文春新書『英語学習の極意』著者サイト

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観劇・読書メモ 4

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平成21年11月14日~平成22年2月7日 の実況はこちら)

イベント:
220426  河内國平 Gallery & Talk 「古代刀復元について」 @ 銀座おとな塾 (銀座二丁目、ファサード銀座9階)
(40年ぶりにお会いできた、刀鍛冶の河内國平先生。わたしの父が親しくお付き合いをさせていただいたかただ。そのころ先生は東吉野に鍛冶場を開かれたばかりで、新婚の奥様もお美しかった。その奥様は今も、女優のようにおきれいで、かつ聡明でいらっしゃる。
国宝 「七支刀」 の工法解明のための復元制作にまつわる今回の國平先生のお話は、最高の職人の真摯さと天性の洒脱が交差して、大層おもしろかった。
イベントは23日から始まっていて、もっと早く来ておれば、わたしの父のために 「贈泉鷹美氏」 と刻銘された太刀 「千曲川」 が展示されていたのだが、残念ながら展示替えとなり、見ることはかなわなかった。「千曲川」 は、父が亡くなったとき、われら兄弟3人ではとても管理できぬからと、河内國平先生へお返ししたのである。)

220427  河内國平 Gallery & Talk 「日本刀の魅力 (刀の鑑賞の仕方)」 @ 銀座おとな塾 (銀座二丁目、ファサード銀座9階)
(前夜に引き続き、お話をうかがった。)


観 劇:
220216  大笑い + 相寄る魂 + 詩人の墓 @ 銀座みゆき館劇場  作・ギィ・フォワシィ (Guy Foissy)、演出・村田 大
(東京では、ギィ・フォワシィ・シアターという劇団が昭和51年以来、ギィ・フォワシィの作品の上演に取り組んでいる。残念ながら、わたしには合わなかった。銀座みゆき館劇場という客席80人ほどの小劇場もはじめて来た。銀座のソニービルのそばにこんな空間があるとは驚き。)

220220 カーテンズ @ 東京国際フォーラム ホールC  岡 千絵 (Bambi Bernet 役) 演出・振付: ビル・バーンズ  出演: 東山紀之、大和悠河(やまと・ゆうが)、マルシア、鈴木綜馬、鳳蘭 (おおとり・らん) 、大澄賢也、芋洗坂係長
(コミカル ヴァラエティーショー的な宣伝ポスターの印象とは異なり、ブロードウェイ ミュージカルのストライクゾーンど真ん中の佳作だった。岡千絵さんのインディアン娘姿がキュートで最高! ファンになってしまった。ブログへもリンクさせていただきました。)

220227 上海バンスキング @ シアターコクーン  演出・美術・タイトルロール: 串田和美 (かずよし)  ほか 出演: 吉田日出子 (ひでこ) 、笹野高史 (たかし) 、さつき里美 (りか) 、小日向文世 (こひなた・ふみよ) 、服部吉次 (よしつぐ)
(かつて社会現象になった 「上海バンスキング」。当時は縁がなかったが、ようやく見ることができた。)

220322  ヘンリー六世 @ 彩の国さいたま藝術劇場  演出・藝術監督: 蜷川幸雄、翻訳: 松岡和子、台本化: 河合祥一郎  出演: 上川隆也、大竹しのぶ、吉田鋼太郎、池内博之、草刈民代、瑳川哲朗、原 康義、たかお鷹、中島来星 (らせい)
昨年11月の新国立劇場での舞台 は、浦井健治さん・ソニンさんが主役で、舞台美術も華麗でいかにもカネがかかっていたが、演劇としての力はこの蜷川作品が勝る。上川隆也さんのヘンリー六世には納得感があったし、台本構成を工夫してジャンヌ・ダルクとマーガレットという2人の女傑を大竹しのぶさんに演じてもらったのも快挙。陰惨な戦闘を暗示すべく天井からバシッズドッと次々に降ってくる巨大な肉塊の迫力よ。舞台をオモテとウラから見せる趣向で、ぼくはウラの最前列中央で観た。)

220403 サ・ビ・タ ~雨が運んだ愛~ @ 本多劇場  駒田 一 (はじめ) 、原田夏希、山崎育三郎
(ぼくは駒田 一さんのファンです。前から気になっていたミュージカル。4月3日には韓国原作の音楽を担当したチェ・ギソプさんが観客として観に来られていて、カーテンコールのあと舞台で感想を述べていただけました。本多劇場ははじめてですが、たいへん見やすい席で気に入りました。)

