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2010年10月17日
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カテゴリ: 仕事のこと
最近たて続けに3人の患者さんから同じ内容の質問をされた。

「歯磨きはずっと食後すぐにする方がいいと思っていたが、食後すぐより少し時間をおいてからの方がいいのか?」

どうやら9月後半のNHKの「ためしてガッテン」で歯の健康について紹介されていたらしく、質問をされた方は全員それを見た方のようだった。

一昔前までは歯磨きは食後「3分以内に3分間磨くこと」が理想的だと言われていた。
私も歯科衛生士の専門学校時代、学校でもそう習ったし、その後もそれがずっと歯磨きの定説だった。
しかし、最近では食事をすると口の中が酸性になり歯の表面からカルシウムが溶け出しやすい状態になるため、唾液によって口の中が中和される食後30~40分経ってから(ためしてガッテンのHPには食後1時間と紹介されていた)歯磨きをするほうが歯の表面を傷つけずにブラッシングができると言われている。

かくいう私もこの事実を知ったのは去年の春、大阪を中心に活動されているフリーランスの歯科衛生士「長谷ますみさん」が主宰されている「みんとセミナー」の「カリエス(虫歯)予防」のセミナーを受けた時で、そうだったのか!?と軽いショックさえ受けた。

それまでの私は虫歯予防=歯磨きに重点をおいた考え方をしていた。
自分の子どもにも毎日せっせと仕上げ磨きをする。


長女の乳歯に虫歯が出来た原因、それは子どもが嫌がるからと歯磨き粉(フッ素入り)を全く使わず歯磨きをしていたこと、歯ブラシは使ってもフロス(糸ようじ)は一切使っていなかったこと、フッ素の利用を全くしていなかったこと、食事や間食の内容は考えても回数については無頓着だったこと等、反省点がたくさんあった。

今では食生活、食習慣、糖分の取り方、糖分の種類、むし歯になりにくい糖分のこと、フッ素の利用法、キシリトールの利用法など、セミナー後に新しい虫歯予防の考え方について勉強し、日々の指導に生かしている。

普通、口の中は唾液の作用により中性を保たれているが、食物を摂取したり、糖分の入った飲み物を飲むと酸性になる。
口の中が酸性になると歯からカルシウムが溶け出し、歯がむし歯になりやすい状態になる。
しかし食後30~40分ほどすると唾液の作用でまた口の中は徐々に中性に戻る。
一旦溶け出したカルシウムも唾液中から再び歯の表面に取り込まれていく。

炭酸飲料やお酢、果物など酸性度の高い食品を取ったあとはそれだけ中性に戻るのに時間がかかる。

決して炭酸飲料やお酢、果物が歯に良くないということではないが、ダラダラ時間をかけて食べていたり、習慣的に毎日これらの食品を回数を多く取ることが注意が必要だということだ。
三度の食事以外に間食回数が多かったり、水分補給にチョコチョコと糖分の入った飲み物を飲んだり、アメを頻繁になめる習慣があるとむし歯リスクが高くなるので注意が必要になる。

質問をされた患者さんにはお口の中が中性に戻る食後30分~1時間後くらいに歯磨きされるといいですね、と説明し、必要のある方には唾液の分泌を促進する方法なども指導している。

唾液分泌を良くする方法


・舌を左右に動かす
・舌を上あごにつけてタッピングする

やると唾液がじわ~んと出てくるのがわかると思います。

以前までの食後3分以内にという説だとせっかく美味しいものを食べても、食後すぐに歯磨きをしてしまうと口の中は歯磨き粉の香りで食事の余韻がかき消されてしまうけれど、食後すぐ歯磨きしなくていいということは美味しい食事の余韻をゆっくり楽しむこともできるため理にかなっているように思う。

ためしてガッテンのHPを見ると、他に歯の根元の辺りがくさび状に欠けてくる「くさび状欠損」の原因が食いしばりや歯ぎしりによる歯に過度の力が加わることだとも紹介されていて、歯についての新しい情報が正しく紹介されていることが良くわかる。







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最終更新日  2010年10月18日 15時11分35秒
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