2013.12.23
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カテゴリ: 森林・林業
23日の熊本日日新聞。「日本林業に復活の兆し」という大きな見出しが目に飛び込みました。


記事は熊日独自のストレート記事ではなく、「共同通信編集委員 渡部道雄」という署名があるバイライン記事です。



「復活の兆し」としている論拠は、次のような点です。


● バイオマス発電。従来なら捨てられた間伐材を細かく刻んで燃料とする。全国で40程度の計画が進んでいる。

● 戦後植林された人工林が収穫期を迎える。樹齢50年超の森が中心になってきた。

● 市町村の建物や小中学校の校舎など公共の建築物の木造化が増えている。

● パネル建材「CLT]など、材木の技術革新が進んでいる。


この他に、・震災復興需要や住宅需要が堅調であること ・新規就業を促進するための「緑の雇用」が実施されていること

・「高性能林業機械」が普及してきたこと などを挙げられています。







ところが、現場で「復活の兆し」と言われても実感を持つ人は少ないと思います。


「アベノミクス」で景気は上向きにあると言われても、庶民が実感することはないのと同じです。


確かに、このところ木材の市場価格は上昇しています。

しかし、負け癖がついてしまっている林業界は、これをチャンスとは捉えていないようです。

すぐに元に戻ってしまうのではないか、消費税増税によって逆に市場は冷え込んでしまうのではないか、

という見方をする人が多いように感じます。



この記事で「復活の兆し」の論拠として挙げられていることに説得力はありません。今に始まったことではないからです。

特に大きな見出しで書かれている「戦後の人工林 収穫期迎える」という点は、「復活の兆し」と呼べるものではありません。

林業が低迷してきたのは供給力不足によるものではないからです。供給力が増えたからと言って、市場がだぶついては元も子もありません。


「追い風」と呼べるような状況は、ずっと続いていました。それでも「復活」には程遠いのが現状だったのです。

「復活」など、夢のまた夢だと思ってしまいます。






少しづつ状況が変化してきたと見ていいのでしょうか?

林業を営む者としては、状況が良くなることを強く期待しています。



長い間の低迷状態が身についてしまったものにとって、前述したように、こうした記事はにわかに鵜呑みにできるものではないのですが、

「景気は気から」とも言いますし、共同通信編集委員 渡部道雄氏の「目」が確かなものであってほしいと願うばかりです。





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Last updated  2013.12.25 08:02:34
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