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主人の入院しているこの病室は寝たきりの手のかかる病人ばかりの部屋らしい。住人は目まぐるしく変わる。
先日紹介したご老人も昨日転院していった。娘さんたちが迎えにきた。
「ジッチャン!今日退院やデ!」 と
「家へ帰れるのか?」 とそれはそれは嬉しそうな声。
「イヤ!〇〇苑へ帰るのヤ 皆まったはるデ!」 と
老人がっかりしたのか声がない。
何処かの施設から入院し また帰っていくらしい。
時々しか見舞いに来ない家族の 何時も 「今度羊羹持ってきたるからナ」 とか
「ちゃんと看護婦さんの言うこと聞くのやデェ ケーキセット食べに連れて行ってやるからナァ」 と(馬に人参じゃあるまいし…)
主人は 「人間 年を取ると子供に帰り やがて土に帰る。しかたないのじゃないか?」 と達観しているが 私は背筋に冷たいものが走るのを禁じえなかった。
向かいの住人は主人より3日ほど先に手術であったが 60代とお見受けする恰幅の良い方だ。(カーテン開けっぱなしで見えてしまう)
ご家族は手術の日 ご婦人が一人見えただけだ。昼間尋ねる方もない。
この狭い部屋の中にも様々の人生模様がある。