さくらの 読みがたり&創作などなどいろいろ ダイアリー

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2004子どもと本と文化の集いでのレポート


2004. 8. 5
「乳幼児親子への読み語りと学童クラブでの読み語りを通して」

                  地域・家庭・学校図書館分科会 にて


自己紹介

高校卒業まで、山形県鶴岡市で育ちました。
上京し就職後、大学の通信教育に入学、そのスクーリングで小松崎 進先生と出会いました。結婚して子どもが二人生まれてから、やっと大学を卒業し、その後、小松崎先生が忘れらなかったこと、たまたま同期に卒業した仲間にこの本だいすきの会の会員がいたこと、わが子への読み語りでやめられなくなるような感動があった
ことなどが重なり、入会、活動をすることになりました。入会して8年目になります。
現在、東京・中野支部の世話人をしながら、絵本研究会、わらべうた研究会に所属しています。
2000年に出版された、『この絵本よんだら』(小松崎進 大西紀子 編著 高文研)の執筆に関わり、2000年4月~2001年2月まで、童心社の機関紙「母のひろば」の「親子で親しむ童心社の本」の連載を担当していました。
 現在は、わが子への読み語りが少なくなっている中で、読み語りの出前活動を行いながら、週3回、学童クラブの臨時職員として働いています。

1、 読み語り(読み聞かせ)のルーツに立ち戻って

・私自身が読み聞かせをしてもらった経験は、母から大切な贈り物。
・忘れられない絵本あるということの幸せ。
『ゆっくりくまさん』森比佐志 さく 西巻茅子 絵 福音館
『ゆうちゃんのみきさーしゃ』村上祐子作 片山健 絵 福音館
・子育てのなかで励まされた絵本、落ち込んだときに元気になれる絵本
『いちばんまちどおしい日』つちだよしはる作 ポプラ社
『あかいそり』ましませつこ作 福音館

2、 わが子への読み語りから

◎ 赤ちゃんからからの読み語りは、喜びを重ねる行為。

・まねして言葉を発することだけでうれしい!なにかを見つけてくれただけで
うれしい。
・絵本にむかってこんにちは『ごあいさつあそび』(きむらゆういち作 偕成社)(長男)、『のせてのせて』(松谷みよ子作 童心社)「くまも・・・・いっちょ、・・・・・・・うしゃぎもいっちょ、ぶーん」とミニカーを並べて遊ぶ。(二男)
・『おつきさまこんばんは』(林明子 作 福音館)が大好きで何度も読んでいて、お月様が雲にかくれて出てこないと泣き出した。

◎ 子ども達の思い出が、絵本の中につまっていき、なつかしい絵本を開くと、そのときの光景が甦る。

・『あっなにかおちてる』を読んだあとに、アオギリをひろってきた。(長男)
・『おやすみなさいコッコさん』(片山健 作 福音館)で、コッコさんごっこ(兄弟でかわりばんこに)
・『ゆうたはともだち』(きたやまようこ作 あかね書房)で、お布団でじんぺい(犬)になりきり遊ぶ。

◎ 共通の話題の中に絵本や子どもの本がある幸せ。

・電車で息子二人と出かけたときに、待ち時間にお茶を買いに行った長男(小6)に「しっぽはさまないでね」と私が声をかけて、「しっぱはないから大丈夫!」とにっこり笑う。帰ってからも夫も加わり「それ、『こんとあき』(林明子作 福音館)のことだろ」と言い出しびっくり。「知ってるよ!何度も読まされたんだから・・」夫の読み語りの多さにも感謝。

3、乳幼児の子どもたちとお母さんたちに読み語り

○近所の児童館「乳幼児親子のグループ」にて、月2回(児童館のホールで1回・公園で1回)
○息子たちがお世話になった幼稚園の未就園親子の会で月1回

 私自身の経験から、1人でも多くのお母さんがわが子への読み語りをしてほしいと思い、活動を4年前から始める。
 乳幼児親子の前で読むときに、お母さんたちが関心を持って聞いてくれないとおしゃべりが止まらなかったりしてなかなか大変。
 軍手人形の活用・協力、参加してもらうような絵本を読むことで、楽しく。
 わらべうたや小道具(布)を使っての導入。
軍手人形『にわとりの親子』(資料・参考に)・参加型絵本『でてこい でてこい』『たまごのあかちゃん』など。
「みんなに助けてもらわないとでてこないよお」と声かけをし、お母さんにも子ども達にも協力してもらいながら。

