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2005年12月15日
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カテゴリ: 宮部みゆき作品
 12月11日に「『孤宿の人』についての大森望の評価」と題した拙文を載せましたが、これはSIGHT編集部・編『日本一怖い! ブック・オブ・ザ・イヤー 2006』(ロッキング・オン、2005年12月)に載っていた翻訳家・評論家の北上次郎とミステリー評論家の大森望との対談から引用して紹介したものでした。

 その北上次郎と大森望とが2001年から2004年にかけて計14回にわたってエンタメ本について語り合った対談集が『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』(ロッキング・オン、2005年3月)という本です。

 なぜ私がこの本を買ったかといいますと、その答えは単純明快です。北上次郎と大森望のご両人がこの本の中で宮部みゆきのことをとても高く評価しているからです。例えば、立ち読みしていて、つぎのような文章が目に入ってしまったら、どうして買わずにおれるでしょうか。

大森
 僕、いつも駅前の喫茶店で仕事してるんですけど、そこのおばさまがたとの最近の話題は、もっぱら宮部みゆき(笑)。何か一冊読むたびに、「宮部さんの何々を読んだんですけど、あれは面白かったです」って話をしにきて(笑)。「今まで小説なんかほとんど読まなかったんだけど、宮部さんだけは別」って。たまにダブった本をあげるとすごく喜ばれる。ふつうの人との会話のネタは主にサッカーと宮部みゆき(笑)。


北上
 そう、ふだん本を読んでない人でしょ? ふだん本を読んでない人から、我々みたいに商売で読んでる人間まで納得させるんだもんね。だから国民作家っているじゃないですか? 昭和三〇年代の吉川英治とか、そのあとの司馬遼太郎とか。でも、司馬遼太郎の次は誰かっていうと、宮城谷昌光とか池宮彰一郎とかって言われるけども、もしかすると宮部みゆきじゃないかっていう気がする。


 そんな北上、大森のご両人の間で評価が大きく分かれたのが『ブレイブ・ストーリー』なんですね。大森望が 「これ、宮部さんは『ファンタジーが苦手な人にも読んでもらいたい』と言ってて、その重要な試金石が北上次郎なんです(笑)。つまり、ファンタジ一嫌いの北上さんでも面白いと言えば成功だと 」との発言に、すかさず北上次郎が 「これは面白かったよ! うまいね~、やっぱり、宮部みゆきは」 と応じ、つぎのように大絶賛しています。

北上
 ファンタジー嫌いとしては、魔物や魔法が出てきた時点でダメなんだけど、これは気にならない。これはうまさだね、宮部みゆきの。少年が異世界に入る前の現実世界の話が長過ぎるという批評があるけど、それも気にならなかった。むしろそれが旅の動機づけなわけだから、これくらいあっていいよね。あの部分があるから異世界の旅が単なる絵空事で終わらない。すばらしいよ、これは。


、「うまいとは思いますけど、個人的にはちょっとベタ過ぎる。特に、異世界へ行っちゃってからは、まるで存在しないRPGのノベライズみたいな雰囲気で。こういうのは昔さんざん読まされたから、もういいよと……」 としており、、北上から 「ちょっと待って! こういう主人公がゲームみたいな旅に出るという骨格の小説って、さんざんあるの?」 との質問に、 「ありますね」 と答えて、つぎのような作品名を挙げています。

大森
 源流をたどれば、それこそ『ナルニア国ものがたり』(C・S・ルイス/岩波書店)があるし、日本では新井素子の『扉をあけて』(集英社コバルト文庫)とか。RPG型の冒険ファンタジーは、八〇年代末から九〇年代半ばにかけて一大ブームを巻き起こしたんですよ。『ロードス島戦記』(水野良/角川スニーカー文庫)なんて数百万部の大ベストセラーだし。『スレイヤーズ!』(神坂一/富士見ファンタジア文庫)、『フォーチュン・クエスト』(深沢美潮/電撃文庫ほか)、《エフエラ&ジリオラ》(ひかわ玲子/講談社X文庫)……。


 私も北上次郎同様、ファンタジーが苦手で、大森望が上に挙げた作品のどれも読んだことがないので、ファンタジー作品としての客観的評価など全く出来ないのですが、少年が異世界で剣と魔法を使ってRPG的冒険を繰り広げる『ブレイブ・ストーリー』をちゃんと最後まで読み通すことが出来ましたよ。読後の感想は、拙HP「私の宮部みゆき論」に 「『ブレイブ・ストーリー』に見るジュブナイル風SF」 と題して載せておきました。

 さて、そんな宮部みゆきの『ブレイブ・ストーリー』を原作とするアニメ映画が来年の7月8日から上映されるそうです。 このアニメ映画の公式サイト では、ワタルを松たか子、キ・キーマを大泉洋、カッツを常盤貴子、ミツルをウエンツ瑛士、オンバを樹木希林が声優をつとめることが紹介されています。映画予告編のアニメ映像も素晴らしく、とても期待が持てそうですよ。







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最終更新日  2005年12月16日 19時05分03秒
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ひろ009 さん
『読むのが怖い! 2000年代のエンタメ本200冊徹底ガイド』私も持っています。

その中の北上次郎と大森望の宮部みゆきについての対談、もちろん読みましたよ。
私のブログで宮部さんの七福神入りをかけた作品を『ブレイブ・ストーリー』にするか時代物にするか迷っているところです。映画も面白そうですね。
(2005年12月16日 22時37分07秒)

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