それを手で払ったり,上体を伏せたりして通過。
ごく短い距離だったし,ノーサイドに比べればまだまだぬるいけど,こういうのがね,結構楽しいのよ。
普段はないしね。

ただ,ここで写真を撮る余裕はなかったけど。





さらにしばらく進んで,12時前くらいだったのかな。
お昼休憩のポイントに到着~。
結構走って,いい感じで汗をかいた。
ここで馬たちも休憩タイム。




お昼休み。





お昼は「○藤水産」という海産物の土産物とかを売っているところ。
2階で食事ができるのだ。
ここで裏メニューという海鮮丼をがっつりと食べる。
北海道はどこで食べても魚が美味い。
魚好きにはたまらんね。


ここでの休憩は1時間弱くらいだったかな。
時計を見ていないので,どうもよく分からんけど。



昼食後,駐車場に農産物の直売所みたいなところを発見。
馬にニンジンを買っていってあげようということになり,4本入り100円を購入。
すると,店のおじさんが
「馬,来てるの?」
と言うのでそうですと答えると,
「じゃあ,これ持っていきなよ。」
と言って,大きなビニール袋にとうもろこしの皮を詰め始めた。

一応葉っぱだけど,はたして馬たちが食べるのかどうか分からなかったので,袋の2/3くらいまで詰めてもらったところで,それ以上はお断りしてきた。
あとで,もっともらっておけばよかったと残念がるのだが。









馬たちのところに戻ると,すでに馬装が完了している。
我々もとっとと準備せねば。
オーナーさんの車はワンボックスタイプのワゴン車。
その後部ドアを大きく上に開け,もらってきたとうもろこしの皮を積み込んだりしつつ,チャップスを付け始める。

いつものクセで,ひょいっとメットをかぶってから,チャップスを付ける。
借り物なので茶色なのがちょっとヤだけど。
マジックテープで留めて,さーいよいよ行くか,と立ち上がった瞬間,









ごんっ!!










「ぅぐぉっ・・・(☆_☆;)」


脳天直撃。
開けていた後部ドアにモロに頭をぶつけ,声も出せずにうずくまる私。
衝撃でコンタクトが飛び出すかと思った。

見ていた人は,呼吸できなくなるほど大笑い。
笑いごとじゃねぇっつーの。

ちくしょー・・・
北海道まで来てもこれかい・・・_| ̄|○lll



でも,先にメットかぶっておいてよかった。










そんなハプニングで笑いを取りつつ,復路出発。
順番は往路と同じで。

帰り道でも,振り向いたり,カメラだけ向けたりして撮影。
風が少々強くなってきたけど,問題なし。
のどかでええのぅ。



往路とは若干異なるルートで帰ってきた。
いやぁ,走ったね。
がっつり乗れて,満足,まんぞく。







牧場に戻ってから,ニンジンと,さきほど積み込んだとうもろこしの皮をあげてみる。
すると,これが食べる食べる。
オーナーさんもちょくちょくもらいに行くらしく,とうもろこしの皮は馬たちの大好物なんだとか。
つないでない馬たちが


  「オレにもくれ。」

  「もっとくれ。」

  「いいからくれ。」


と言わんばかりにわらわらと集まってきて,片っ端から食べていく。
あげ始めてからものの数分で完食。
その食べっぷりが可愛いやらおかしいやら。
最後まで楽しませてもらいました。







今回は3時間25キロで昼食付のコース。
しめて2万3,500円なり。
これ以外にも40キロのコースなんかもあるそうだが,同じ25キロのコースで,通る道を変えてもらうだけでももっとスリリングな騎乗が楽しめるんじゃないかな。
札幌からの距離もほどよい感じ。
オーナーさん夫婦も温厚で人当たりがよかった。


着替えて支払いを済ませたあとは,オーナーさんが近くの温浴施設まで送ってくれた。
しかも,一旦通過して駅までの道を通ってくれた。
親切だなぁ。
(この施設の割引券もくれたし。)


ここで汗を流し,ついでに晩飯(そばと餃子と刺身の盛り合わせ)を食べて,ちょっと早いけどホテルに戻ることに。






しかし,この「ちょっと早い」が,このあとの悲劇を招くことになる。





                       【後編につづく。】










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