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Jan 31, 2008
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テーマ: 小説日記(233)
カテゴリ: Ein Fl?gel von heute
The 1000th summer―



どうも、翼ある剣士です。

そんなわけで、今日は、先日仕上げた、短編小説のアップです☆

正直なところ、短編小説に関しては、1年以上のブランクがあるので

良く仕上がったどうかは、分かりません。。

少しでも多くの人の心に響いてくれればと

思ってるんですが・・・。やっぱり、無理でしょうか。

今回の短編小説のタイトルは『いつか』です。

全体的に主人公となる女の子を視点に書いています。







―えいっ☆

バチッ!

またはじかれた。

私は川澄菜月。幽霊。

所属は、すっごくフリーなんだよね。誰かの守護霊でもないし

うらみのある呪縛霊でもないし。

どういうわけか、だれかに憑こうとすると弾かれてしまう体質みたい。

困ったものだよね。幽霊にとっては死活問題...

ま、でもずーっと憑いてなくても大丈夫なんだけどね。

本屋で見るどこかの小説みたいに一定の期間に

人に憑くことができなかったら、死神に狩られるとかもないし。



ピタッ。

・・・あれ?ついた?もしかして、ついちゃった!?

バチン!

あうっ!やっぱり、だめかぁー。

その日、団地と小学校に挟まれた坂道で出会った青年。



イケメンとでもいうのかな?

でも、超絶イケメンとかじゃなくて、あまり喋ることが無さそうな

クールっぽさ。21歳くらいかな?

結局、弾かれたけど、少しの間憑くことができたのは

この人が、初めてだった。

その人を尾行してみることにした・・・でも、

ストーカーとかじゃないからね!

その青年は、団地を通り、静かな道に出てきた。思ってみれば

この周辺は団地ばかり。

そんな中に存在する、一つの公園。でも、丘っぽいところ。

そこの名前には「公園」というのがつけられている。

でも、階段が何段もあったり、急勾配の坂があったり。

きっと上に上がれば、この町を見渡すことが出来るんだろうなぁ。

すぐそこの青年なんてほっといて、上に登ってみようと思った。

だけど、その青年もその坂を上り始めた。

登るのは、けっこう、しんどそう。雪でも積もっていれば

登るのは難しい。晴天でも、自転車じゃ一番上まで

上がるのは、難しそう。

そんなことを考えながら、死んでる私は特に体力の消耗はなく

頂上まで上がってきた。その頂上の真ん中には、さらに階段を

数段、上に上がった展望台っぽいものが位置してた。

ベンチが2箇所ある。

「やっぱ、今日は見えないな」


その時、初めて青年の声を聞いた。


17時過ぎの冬の雨上がり。あたりは、薄暗く、霧がかかっていた。

確かに、晴れの日で夕暮れ時にきたら、景色は良さそう。

雨上がりのベンチに座る青年は霧の広がる町を眺めていた。

乾きかけのベンチ。所々、まだぬれている場所がある。

数分ベンチに座っていた彼は、立って、

別の道から降りはじめた。

よく見てみると、この丘は、ウォーキングコースとして使えるみたいで

結構、広いみたい。

楽しそう。生きてた頃の私は、探検が好きだった。

こういう道がたくさんある丘は、気分がウキウキになる。

彼に着いてくと、少し降りた場所に、またベンチがある

休憩所みたいな所に着いた。こっちが側は

団地や住宅が広がる、住宅街の夜景が広がるのかなぁ?

こっちも霧であんまり見えないや。


「あいつが生きていれば、一緒に夜景をみることができたのにな・・・」

えっ?・・・どうやら、この青年は友達を亡くしてるみたい。

「私も生きていれば、この丘をしっかり踏みながら探検したい」

青年は右手に持っていた花をベンチの横に添えて歩き出した。

花なんてもってたんだ。薄暗くて全然気がつかなかった。

私は、再び歩き出した彼に着いて行った。

危ないなぁ。地面も雨でぬれて、ぐちゃぐちゃだし

周りは暗いし。この丘、ほとんど街灯がないし

完全に暗くなってから来ると、すごく危ない。

「うわっ!」

その時、青年が踏み外して、下に落ちそうになった。

「だ、大輔君!!」

・・・えっ!?あれ?!私の口から出た言葉は男の人の名前だった。

「ったく、ここは火事があってからこの道だけ整備されてないからなっ」

火事?この丘で、火事なんてあったんだ・・・。

青年は自力で上がって、歩き始めた。

良かった。幸い、左足だけが泥で滑ったみたい。

それにしても、火事って・・・。もしかして、その火事で

この青年の友達さんが亡くなったのかな?