220407 ガイズ&ドールズ @ シアタークリエ  笹本玲奈 (Miss Sarah Brown 役)、高橋由美子、錦織一清 (にしきおり・かずきよ) 、内 博貴
(笹本玲奈さんのハイな酔っぱらい姿は初見です。玲奈さんが小ぶりの劇場でお芝居をするのも、初めてでは? そして、期待どおり高橋由美子さんのエネルギー。「プロデューサーズ」 のノリのブロードウェイらしいハッピーな作品。群舞にシアタークリエの舞台はやや狭すぎたかな。)

220415  ガイズ&ドールズ @ シアタークリエ  笹本玲奈 (Miss Sarah Brown 役)、高橋由美子、錦織一清 (にしきおり・かずきよ) 、内 博貴
(2度目の観劇です。カンパニーのノリもよくなってきました。)

220417  レベッカ @ 帝国劇場  大塚ちひろ、山口祐一郎、石川 禅、涼風真世、寿ひずる、吉野圭吾、tekkan
(平成20年4~6月のシアタークリエ上演は2回見せていただいた。今回の帝劇公演キャストは、一昨年のメンバーそのままにダンヴァース夫人だけダブルキャストで涼風真世さんが入った形。3月の中日劇場公演を経て、円熟の舞台。帝劇の広い空間に、贅沢につくられた大道具、衣装。客席の闇を包み込む音楽。シアタークリエ版とはレベルの違う感動と満足をいただきました。やはり、帝劇は、いい。)

220420  ガイズ&ドールズ @ シアタークリエ  笹本玲奈 (Miss Sarah Brown 役)、高橋由美子、錦織一清 (にしきおり・かずきよ) 、内 博貴
(3度目の観劇です。15日の公演で、第1幕の笹本玲奈さんのソロ2曲に拍手がなかったので、今回はぼくが拍手をリードしました。あと、カーテンコールのときも笹本さんに Bravo! をさしあげました。)

220429  キャッツ @ キャノン キャッツシアター (横浜市)  早水小夜子 (グリザベラ役) 、種井静夫 (オールドデュートロノミー役) 、八鳥仁美 (はっとり・ひとみ、タントミール役) 、飯田洋輔 (バストファージョーンズ、アスパラガス、グロールタイガー役) 、朴慶弥 (ぼく・けいび、ジェリーロラム、グリドルボーン役) 、西村麗子 (ボンバルリーナ役) 、岸 佳宏 (スキンブルシャンクス役)
(恥ずかしながら、はじめてのキャッツ観劇です。いつでも観られると思って横着し、五反田のキャッツ劇場の千穐楽の3ヶ月前に予約しようとしたら、全席売り切れでしたのです。
CDで何十回と聴いたあの音楽は、こういう舞台だったかと、全篇、絵画の世界に酔いました。猫ちゃんたちが全員区別できるようになるまで、何度も観に来たいです。)


220502  ローマの休日 @ 銀河劇場 (東京・天王洲)  マキノノゾミ・脚本演出、鈴木哲也・脚本、吉田栄作 (Joe Bradley 役) 、朝海ひかる (Princess Ann 役) 、小倉久寛 (カメラマン Irving Radovich 役) 、川下大洋 (声の出演)
(あの名画 「ローマの休日」 を3人の俳優だけで舞台にかけるという壮大な冒険だが、脚本に一味くわえられ、舞台版ならではの深みに感動し、ぼろぼろになってしまった。上演にはパラマウントのライセンスが必要だが、地方公演もしやすい。舞台の古典として定着すればいいなぁ。日本発の海外ヴァージョンがいずれかの国で演じられることも夢見たい。)

220509  レベッカ @ 帝国劇場  大塚ちひろ、山口祐一郎、Sylvia Grab,石川 禅、寿ひずる、吉野圭吾、tekkan
(シルヴィア・グラブさんのダンヴァース夫人は、やはり、やはり、バシッと怖~~い。きょうは、ファン感謝デーということで、公演終了後にトークショーがありました。大塚ちひろ、シルヴィア・グラブ、石川 禅、吉野圭吾のお四方 (よんかた) 。司会はヴェテランの松澤重雄さんでした。)

220522  DREAMGIRLS @ Bunkamura オーチャードホール  Patrice Covington (Effie White 役) 、Syesha Mercado (Deena Jones 役) 、Chaz Lamar Shepherd (Curtis Taylor, Jr. 役) 、Douglas Lyons (James Thunder Early 役) 、Adrienne Warren (Lorrell Robinson 役) 、Trevon Davis (C.C. White 役) 、Margaret Hoffman (Michelle Morris 役)
(5月22日は、ぼくの誕生日。劇場の神さまからの誕生祝いとして 「ドリームガールズ」 を1列目の席で見せてもらいました。第2幕の One Night Only が最高。Effie が豪快に歌い、それに張り合うように Deena Lorrell Michelle の3人が cute & sexy に歌い舞い、ビリビリきました。Effie は Moya Angela さんと Patrice Covington さんのダブルキャストで、22日昼の部は Patrice さんの回でしたが、みごとな実力で魅了してくれました。)

