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2021.12.13
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テーマ: アイドル(1123)
カテゴリ: 創作

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"この物語は2010年に書かれた。
人々に夢を与えるアイドルになることを夢見る一人の少女と、それを応援する男のラブストーリである…かもしれない"


 週末の秋葉原…、様々なサブカルチャーを発信するこの町に一人の少女…というには多少老けた女性が現れた。

造りの粗い手製のコスチュームに身を包み、手には使い込んだラジカセを携えて…。

彼女の名前は「姫野カヲリン(芸名)」(自称17歳)
アイドルになるという夢を叶えるために秋葉原にやってきた。

取り囲む人々の視線に気後れする事無く、おもむろにラジカセのスイッチを入れる。
ラジカセから流れるキーボードだけのチープな音源に合わせて、珍妙なステップでリズムを取りオリジナルソングを披露し始めた。

>私のぉ~♪
>胸のハートは~♪
>あなたでいっぱいなのぉ~♪

周囲の視線は一層冷たさを増す、が…それでも歌い続けるカヲリン

>あなたのぉ~♪
>おかげでぇ~♪



>人込みを掻き分け、カヲリンに向かってくる警官。
さすがのカヲリンも、動揺してステップが乱れる。

焦るカヲリンに、男が声を掛ける。

「チョット!早く逃げなよ!」

男はカヲリンの腕を掴み、その場を離れようとする。

「あっ、あたしのラジカセ…」

「ったく、しょうがねーな」

男はラジカセを担ぎ、カヲリンの手を引いて裏通りへと走る。

二人はこの時、これが運命の出会いとは気付かなかった…。

 なんとか警官をまいた二人は、その場にへたり込んだ。
息を切らしながら、男はカヲリンに話しかけた。

「あんな事して、あんた一体なに考えてんだ?」

「『あんた』じゃなくて『姫野カヲリン』17歳よwヨロシクね♪」

男の質問を無視して、自己紹介をするカヲリン…

「17って…」

その無茶な年齢設定に、言葉を失いつつも男は珍獣に遭遇

した時の好奇心に似た感情からか、カヲリンから眼を反らせなかった。

確かにカヲリンは童顔で目立ったシワもないが、その肌に10代の張りは無く体型も大人の女性独特の曲線を描き、むしろ熟女的な感じに近かった。

「こんな事を言うのは失礼かもしれないけど、俺とタメには見えないって」

「あなたも17歳なんだぁ~!ところでぇお名前は?」

「な、名前って俺の?」

「助けてもらった相手の、名前くらい知りたいじゃない」

都合の悪い事は知らんフリで終始マイペースで話をするカヲリンに、圧倒されて男は答えた。

「…仲間は『ヨウ』って呼ぶから、それで良いよ」

それを聞くとカヲリンは、軽くため息をついて呟いた。

「『ヨウ』か…、いまいちな芸名ね…」


「………」



「とにかく路上パフォーマンスからアイドルになるなんて、無謀な試みだと思うんだけど…」

ヨウはストレートに現実を突き付けた。

「それに『アイドル歌手』のジャンルはユニットが全盛だし、ソロで活動してるのはグラビアばかりじゃん」

「じゃあ、ユニットを作れば何とかなるかな?」

カヲリンの問い掛けにヨウは答えた。

「最近の傾向としてアイドルユニットはファンの様々なニーズに応えるために大所帯になって来てるし、少なくとも10人以上のユニットじゃないと売れないんじゃないかな?」

「あと9人仲間を集めなきゃって事ね…」

「人を集めたとしても、カヲリンの存在が要らなくなると思うけど…」

「それって、どういう事?」

「旧『モー娘。』の中澤裕子みたいになるんじゃないかな…」

「………私、アイドルになれないのかな?」

「………。」

落ち込んだ表情で、うつむくカヲリン。

さっきまでのノーテンキな様子は消え去り、その様子は寂れたスナックのホステスの様に哀愁を帯びている。

そんなカヲリンを見かねて、ヨウが口を開いた。

「いっそ新しいジャンルを確立してみれば?」

「新しいジャンルって?」

「『AKB48』のコンセプトが『会えるアイドル』らしいんだけど、その真逆で『会えないアイドル』ってどうかな?」

「『会えないアイドル』~?」

「ほら…声優さんとか今は露出してるけど、昔は声だけでファンを獲得してただろ」

「そう言われれば、そうね~」

「そんな姿が謎の『会えないアイドル』を目指してみれば、年齢とかの見た目のハンデは克服できると思うよ」
「だからぁ~、カヲリンは17歳だぞっ♪」

希望を見い出したカヲリンは、笑顔を取り戻した。

こうしてカヲリンとヨウの『会えないアイドル』プロジェクトは始動したのだった。





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最終更新日  2021.12.13 08:11:31
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