木々で暗いウォーキングコースを下っていると、青年が何か喋りだした。



「お前が死んでから、もう10年か。当時は火事で荒れたこの丘だけど

今は緑がおいしげる丘に戻ったぞ。毎日のように花を置きに来て

何千回も花をそえてきた」

どうやら、亡くなった友人さんに話してるみたい。

「近くにいたのに、俺はお前を助けることができなかった。

あのとき・・・

―10年前

『よし、じゃあ、1分後に探しに行くからな!』

『うん!』

1、2、3、4、5、6、7、8、9、10・・・・

60!

よし1分だ。今日は絶対見つけてやるからな!・・・でもなぁ、あいつは

この丘を知り尽くしてるくらい詳しいからなぁ。どこに隠れてるのか

全然分からない。やっぱ、反則だよなぁ。

お~い、どこに隠れたんだ~?・・・って、「ここだよ~」って答えるわけ

ないか。

『こ、こっち・・・こっちだ・・・よ

あれ?今、声がしたような・・・・

「君ー!危ないから、こっちに!」

その時、男が話しかけてきた。

「え?いやだよ。今、遊んでウもん」

「ダメだ!今、通報があってね。あそこ、分かるかい?」


「火!?」

「そう、火事なんだよ!!早く!ここにいたら危ないから、今すぐ降りて!」

よく見たら、下には消防車が何台も来ていた。

「で、でも、友達が!」

―嫌だ。これ以上思い出したくない。

その日、結局、俺はあいつを見つけることが出来ず

見つけたのは、消防士だった。

「あまりにも最悪な見つかり方だったよな...

まさか、遺体で見つかるなんて・・・」

あいつは、火事に巻き込まれて・・・死んだ。

1分じゃなくて、50秒だったら、40秒だったら、30秒だったら

いつも悔やんでいた。いつしか俺は、毎日花をそえるようになって

あいつの好きだった、パンジーの花を毎日置いてきた。



とても悲しい話・・・。でも、なんだか自分にも覚えがあるような話..

青年のひとり言聞いているうちに、登り始めた場所とは

別の場所に下りてきた。近くには信号機があって

赤信号がこっちを照らしてる。その信号が青になったとき

彼は言った。

―『                             』


彼の口から発された言葉の中には、私の名前があった。

もしかして、火事で亡くなったのって私!?

・・・思い出せない。分からない。私の事じゃないのかもしれない。

同姓同名の人かもしれないし

・・・彼に行くことなんてできない。死んだ人間が生きている人間と

言葉を交わすことなんてできない。

でも、もし、一つだけ言いたいことが彼に通じるならば・・・。



― 日も暮れ、真っ暗な夜の中に舞いはじめた粉雪の中

私と青年は別々の道に進んでいった。

私は、青から赤に変わった信号のあかりで、できた彼の影を見ながら・・・。



短編小説「いつか」   完



この短編小説に個人的に採用したいテーマソング


「歌に形はないけれど」 /初音ミク

時間がある人は、是非、リンク先の歌も聞いてほしい。

個人的に採用したいんですけどねぇ。

公式にしたいくらい、ちょっと小説と歌があってるような気がして。


小説作:翼ある剣士  2008.1.25 完成作品 2008.1.31 発表


はい、以上です☆

どうでしょう?短編小説執筆通算3作目となる

「いつか」の出来は・・・。

短編に関しては、1年以上もブランクがあるので

良く仕上がったかは分からないんですけど・・・。

ちなみに、『   』の空白が、あるじゃないですか?

あれは、わざとですよ。わざと空白にしてます。

また時間があるときにでも、フリーページ化しておきますね。

というわけで、また明日もお会いしましょぅ。

それじゃ、またね、翼ある剣士でした。






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最終更新日  Jan 31, 2008 08:01:06 PM
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