220523  京劇三国志 赤壁の戦い 策略編・激闘編 @ 東京藝術劇場 中ホール
(昼の策略編と夕方の激闘編、合計4幕、4時間にわたり堪能させてもらった。程和平さんの関羽雲長は、自らの恩義心から曹操を見逃してやったあと、軍人としての不忠を悔やむ様子が、抑制された演技でみごと。品格ある王小蝉さんの諸葛亮孔明。感情がいかにもナマで揺れ動く、江峰さんの曹操孟徳。端正な尹章旭さんの劉備玄徳。華のある呉長福さんの周瑜公瑾。
策略編では、文丑の周琥さんが演じる間抜けな文官の蒋幹子翼が、周瑜と化かし合いをするくだりがおもしろい。
激闘編は、さまざまの武闘を見せてくれて、これまた別のおもしろさ。
今回の作品は、ストーリーの妙というより、登場人物それぞれの持ち味の表出を楽しむ舞台だった。)



コンサート:
220307 それぞれのコンサート 鹿賀丈史コンサート @ 東京国際フォーラム ホールC  鹿賀丈史、市村正親、 笹本玲奈、 田代万里生  指揮: 塩田明弘
(鹿賀丈史さんは、やはり 「ジキル&ハイド」 の 「時が来た」 にしびれた。笹本玲奈さんは最高にうつくしく、華麗な黒いドレスで 「ピーターパン」 の 「アイム・フライング」 と 「ネバーランド」、清楚な白いドレスで 「ウェストサイド物語」 の 「トゥナイト」 を鹿賀丈史さんと掛け合いで、それぞれ歌ってくれた。田代万里生さんの 「ウーマン・イン・ホワイト」 の 「すべては幻」 もみごとで、うならされた。)

220313 Frank & Friends/MITSUKO @ Bunkamura オーチャードホール  Frank Wildhorn、安蘭 (あらん) けい、マテ・カマラス、岡本 茜、井上芳雄、マルシア、 笹本玲奈 、田代万里生
(Act 1: Musical “MITSUKO ~ 愛は国境を越えて” コンサートバージョン。Act 2: Frank Wildhorn's Song Book. 笹本玲奈さんはローズ色の地に大柄の白薔薇を配したドレスで 「ルドルフ」 から2曲歌ってくれました。第1部は来年に安蘭けい さん主演で上演の 「ミツコ」 のさわりを。第2部は作曲家ワイルドホーン作品の贅沢なメドレー。後半はワイルドホーンさん自身のピアノ伴奏で。井上芳雄さんとマルシアさんの実力のほどを改めて実感しました。)


観 映:
220208  海角七号/君想う、国境の南 @ 銀座シネスイッチ2  范逸臣 (はん・いっしん、Van) 、田中千絵、中孝介 (あたり・こうすけ) 、梁文音 (りょう・ぶんおん、Rachel Liang) 、林暁培 (りん・ぎょうばい、Shino Lin)
(テーマ音楽が流れ出しただけで目が潤みだしたが、9割までコミカルなエンターテインメントだった。やや拍子抜けしたが、しみじみとした仕上がり。)

220212  アンダンテ ~稲の旋律~ @ ポレポレ東中野  新妻聖子、筧 利夫 (かけい・としお) 、紗綾 (さあや)
(東京での上映最終日に行った。上映後に原作小説著者の旭爪 (ひのつめ) あかね さんのサイン会があった。旭爪さんの三部作の第一作が 『稲の旋律』 といい、映画の副題はそこから来ている。三部作の完結篇 『月光浴』 とプログラムにサインしていただいた。)

220215  Katyn (カティンの森) @ 岩波ホール  監督 Andrzej Wajda (アンジェイ・ワイダ)
(じつに40年以上にわたって、ソ連の犯罪であることにポーランド人が沈黙を強いられた構造がよくわかった。人間を描くちからに圧倒された。登場人物によって然るべくポーランド語、ドイツ語、ロシア語が使われていて、ロシア語はほぼ理解できた。ドイツ語は半分くらい。ポーランド語は単語がところどころ聞き取れるていど。何語をしゃべっているか区別できるだけでも、この映画の鑑賞は一層深まる。)

220224  Last Chance Harvey (新しい人生のはじめかた) @ TOHOシネマシャンテ (有楽町)  Dustin Hoffman,Emma Thompson,Liane Balaban
(実年齢73歳のダスティン・ホフマンさんが60代前半の、仕事も家族も失った傷心の男を演じ; 実年齢50歳のエマ・トンプソンさんが40代前半のちょっと苦労人の女性を演じる。エマ・トンプソンさんの雰囲気がわたしの女にすごく似ていて、かつホフマンさん演じる主人公のドジなところがぼくに似ていて、深く感情移入してしまった。)

