関本洋司のblog

2004年10月20日
XML
テーマ: 戦争反対(1263)
カテゴリ: コラム
 非暴力に関して、柄谷行人とボブ・ディランが似たような発言をしています。

 「もう片方の頬を差しだすということは、もうそれ自体が攻撃的な行為だ。誰かが君を押したとする、その押す力を逆に利用して、そいつをやっつけるという戦法が実際にあるのだ。」(ボブ・ディラン『ロックの創造者たち』p103より)

 「~ところが一銭もかからない贈与の仕方があると思うのです。それはいわば「左の頬を出す」ことです。つまり、もしイスラム圏が----パレスチナも全部含めてですけど----西洋世界に対して何か行動を起こしたいのであれば、すぐに完全武装を解除すればいいのです。一切兵器も買わない。もしそのような無防備の国を侵略したり軍事的に制圧したりすれば、国際的な非難を浴びます。一方、アメリカその他の国は兵器が売れなくなるので恐慌を来すでしょう。」(柄谷行人「文学界」p177)

 後者の柄谷行人氏の案は、国連の改革を必要とするでしょう。ちなみに同じ討議で、浅田彰氏は国連の常任理事国を「それこそくじ引きで決めればいい」と語っています。

 僕が強調したいのは、ガンジーに代表される非暴力、非武装の思想を一般化するのではなく、経済的な見通しの中でそれを語ることです。ですから、柄谷氏の発言の中で、兵器の売り上げに言及している箇所が重要だと思います。
 また、前回指摘した自立分散的な生産のあり方に関して、ガンジーの言葉(*)を再び資料として紹介したいと思います。

/////////////////////
*以下『ガンジー自立の思想』より

聞き手 問題は分配にあります。生産のほうでは、高度な完成の域にまで達しましたが、分配にはまだ欠陥があるのです。分配が平等に行われるようになれば、大量生産もその弊害を除去できるのではないでしょうか。

 西洋が成し遂げた科学の驚異的な進歩や組織が無用の物ということではありません。西洋の人々も彼らの技術を活用すべきです。ただし、善意から自分たちの技術を外国で利用したいと思うのであれば、アメリカ人は次のように言うべきです。「我々は橋を作る技術を持っています。それを秘密にしておくつもりはありません。全世界に教えてあげたいのです。橋の作り方を教えてあげましょう。もちろん代価を要求するつもりもありません」と。また、アメリカ人は次のようにも言うことでしょう。「他の国が小麦一粒育てるところ、我々は二千粒育てることができます」。そして、アメリカは教えを請う者にその技術を無料で伝授するのです。しかし、全世界が必要とする小麦を自分たちで栽培しょうなどと企てるのはとんでもないことです。そんなことをすれば、この世にとっては実に惨めな時代の到来となるでしょう。
聞き手 と言いますと、あなたの描いておられるインドの理想的未来像には、大量生産は存在しないということですか。
ガンジー いいえ、そんなことはありません。無理やりに進められるのでなければ、大量生産は紛れもない理想です。結局のところ、チャルカ(手紡ぎ車)のメッセージもそれです。これも大量生産です。もっとも各家庭での生産が集まって大量になるという意味ですが。一人一人が生産することを何百万倍にも広めていけば、ものすごい規模での大量生産になるのではないですか。しかし、あなた方がおっしゃる「大量生産」というのは、非常に複雑な機械の助けを借りて最小人数で生産活動を行う技術的な用語であると十分理解しているつもりです。それは間違ったことであると、私は自分に言い聞かせてきました。私の考える機械は、庶民の家庭に備えつけることのできる最も初歩的な物でなければなりません。
 私の計画では、前にも言いました通り、通貨となるのは労働です。金貨ではありません。
働ける人は誰でもこの通貨を持っているのです。つまり富を所有しているのです。その人は労働をすることで衣類、穀物を得ることができます。自分では作り出せない灯油が欲しければ、余分の穀物を用いてそれを得ます。これは労働を自由に、公正かつ対等に交換することであり、奪い合いはあり得ません。原始的な物々交換に戻るのかと反対されるかもしれませんが、国際貿易もすべて交換に基づいているのではありませんか。
 このシステムに付随するもう一つの利点についても述べさせてください。このようなシステムならば、どこまでも拡大させることができます。しかし、生産を無制限に集中して行う場合ですと、失業が生じるだけです。進んだ機械の導入によって職を失った労働者は別の仕事に就くだろうと言われるかもしれませんが、工業化された国では決まった限られた数の雇用しかありませんし、労働者はある特定の機械を使用するために高度な技術を持つようになるので、別の仕事に就くのはほとんど不可能であることはすでに経験済みではないでしょか。現在イギリスには三百万人を超える失業者がいるのではないですか。
 私は特権と独占を憎む着です。庶民が分かつことのできないものは禁止すべきです。

               (『ガンジー自立の思想』P88~91地湧社 ¥1900より)





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2004年10月20日 01時07分04秒


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: