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2021.04.03
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カテゴリ: 旅を推理する

トロントからモントリオールに向かう
エア・カナダの国内線AC422は、
128ゲートにつながれていた。
私は息を切らせて機内に入った。

私の隣の席にはベイビーをつれたご婦人が、
私のすぐ目の前で座ろうとしている。
そして、座った瞬間に私に話しかけてきた。
私は戸惑うのである。

彼女は私に「子供に母乳をあげたいのだが問題ないか」と言うのである。
すでに子供を育て上げている私である。
母乳をあげるシーンなど気にしないのだが、ここは外国だ。
そのような時、男性はその場を離れたほうがいいのだろうかと思った。

即座に返答できない私を英語が通じていないと思ったようだ。
アテンダントもやってきて、二人は早口で何か話している。
時たま私に話を振るのだが、それには答えられない。
私が席を代わろうかというと、ご婦人が「あなたは代わる必要がない」という。

ご婦人がもう一度私に聞く。
「授乳時はキレをかぶせる。だから、大丈夫か」
この大丈夫かは、日本語であった。
私は思わず「大丈夫だ」と日本語で答えてしまった。

すると、そのご婦人はアテンダントに
「大丈夫は英語でOKだという意味だ」と伝えているのである。
ご婦人は日本通のようだ。私は話の内容を理解していた。
私は、「I underastand」を何度も繰り返していた。

ご婦人が子供に母乳を与えて終わってから、
私は名誉挽回のために彼女に話しかけた。
彼女はとても優しい英語を使って、ゆっくりと話してくれた。
とても英会話が苦手な日本人になれているといった感じだ。

それもそのはずである。
彼女は 1995 年ごろ、 2 年半日本の宇都宮に住んでいたという。
そこで、ノバの英語教師をしていた。
また、その職場で今の旦那さんと出会った。

忘れたのだが、彼女はこの出会いを少しドラマチックな表現をしていた。
例えば「運命の出会い」。
彼氏はカナダ人。
彼女はイングランド人。

結婚して、カナダのモントリオールに住むようになったという。
彼女は日本びいきだ。
宇都宮のぎょうざも誉めていた。
日光や那須の自然も懐かしがっていた。

ベイビーは 1 歳くらいの男の子、名前は、デイビィ~とか。
後半は聞き取れなかった。
「日本の友達が、デブです」というそうだ。
そっちの方を覚えてしまった。

「ぼく、デブです」
丸々しているが、肥満ではない。とてもかわいらしい。
目がぱっちりでおかあさん似。でも目の色はおかあさんと違う。
おとうさん似なのだろうか。

「彼の目はとてもきれいだ」
思わず私はそういっていた。
彼女はとても満足げにほほ笑んだ。
ベイビーは、母親の手からベイビーフードを取り上げようと大奮闘をしている。

東洋人に興味を持ったのか、私の顔をじっくりと見つめてくれる。
私は小指を差し出し握手を求める。
彼は明らかにはにかんでいる。
それでも、私の小指をしっかり握って握手をしてくれた。

ご婦人からモントリオールの情報も頂いた。
遅れて飛び立たない飛行機の中で 30 分と、上空での一時間、
英会話の特別レッスンを受けた形だ。
飛行機が雨に煙るモントリオールに降り立った。

やっと、目的地に降り立った。婦人に感謝を述べて別れた。つづく。

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最終更新日  2021.04.03 11:53:00
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