私のオチド。
全1件 (1件中 1-1件目)
1
――――――――ギ~……カランカラン重厚な扉を羽弥と詩織2人掛かりで開け放って、綾たちはエントランスホールまで戻ってきました。昼食に出たのはマカロニグラタン、と…随分庶民はに聞こえるあやの思いで料理が振舞われた。いつ食べても美味しいと笑顔の綾が印象的だった。食事も一段落して、食後の御茶で一服。杞紗が少しだけうとうとし始めたところで帰宅ということになった。「それじゃ、柚姫さんまた来ます」「ごちそうさまでした」「柚姫、またこんど」「綾さま、杞紗さま。またのご来店心待ちにしております」杞紗と綾は柚姫に別れを告げると、玄関口の階段を下ったところ、ポーチに留まった羽弥の車に乗車。詩織は本家の方に戻るらしく、車を呼んであるらしい。車に乗ると杞紗の横には新しい学生服一式と通学用のカバン、さらに教科書が一式入った段ボール箱。まるっきり人座席分くらいは埋まってしまうのだが、それでも何の支杞紗が綾の横に座れるだけの広さがあるこの車はすごいと思う。「杞紗、帰ったら明日に備えて準備をしようね」「はい」まだ明るい三時の街をリムジンが駆け抜けてゆく。綾は柚姫の料理に感化されてまた直ぐやってくる夜の食事のメニューを心の奥底で思案し始め、杞紗は満足して車のゆれで眼がうつろになり始めた。「羽弥さん」「御用でしょうか?」「そうだよ、珍しいでしょう? ふふッ……明日、杞紗の入学祝をしようとおもってる、それでメイドたちを集めてもらいたいんだけど、暇があったらで構わないからお願いしできるかな?」「はい、畏まりました。それと、唯月のケーキで宜しいですか?「ご明察、流石羽弥さん」「そういわれてしまうと少しばかり恥ずかしくもありますね。機会があれば食べたくなる物ですよアレは……明日の朝は美咲学園までお送りするという事で宜しいですか?」「よろしく、小学校は転入初日は保護者も行かなきゃ行けないんだったね」転校初日はなんだかんだで手続きやらあって、美咲に任せるだけじゃまかないきれないところがあるらしい。「あとは、羽弥さん」「はい?」「今日はお疲れ様、本当に助かったよ」「いいえ、私が好んでしていることですから」「そうだったね、また明日も宜しく」綾がいつもどおりの科白を言うと、”はい”といつもどおり短い返事が返ってきた。杞紗はもう綾の膝を枕にして寝付いてしまって、綾は杞紗の頭をなでながら寝顔を眺めている。明日は杞紗にとっても綾にとっても大変な一日になりそうだ。そして、杞紗にとって、綾にとって新しいスタートになることも何となく頭の角には浮かんでいた。「杞紗、明日からもがんばって」そういうと、綾も短い睡眠に入った。窓の外で移り変わる景色はいつの間にか茜色が混じり始めて…少しだけ落ち着いた雰囲気が漂い始めていた。―――――それから…一時間。綾が眠ってしまってから、羽弥はいつもより若干遠回りをして綾の家へ向っていた。羽弥も何度かミラーで後部座席を見ているが、綾は一向に起きる気配は無い。綾が寝入ってから遠回りに加え速度も法廷規定速度ギリギリまで”遅く”してきたのがどうやら正解だったようだ。一度目を覚ました杞紗は綾の膝に何が不満だったのか…身体を起こして、徐に綾が寄りかかっている背もたれの勾配を緩やかにして、綾の胸にすっぽりおさまるように寄り添ってまた目を閉じた。綾の心音がトクントクンと聞こえて杞紗の安眠を促進しているのだろう、言ってしまえば安っぽく感じるが…久方ぶりにえた杞紗の安寧がそこに在ったようにも思える。杞紗は綾に甘えるように頬をすりつけ、綾はそんな杞紗を意識せずとも暖かく抱きとめる。この光景を見ているのは…羽弥だけ。世界中の一番暖かいところを今、羽弥は見守っている…かもしれない。――――……「綾さま、到着いたしました」いつもより気をつけてスーッと屋敷の敷地入り口の門の前で車が止まった。「ん―…もう一周いたしましょうか?」羽弥は無理に起こす気は無い…なにせ、羽弥はうれしそうにハンドルを握ったままだ。一度停まった門の前を通過してから家の周りを一周、過去の何度かある羽弥の経験からすると一周凡そ15分。また再びここに戻ってきたときに、綾が起きていることを期待しつつ…まだ起きていなければ…というジレンマにも若干悩まされて…羽弥は少しだけ苦笑した。………よもぎどりーむ@書庫にある”想いは色に…”という駄文じゃなかった………小説の続きの予定のものです。
2006.07.29
コメント(2)