さくらの 読みがたり&創作などなどいろいろ ダイアリー

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「ツバキの思い出」2000年4月(431号)


「ツバキの思い出」



 先日、学校から帰るなり、七歳の長男が「お母さん、コップある?」
と言いだしました。手にはツバキの花、コップに水を入れて浮かべている長男に
聞いてみると「交通指導員さんが教えてくれたんだ」とうれしそうに話しました。
長男が拾ったツバキをきれいだとほめてくれたのでしょうか、それが驚いたことに、
登校した時だったのでした。すてきな拾いものと、その気持ちに気がついてくれる人に、
その日の長男は楽しい一日だったのでしょう。
 そのツバキを見ながら、私が思い出したのは、『こぎつねコンとこだぬきポン』です。
長男が四歳の頃、長いのに毎日毎日読まされた本です。
 こぎつねのコンの歌を私なりのメロディで歌って読みました。
「おしりを十ぶちます」とか「おしりを十ぶんなぐる」というところにいつもゲラゲラ
笑っていました。
 その何か月か後の事、どこかに出かけた帰り道、ツバキが咲いている家の前を通り
ました。すると、
「♪つんつん つばき つないでつくろ…」
と長男が歩きながら“コン”の歌を歌いだしました。そのメロディは、私が歌った
メロディだったのです。その日はうれしくて、うれしくて、この絵本をもう一度
開いたのを覚えています。
 長男がツバキを拾ってきたおかげで。またこの絵本を開きました。長男と四歳の二男の間で、読み始めると、“コン”の歌のところになりました。私が歌うと長男もあわせて
歌い出しました。長男があまり大きい声で歌うので、二男に怒られてしまっていました。
 今月からこのコーナーを担当することになりました。息子たちともどもよろしくお願いいたします。


(※ 無断転載を禁じます。出版社より許可を頂き掲載しています。)

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