220317  台北漂雪 (台北に舞う雪) @ シネスイッチ銀座2   陳柏霖 (ちん・はくりん) 、童 瑤 (どう・よう)   監督・霍建起 (かく・けんき)
(「海角七号」もそうだが、台湾の くちゅくちゅとした街並み、手狭な部屋の生活感、わいわいにぎやかな祭りなどが、替えがたい道具立てになっている。陳柏霖さんのさわやかさ。童 瑤さんの、包み込みたくなる存在感とスイートな歌声。ラストの、空に揚がる赤い “天燈” のシーンが幻夢のように仕上がった。しかし 「台北に舞う雪」 がボヤを消す化学消化液だったとは、バカにしている。一気にしらけた。そんな設定なら、題名に 「舞う雪」 は使わないでほしかった。)

220330  New York, I Love You @ TOHOシネシャンテ (日比谷)
(11人の監督が短篇競作しつつ、全体としてひとつの織物に仕上がっている不思議な映画。それぞれの監督の担当部分ごとに出来不出来があり、やや退屈な箇所分もあったが、心の淵に残る映画だ。)

220422  NINE @ 丸の内ピカデリー  Rob Marshall 監督、Daniel Day-Lewis, Marion Cotillard, Penelope Cruz,
Kate Hudson, Nicole Kidman, Judi Dench, Fergie, Sophia Loren

(息がつまりそうになるほど贅沢な映画! 豪華な女優陣のそれぞれのひとの、もっともおいしいところを引き出している。現実と幻視の交錯映像が美しい。Marion Cotillard さんの演じるルイザ・コンティーニが、わたしの女に似ていて、せつない。通好みタイプの映画のせいか、観客が少なくて名画に申し訳なし。)

220430  NINE @ 丸の内ピカデリー
(何としてももう一度観たくて。ルイザは、ほんとに、わたしの女に似ている。Kate Hudson さんが妖艶。Nicole Kidman さんの、ちょっとした仕草のかわいさ。Judi Dench さんの若い頃って、どんなだったのか、ぜひ見てみたいな。 NINE の歌の数々、CDを買って聴きまくりたい!)

220506  カケラ @ ユーロスペース1 (渋谷)  安藤モモ子・監督・脚本、 中村映里子、満島ひかり
(さいしょビラを見て気になり、次に満島ひかりさんの紹介をテレビで見て気になり。あれ、レズの映画だった…。でも、レズの映画ではない。表面上の無気力の裏で、とことん強欲に自分なりの納得を求める女、ふたりそれぞれの姿。)

220510  District 9 (第9地区) @ 丸の内ピカデリー
(スターウォーズのようなファンタジー的な作り込みではなく、マイケル・ムーアの 「キャピタリズム」 のようなドキュメンタリー的な作りで、現実感に打ちのめされた。終映後、しばらく立てず。帰り、銀座の路地が第9地区の一角に思えて…。)

220518  An Education (17歳の肖像) @ TOHOシネシャンテ (日比谷)  Carey Mulligan, Peter Sarsgaard, Alfred Molina, Emma Thompson
(キャリー・マリガンさん演じるジェニーは、かわいい顔立ちといい、こましゃくれ方といい、ぼくの2番目の娘にそっくりだ。だから、とりわけ感情移入して見てしまった。キャリー・マリガンさんが出る映画は必ず見なくては! どんでん返しに参ったが、実話をなぞり脚色したものだと、エンディングに書いてあった。)

220528  トロッコ @ シネスイッチ銀座2   尾野真千子、原田賢人 (子役) 、洪流 (呉仁栄おじいちゃん役)
(台湾ものだからと半ば義務感で観に行った。前半がだらだら、20分くらいカットすべきだが、後半俄然締まって役者さんの命が燃え始め、見終わってつくづくいい映画だと思った。
日本統治時代に、日本人になりたくて頑張った呉仁栄翁が、たどたどしいが端正な日本語で 「そういう人生を経てきた我々に、なぜ日本人は向き合ってくれないんだ。賠償、欲しくない。ただ、向き合ってほしい」 と尾野真千子さん演じる夕美子に語る場面が印象深い。)



読 書:

