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2016年05月17日
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カテゴリ: エッセイ
 五月十三日(金)に私たち夫婦は鹿児島中央駅から午後3時28分の新幹線「みずほ」に乗って神戸に向かいました。翌日のお昼に長男の婚約者のご両親と顔合わせするためです。

神戸の街 三宮駅近くの宿泊したホテル前のマロニエ並木

 5月十四日お昼にご両親との初顔合わせを三宮の和食のお店「栄ゐ田」で行いました。妻はすでに先月に相手の御嬢さんのお母さんと結婚式予定場所での試食会で顔合わせをしているのですが、私たち夫婦が相手のお父さんと会うのは初めてのこととなります。私はお父さんと会うのは初めてなので些か緊張しました。まさか顔合わせ後に長男の婚約が破談になるなんてことはないでしょうが、ふと映画「男はつらいよ」の第一作のことが思い出してしまいました。

 映画「男はつらいよ」シリーズ第一作で渥美清演じるフーテンの寅さんがホテルニューオータニで開かれた妹のさくら(倍賞千恵子)の見合いの席で大醜態を演じる場面があります。見合い相手は、オリエンタル電気の下請け会社の社長さんの息子とのこと、見合い相手の父親に寅さんがセールス関係の仕事をしていると紹介され、父親から「どういう御種類のセールスを?」と質問され、「えー、主に…本ですね…」と寅さんは答え、さらに「出版関係ええ、出版といいますか、まあ、法律とか、統計とか…」と言い添えたので、相手の父親はなんとなく納得しますが、さらに寅さんが「その他、英語、催眠術、灸点方、夢判断、メンタルテスト、諸病看護方、染み抜き方、心中物、事件物、と、まあいろいろなんでもやってますけど…」と言い出したので、見合いの席の雰囲気がなんとなく怪しくなります。

 その後、会食が始まり、寅さんは慣れないフォークとナイフを使ったために、付け合せの野菜を入れている器を見合い相手のおでこに見事に当ててしまいます。まあ、これは手元が狂ったハプニングとして許されますが、寅さんが学のあるところを披露したいと思ったのか、妹のさくらの名前が戸籍上は「櫻」と出されており、「木へんに貝2つでしょ、それに女ですから、ええ、二階の女が気(木)にかかる」とこう読めるんですよ!」と説明し、調子に乗ってさらに漢字は面白いと言い出し、尸(しかばね)の下に水や米、比を加えると尿、屎、屁になるなんて下ネタ的なことを言い出します。

 会食で出されたビールで酔いが回った寅さんは、セロリをかじりながら見合い相手に「こんな美人の妹に、ぶっ壊れたツラの兄貴が いるってことは不思議でしょ?お兄さん」と問い掛け、「いやー、それもそのはずよ、これとオレとではね『種違い』なんだよ。あたしの親父ってのはね、大変な女道楽、私のお袋ってのは芸者なんですよ、えー、その親父が言うにはね親父がへべれけの時私を作ったんだとさ…」「親父はね、あたしのことをぶん殴る時いつも言ってたね。『おまえはへべれけの時つくった子供だから生まれつき バカだ』とよ! あんちゃん悔しかったなあ!…酔っ払って つくったんだもんなぁ…オレのこと…。真面目にやってもらいたかったよオレは!本当に」なんてことを言い出し、女性にだらしがなかった寅さんの親父のことまで暴露し出します。言わずにはおれない寅さんの悲しい過去を酔いに任せて吐き出したのでしょう。全然違った環境に育った私ですが゜なぜか寅さんの気持ちが痛いほど分ります。

 その他、酒にへべれけになった寅さんの演じる様々な醜態に見合いの席は無茶苦茶となり、後日になってさくらの見合い相手側から予想通り縁談は断られてしまいます。

 さて、話変わって長男の許嫁のご両親との初顔合わせなんですが、両家の相互の簡単な自己紹介が終わって全員着席したた後、私が「まずビールでも頼みましようか」と言ったところ、相手のお父さんが「体のためいま禁酒しています」とのこと、みんなでウールン茶を飲むことにしました。

 座の話が続かずシーンとなったので、何か話題がないかと私がお父さんに「何かご趣味をお持ちですか」とお訊きしたところ、「仕事が忙しかったので特にありません」とのこと、前に長男からお父さんが仕事に忙しく「家族のことは全て妻に一切任せております」とおっしゃっておられると聞いていましたが、私と同い歳(2月生まれで学年は一つ上)なのにいまも務めておられるとのこと、お会いして私とは随分違ったい真面目一筋の仕事人間の方らしいとの印象を持ちました。お母さんは穏やかで優しそうな女性という印象でした。

 話題がなかなか続かないので、長男が「私は鹿児島で生まれ育ちましたが鹿児島県人の血は一滴も入っていません。父は奈良県人で母は熊本県人です」と紹介したので、私は彼の言葉に続けて、「私の父は奈良県人ですが、母は日本統治時代の台湾に生まれた仙台にルーツを持つ東北人です」と付け加えたのはいいんですが、つい「私のオヤジは酒が強かったんですよ。酒も女も好きでした」と余計なことを口走ってしまい、自分でこれはヤバイと慌てて話題をすぐ変えましたよ。



 さらに私の醜態は続き、靴を履こうとして新品の靴を履いてきたこともあり、なかなか履けず、お店の人が持ってきた長い靴ベラも上手く扱え切れず、自分の指先を靴のかかとになんとか無理矢理入れ込んでやっと履くことが出来ました。後から席を立たれた相手のご両親はおそらくその様子を些か困惑して見ておられたことと思います。

 翌日の五月十五日(日)に新神戸駅から午前10時12分発の新幹線「さくら」に乗って鹿児島に帰りましたが、車窓から熊本近くの沿線から屋根に敷かれた青いビニールシートが次々と見え始め、今回の熊本大震災の生々しい被害が目に入って来ました。

 おっと、その後いままで神戸のご両親からなんの連絡もありませんから、今回の初顔合わせは無事に済んだと思っていいのでしょうね、ホッ。





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最終更新日  2016年05月19日 15時25分47秒
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