◎わらべ歌や小道具を活用して

「おてぶし てぶし」
おてぶしてぶし てぶしのなかに へびのなまやけ かえるのさしみ いっちょばこやるからまるめておくれ いや (どっちだ)
「うえから したから おおかぜこい」
うえからしたから おおかぜこい こいこいこい
(くりかえし)

「ちゅっちゅ こっこ とまれ」
ちゅっちゅこっこ とまれ ちゅっちゅこっこ とまれ とまらにゃとんでいけ(布を飛ばす)


4、学童クラブでの読み語り

◎ きっかけは、読み語りの出前から

3年間続いていた、月一回の児童館と学童クラブでの読み語りの出前先の館長が、私の家から通えるところの児童館に移動し、電話を頂き、働くことになりました。働き初めて2ヵ月になりました。

◎ 同じ子ども達に毎日のように読める幸せ

48人の子ども達に、毎回おやつの時間に読んでいる。
おやつの時間は、みんながそろい、全員で聞ける。(帰る時間がなかなか揃わないので)いろいろな事情を抱えてる子もいて、トラブルもあったりするので、できるだけ楽しい本を中心に選書。
「今日も読んでくれる?」とすごく楽しみにしてくれる子が多くなり、作者もしっかり読んでいたら、「この人の本前にも読んだよね」などの反応や自分が読んだ本が、私が読んだ本と同じ人が書いていたことを伝えてくるようになる。

わが子以外で、毎日のように絵本が読めるのは初めて。生活の中から、子ども達の関心事も知ることができ、興味のある絵本を選ぶことも出来るようになる。恐竜の図鑑などを広げている子どもたちが何人もいたので、翌日、『きょうりゅうのたまご』なかがわちひろ作 徳間書店を読むと、大喜び。

◎ 絵さがし絵本で盛り上がる!

子どもたちが日常の生活の中で数人で絵探し絵本を囲むことが多い。
大人気だったのは、『どこ どこ どこ 1』『どこ どこ どこ 2』(長谷川義史 作 ひかりのくに)
『がたごと がたごと』(内田麟太郎 作 西村繁男 絵 童心社)
『バムとケロのシリーズ』(島田ゆか 作 文渓堂)

◎ 読み語りで私が元気になる

土曜日の学童保育で、トラブルが多かったときの読み語り。『キャベツくん』(長新太 作 文研出版)で、私自身が元気に。
子ども達も、読み語りのときは集中。

◎ 一対一の読み語り

・乱暴なS君(3年生)が『もっちゃう もっちゃう もう もっちゃう』(土屋富士夫 作 徳間書店)を「読んで」と持ってくる。

・友達とけんかして落ち込んでいたK君(小1)は『どこ どこ どこ』(長谷川義史 作 ひかりのくに)の絵さがしを一緒にしていたら元気になり、絵を描き出す。

・『怪談レストランシリーズ』(松谷みよ子 責任編集 童心社)などを「読んで」と持ってくる子も多い。

◎ 『おっきょちゃんとかっぱ』(長谷川摂子 作 降矢奈々 絵 福音館)を読む。

・私自身が大好きな絵本。おっちょちゃんがどうなるのかと42人(お休みが6人)がシーン。読み終わって、「もう一度、見せて!」と絵本を見に来る子が数人いた。
文書の魅力、不思議な世界に、どの子も集中。

◎ これからやってみたい、読み語り
(※ 今までの読み語りの出前で好評だったことを学童でも実践したい。)

・おやつの時間に読むということで、『ぼくは弟とあるいた』(小林豊 作 岩崎書店)を干しあんずを食べてもらいながら読みたい。
(この作品の中に、兄弟でお母さんが持たせてくれた干しあんずを食べる場面があるので。)

・『お月さまってどんなあじ?』(ミヒャエル・グレイ二エク 作 セーラー出版)をお月様に見立てたクッキーを作り最後に食べてもらうなどの工夫した読み語り。

5、気持ちを込めた読み語り。

 読み語りは目に見えない感覚を子ども達に育ててくれるものではないか。目に見えないものだからこそ、大切にしていきたい。
 絵本や子どもの本が大好きという気持ちを強く持つと、聞き手の感じ方が違ってくるのではないか。


≪レポートする中で実践したもの≫

☆手袋人形 にわとりの親子
☆絵本『たまごのあかちゃん』
☆絵本 『ひ・み・つ』(たばたせいいち 作 童心社)

                         2004、8、21更新

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