<平成210522 以前に購入の積ん読 (つんどく) 本、ようやく読了>
220301  タイ語の基本 初級から中級まで (三修社、平成20年刊) 吉田英人 (ひでと)
(タイ語感覚の錆落し。東北タイ語 (= イサーン語 = ラオス語) のサワリの紹介があるのが本書の際立った特色。タイにいるとき、イサーンの民はラオス文字を習わないと自分の言葉を書けないのではないかと勝手に思っていたが、もちろんそんなことはなくて、イサーン語 = ラオス語は表音文字たるタイ文字で表記可能だ。)

220330  日本語が亡びるとき 英語の世紀の中で (筑摩書房、平成20年刊) 水村美苗 (みずむら・みなえ)
(発売当時はとんでもない本だと思い、でも配信誌の読者に奨められて買って読み出したが、第1章がたるくてほうっていた。第3章からが俄然おもしろい。すぐれた文明論。)

220418  運命の足音 (幻冬舎、平成14年刊) 五木寛之 著
(自らの生い立ちに向き合う誠実さ。五木さんは、わたしが信頼できる作家だ。この本は、ぼくのだいじなかたにお譲りするつもり。)


<平成220208 以降に購入・受領/読了>
220208/230106  その科学が成功を決める (文藝春秋、平成22年刊) Richard Wiseman 原著
(文藝春秋社の編集者おふたりと、久々に会食した。おふたりが最近編集した本書以下6冊の本をいただいた。)

220208/230825  ジミーの誕生日 ― アメリカが天皇明仁に刻んだ 「死の暗号」 (文藝春秋、平成21年刊) 猪瀬直樹 著
(読前: 猪瀬さんは、読まずぎらいですが…。読後: 単なる歴史ダイジェストで、独創なし。意義が感じられない本だ。)

220208/0626  名著講義 (文藝春秋、平成21年刊) 藤原正彦 著
(お茶大の学生たちと藤原先生の対話形式。名企画と見ました。読んでみるとところどころ、学生向けの分かり易さを考えてか一面的にすぎるコメントがあって、抵抗を感じることもあったけれど。宮本常一著 『忘れられた日本人』 を取り上げてくださったのが、うれしい。『福翁自伝』 を読まねば!)

220208/230827  新・がん50人の勇気 (文藝春秋、平成21年刊) 柳田邦男 著
(平成19年の 『文藝春秋』 連載を単行本化。本田美奈子さん、真鍋 博さんのことも。≪この上は燃えるがごとき恋をして癌細胞を焼きつくしたし 長尾宜子≫)

220208/0310  中国は崩壊しない   「毛沢東 (ビッグブラザー) 」 が生きている限り (文藝春秋、平成22年刊) 陳惠運、野村旗守 (はたる) 共著
(逆説的タイトル。本質をついた名著だ。配信コラムで取り上げるつもり。)

220208/0319  中国 巨大国家の底流 (文藝春秋、平成21年刊) 興梠 (こうろぎ) 一郎
(中国共産党の人権抑圧事例を丹念に記録・整理した労は多とするが、上掲の陳惠運・野村旗守 共著のような歴史と民族特性を見据えた深みはない。)

220212/16  月光浴 (新日本出版社、平成22年刊) 旭爪 (ひのつめ) あかね
(映画 「アンダンテ ~稲の旋律~」 の上映館、ポレポレ東中野にて購入。著者のサイン会があり、サインをいただいた。帯に、新妻聖子さんの田植え姿の写真入り。)

220212/18  台湾鉄路と日本人 ― 線路に刻まれた日本の軌跡 (交通新聞社新書、平成22年刊) 片倉佳史 (よしふみ)
(このテーマで本を書くなら、片倉さんをおいて他にいないでしょう。)

220226  改訂版 羅和辞典(Lexicon Latino-Japonicum, Editio Emendata) (研究者、平成21年刊) 水谷智洋 (みずたに・ともひろ)
(家の本棚のどこに置くか迷い買うのをためらっていたが、ついに知の欲望が臨界点に達し、丸善で購入。運よく、改訂版の第2刷である。)

220226  ラテン語初歩 改訂版 (岩波書店、平成14年刊) 田中利光 著
(図書館から借りて半分くらいまで勉強したが、やはり買うことに。)

220226  独習者のための楽しく学ぶラテン語 (大学書林、平成4年刊) 小林 標 (こずえ)
(小林標さんの中公新書 『ラテン語の世界』 が勉強を後押ししてくれた。この本にも元気をいただこうと思い、購入。)

220312  没後400年特別展  長谷川等伯 図録
(東京国立博物館 平成館で購入。2,500円。)

220313 多摩美術大学美術学部情報デザイン学科情報デザインコース卒業制作集  2010 「in +」
(会場の MODAPOLITICA で購入。1,000円。)

