伝記モノ
「女優Ｘ 伊沢蘭奢の生涯」 夏樹静子この人の推理小説がすごい好きで、一時だいぶ買ったことがあります。
これは「伊沢蘭奢」という女優さんの伝記で、夏樹静子さんの推理モノではないのですが、気になっていたものなので、借りてみました。「舞台」というのを一度見てみたいと思いつつ、見る機会が無く今まで来てしまいましたが、テレビで見る「女優」ではなく、舞台のみに生きる「女優」の姿をやっぱり見てみたい！と思わせる人です。「松井須磨子」という女優さんの名前は知っているけれど、「伊沢蘭奢」という人は松井須磨子さんが亡くなった後、大活躍された女優さんです。結婚して子供を産んで、でもどうせ１度しかない人生！と思い婚家を飛び出し上京。女優を目指します。既に２０代後半。それでももともとの才能と、天運があったのでしょう。舞台に上がり、後に大女優と呼ばれるまでに。でも、その生涯は短かったのですね。でも、婚家においてきた子供が自分に会いに来てくれ、頼りにしてくれ、そして舞台数も数多くこなした人生後半。彼女は幸せだったのでしょうね。本の表紙は彼女の写真。綺麗な人です。舞台、見てみたいな。
「東福門院和子の涙」 宮尾登美子 借りた日２０００．１１．１６
東福門院和子は徳川２代将軍秀忠の娘。公武合体を目指した幕府の意向により生まれたときから天皇に輿入れすることが決まった。江戸と京では言葉も風俗も違う。ましてや武家と公家では生活様式が全く違う。その中に嫁ぎ、夫となった後水尾天皇の側の女官などに意地悪をされ、幕府は幕府で和子以外の女性（後水尾天皇のお手つきとなった女官）が産んだ子供を殺したかも知れず・・・確かに和子が産んだ子供は天皇として即位し、徳川の血の入った天皇が誕生したけれど、実際その天皇は女王なので結婚できず、その１代で終わりとなる。お手つき女官が産んだ子供を和子の養子として即位した天皇も３人いるけれどあくまでも養子だから、徳川としてはちょっと無念だったのでは？
それにしてもこの時代の身分の高い女性は悲しいねぇ・・・
「出雲の阿国｣ 有吉佐和子 借りた日２０００．９．２７
｢阿国歌舞伎｣。それがどんなものなのかよくは知らないけれど、この｢出雲阿国｣に関しては前から知りたかった。ので、今回読んで見ました。・・・上下の２冊。長かった・・・出雲から出稼ぎで関西の方へ踊りに出てきた阿国たち。そのときは阿国が｢座長｣ではなかったけれど。大村由己梅安という人物に気に入られ、観世座を見限って出てきた三郎九郎に阿国たちを宰領させ、話題を呼ぶように。三郎九郎はいわゆる、｢身分の高い人｣たちに気に入られる踊り目指したけれど、阿国は民衆に喜んでもらえる踊りを目指した。２人は夫婦となったものの考えの違いからやがて阿国一座も２組に分かれる。
｢出雲阿国｣｢阿国歌舞伎｣は有名になるものの、結局阿国たちは出雲へ戻り、阿国に至っては鑪（たたら。御影石を作る人たち、とでもいうのかな）の村へ踊りに行きそこで大岩の下敷きになり死んでしまう。｢天下一の女」と呼ばれただけあって、１本筋の通ったしっかりした人。でも、その呼ばれが彼女を不幸にしてしまったという部分もあり、名誉と不幸は表裏一体なのだなぁ、と思った。
「鬼龍院花子の生涯」 宮尾登美子 借りた日２０００．９．１４
名前は聞いたことあってもどんな話なんだか全然知らなかったので読んでみた。｢鬼龍院花子｣という厳しい名前と｢生涯｣と名をうってるからにはきっと激しい生き方をしたんではないか？と思ってたんだけど・・・大違いだったんですね。鬼政の実子｢花子｣より養女の｢松恵｣のほうがよっぽど主人公らしいというか・・・共感を持つわけでも、感動するでもなく、話としては面白かったんだけど｢鬼龍院花子｣という人に対しては期待はずれだった。
｢クレオパトラ｣ 宮尾 登美子 借りた日２０００・９．１
上下巻。エジプト女王クレオパトラの伝記風小説。といっても、私にはどこまでが史実でどこまでが小説か分からない・・・意外だったのはクレオパトラが｢エジプト人｣ではないということ。最後は自殺したということ。クレオパトラという人自体は学校の歴史の時間で習ったけど、最後がどうだったか間では覚えてない。オクタヴィアヌスによってエジプト侵略され彼女の王子王女すべて捕らえられ、最後には毒蛇で自殺を図る。生涯で愛した２人のローマ人、シーザーとアントニー、それぞれに裏切られ、最後はこんな目に・・・彼女は幸せだったんだろうか。１国の女王としては普通の幸せなど望めるはずも無いだろうけど。｢クレオパトラの鼻が～｣というのはあながちウソではないなぁ・・・と思いました。
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