220321  小野竹喬展 図録

220322  多摩美術大学美術学部卒業制作展の図録
(会場の八王子キャンパスにて入手。
情報デザイン学科: 展示は2周したのだけど、帰宅して図録を見るとキャンパスで見た覚えのないものが沢山はいっている。映像作品のDVDつきで売価 500円だった。
絵画学科日本画専攻: 会場でも丹念に見た。図録は無料配布。靴を脱いで上がる床暖房つきの板間は心がなごむ。
グラフィックデザイン学科: 図録 (2,000円) を見てあらためて、個々に発想ユニーク、レベルは粒ぞろいを実感。
生産デザイン学科: 図録は1,500円。廊下の壁に企業の求人票多し。
なお、絵画学科版画専攻の図録 (500円) は買っていない。油画専攻は、最初に行って丹念に見たが、図録はなかったようだ。
彫刻学科、工藝学科展示に行く時間がなかったのが悔やまれる。)


220403 トレヴァー・ブラウン画集  Trevor Brown's Alice トレヴァー・ブラウンのアリス (Pan-exotica, 河出岩波書店、平成14年刊) 田中利光 著
(Bunkamura Gallery での原画展 「トレヴァー・ブラウン&山吉由利子 -アリスの時間-」 で購入。午後あらためて作家のサイン会に行き、ぼくが購入した Cosmic Kitty の絵の横にもサインしてもらった。)

220403  キャッツ ポッサムおじさんの猫とつき合う法 (ちくま文庫、平成7年刊) T.S.エリオット 著、池田雅之 訳
(英語版を読んでいたら、意味のわからないところがあったから、この訳本は助かる。)

220403  ペンギンブックスのデザイン 1935-2005 (P-Vine Books, blues interactions, inc.、平成22年刊) フィル・ベインズ 著、齋藤慎子 訳
(ペンギンブックスの表紙デザイン集は、ほかにも2冊もっている。切手の美の魅力を二乗したような魅力に、胸がきゅんとしてしまう。)

220417  市川伸彦画集 今日の出来事 (青木画廊、平成21年刊)
(はじめて青木画廊に行って常設展で市川さんの 「今日の出来事」 に出会い、魅せられ、オリジナルはとても買えないので画集をわけていただいた。市川さんの署名入りです。)

220502 没後10年記念  三岸 (みぎし) 節子展 図録 心の旅路 ― 満開の桜のもとに
(日本橋高島屋の展覧会に揺り動かされ買い求めた。三岸節子さんの渡欧後の絵の厚塗りの質感は図録では伝えようがないが、そこは感動の記憶で補う。百貨店の展覧会だが、図録は朝日新聞社が編集していて本格の仕上がり。)

220506/0816  この命、義に捧ぐ 台湾を救った陸軍中将根本博の奇跡 (集英社、平成22年刊) 門田隆将 (りゅうしょう)
(新聞広告をみて根本中将伝にワクワクだ。著者の門田さんをイベントにお招きしてトークしてみたい。昭和33年、高知県生まれだ。)

220506  スマートグリッド (日本電気協会新聞部 エネルギー新書、平成22年刊) 横山明彦 著
(新聞広告をみて業務上、読んでおかねばと。)

220522  池口史子 (いけぐち・ちかこ) 展 ―静寂の次― 図録
(松濤美術館へはじめて行って、過去の図録の展示コーナーで、西日をうけたエドワード・ホッパーという趣の絵にひかれて購入。池口史子展は平成20年10~11月に開催されたもの。池口さんは昭和18年生まれ、東京藝大油画科卒。)


220525  石田徹也全作品集 (求龍堂、平成22年刊)
(ギャラリーQで展示作品に圧倒され、9千円近い価格も高いと思わず購入。画集サイズでなお人を打つ力。)

220527  新日本耽美主義宣言  現代作家31人のイメージ化されたジャパニーズエロス (株式会社白楽、平成21年刊)
(スパンアートギャラリーで真条彩香さんの作品を買ったとき、併せて購入。彼女の署名入りの1冊を、デッサン画 SCENE #4 ROOM とともに引き取った。トレバー・ブラウンさんの絵も2作、収録されている。)


<図書館から借りて読了>
220301 詩集  心理 (みすず書房、平成17年刊) 荒川洋治 著
(荒川さんはぼくが大学生のころ、最も輝く新進詩人だった。意味をすり抜けた疾走が快いひと。だがこの詩集は、すり抜け続きすぎて、ついていけなかった。)

220302 詩集 詩七日 (しなのか) (思潮社、平成16年刊) 平田俊子 著
(こんな詩集が読みたかった。平田俊子さんはぼくとほぼ同世代だ。過去の作品も読んでみたい。)

220306 戯曲  ワンマン・ショー (白水社、平成16年刊) 倉持 裕 (ゆたか)
(飽きずに読めたが、何のことか分からなかった。第48回岸田國士戯曲賞受賞作品。賞の選評を読んでようやく、登場人物がじつは懸賞応募マニアの作り出した架空の人物像であって、だからこそ不思議に絡み合い、ずれてゆくのだという種明かしを得た。)

220307  ハイヒールと宝石が温暖化をもたらす (PHP新書、平成20年刊) 村井哲之 (てつゆき)
(その意気や良しの好著だが、地球温暖化の原因が二酸化炭素にありと信じきっているところが白ける。)

220314 ベスト・エッセイ2006  意地悪な人 (光村図書、平成18年刊) 日本文藝家協会 編
(詩人・平田俊子さんの名で検索し、借りた。「ベスト・エッセイ」 シリーズをはじめて読んで楽しかったが、集の2割ほどはわたしなら入れ替えたい。)

220322  ピアノ・サンド (講談社、平成15年刊) 平田俊子 著
(「ピアノ・サンド」「ブラック・ジャム」 という、ひりひりした小説2篇。それぞれに陰をもった人々が不器用に交わる。こういう小説が読みたかった。)

220323  平田俊子詩集 (お)もろい夫婦 (思潮社、平成5年刊) 平田俊子 著
(半分架空、半分はたぶん現実の、夫婦関係のドロドロとスカスカを、ユーモラスな誇張と寓意で詩化した。たしかなメッセージがありながら、理屈っぽくない。こういう詩が書きたかった。)

220326  ラッキョウの恩返し (思潮社、昭和59年刊) 平田俊子 著
(ぼくが商社で就職した春に出た詩集だ。銀河を漂う肉感。イメージをロジカルに紡ぎ、積み上げてゆく一篇一篇は、ペン画のようにわかりやすい。こういう詩を目指すべきだった。これを高校生のときに読んでいたら、ぼくの詩集は全然ちがったものになった。)

220327  私の赤くて柔らかな部分 (角川書店、平成21年刊) 平田俊子 著
(題名が意味深だが、この小説が 『野生時代』 誌に連載されたときは 「赤いお散歩」 という題だった。大したことは何も起きないのに、現実から10度くらい外れたところで人物が確実に生きているから、読んだあと後悔がない。)

220328  戯れ唄集 ことばの国のアリス (現代思潮社、昭和55年刊) 矢川澄子 著
(ことばをいつくしみ、まろびつくす。このひとの詩集と同時代に出会っていればよかったのにと、悔やまれる。矢川澄子さんは昭和5年生まれだから、ぼくの母と同い年だ。28歳で澁澤龍彦氏と結婚するが9年後に凄絶な終局。平成4年、自殺。そのみごとなことばの業の数々、これから読み進んでみたい。)

220406  受胎告知 (新潮社、平成14年刊) 矢川澄子 著
(誌的言語で綴られた太宰 治、と言おうか。収録作 「ファラダの首」 と 「受胎告知」 で映画を撮ってはくれないか。)

220411  兎とよばれた女 (筑摩書房、昭和58年刊) 矢川澄子 著
(本書の主篇 「いまはむかし 神さまと兎の住む小さな島国の物語」 は、かぐや姫に関する考察を交えつつ矢川澄子さん自身の生が映し撮られていて、こころに迫る美文なり。)

220423  帰ってきた星の王子さま (メディアファクトリー、平成10年刊) ジャン = ピエール・ダヴィッド (Jean-Pierre Davidts) 著、矢川澄子 訳
(『星の王子さま』のパロディーのような続篇。訳文の文体がうるわしい。惑星遍歴に出てくるエコロジストと統計学者への風刺が痛快。)

220425  静かな終末  (筑摩書房、昭和52年刊) 矢川澄子 著
(矢川さんの38歳から46歳までの文章を集めた。 おんな が なまなましい。)

220425 日本の名随筆 57  謎  (作品社、昭和62年刊) 半村 良 編
(矢川澄子さんの随筆も収められているので借りた。読ませるのは、團伊玖磨「怪電話」、星新一「シラノ・ド・ベルジュラック 架空対談」、遠藤周作「なぜ神は黙っているのか」、鈴木棠三「なぞの型 」。)

220518  日本語の値段  (大修館書店 ドルフィンブックス、平成12年刊) 井上史雄 著
(日本語の経済価値がズバリ算出されているわけではない。さまざまな言語への社会評価はピンキリなりという、誰もが経験的に感じていることを正面切って学問にした本。)

220522  気候文明史  (日本経済新聞出版社、平成22年刊) 田家 康 (たんげ・やすし)
(豊富な資料をよく読みこんで書かれていて、文明の盛衰はおおむね気候変動で説明できそうに思えてくる。気候変動に直接関わってきた要因が多種多様であるのに、最後の締めでは目下の二酸化炭素の濃度が過去60万年の何れの時期の値よりも多いことにお義理で (としか思えない) 警鐘を鳴らしている。)

220528  ギンイロノウタ  (新潮社、平成20年刊) 村田沙耶香 (さやか)
(肩のちからを抜いた 「ひかりのあしおと」 と、自閉が痛い表題作。出てくる 「私」 より 「母」 にリアリティあり。通読したけど、じつはぼくはこういうストーリーは苦手です。)

220529  気候の変化が言葉をかえた  言語年代学によるアプローチ  (NHKブックス、平成2年刊) 鈴木秀夫 著
(読むには読んだが、表題の 「言語」 にまつわる話は消化不良だし、後半は 諸外国の気候データのつまみ食い的な羅列。今年刊行された田家康著 『気候文明史』 の先駆であることに敬意を表すべきではあるが。)

220529  敬語はこわくない  最新用例と基礎知識  (講談社現代新書、平成11年刊) 井上史雄 著
(「敬語」 を言語システムとして飄々とおもしろがりつつ記述。教条主義的でないのも好感。名著なり。)

220530  日本語は生き残れるか  経済言語学の視点から  (PHP新書、平成13年刊) 井上史雄 著
(水村美苗著 『日本語が亡びるとき』 の先駆かと思える題名。井上史雄さんは横道にそれて楽しむのが好きなひとで、自らのフィロソフィーを滔々と論じるタイプではない。軽く読みやすく、かつ物足りないのは、そのせい。
「ショッピング」「バッティング」 のように、「~イング」 の前に 「ッ」 が入る流儀だったのが今や、「ヘディング」 「ジョギング」 「ハプニング」 のように 「ッ」 なしになっていることや;
「お + 動詞連体形 + になる」 が、「お読みになる」 「お買いになる」 などと使われるが、「見る」 「来る」 では 「お見になる」 「お来になる」 でなくて 「ご覧になる」 「おいでになる」 だ、といった指摘にぼくの語学好きがうずく。)


220530 詩集  狐の手袋  (新潮社、平成7年刊) 田村隆一 著
(「液: カイロの猫」 に曰く
≪ 新潟の若い女性から絵はがきがとどいた/ぼくより若い婦人は/すべて 「若い女性」 である そのうち/七十歳の 「若い女性」 も出現するだろう ≫。
また、「影」 に曰く
≪ 人のなかには人はいない/一握りの欲望と塩/六〇パーセントの液体と言語だけ/液体とともに言葉は循環しつづけながら/光/を求めているくせに//人は光を直視することができない/影だけが唯一の肉体 ≫
バラードにして唄ってみたい。)


220530 女優 岡田茉莉子 (文藝春秋、平成21年刊) 岡田茉莉子 著
(一気に読んだ。「秋津温泉」 と 「エロス+虐殺」 のDVDをさっそくネット注文した。心酔してしまいそうだ。)


CD:
<平成220208 以降に購入>
220407  Agassi wa Kondal dul (Guys And Dolls の韓国語版)

(シアタークリエの 「ガイズ&ドールズ」 公演で購入。韓国語では 「女の子とゴロツキたち」 と訳されている。韓国版初演は昭和58年。CDは昭和60年の録音版。ミュージカルCDにしては、セリフ部分を収録しすぎ。エレクトーン多用の演奏も不満が残る。)


220415  GUYS AND DOLLS -- A Musical Fable of Broadway (First Complete Recording)
(4月7日のシアタークリエでは売り切れになっていた英国版が再入荷していた。2枚組。大満足の公演録音。韓国語版はさっそく倉庫行きとなっております。)


DVD:
<平成210522 以前に購入のDVD、ようやく視聴>


<平成220208 以降に購入/視聴>
220208/0517 笑福亭笑瓶の 台湾新幹線で行く!  南台湾グルメと人情の旅
(「海角七号」 上映の銀座シネスイッチ2で購入。おまけとして、映画で盛んに登場した先住民の粟酒 “馬拉桑” の試供品もいただきました。語りで片倉佳史さんが大活躍。)


博物館など:
(平成22年1月からの画廊・美術館訪問記録は 美術館・画廊メモ へ。)

220330 開業120周年記念展示  帝国ホテル120年の歴史展 @ 帝国ホテル1階ロビー
(大正12年落成のライト館には2階になんと 「帝国ホテル演藝場 The Imperial Hotel Theater」 があり、正宗白鳥や谷崎潤一郎の戯曲の初演やヤッシャ・ハイフェッツのバイオリン演奏会、外国映画上映会などを行っていた。関東大震災直後は東京唯一の劇場だったと。ライト館は昭和42年に取壊し、昭和45年に現在の本館が開業した。)


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